6時半起床。
シャワーを浴びて身支度を整えてから、朝食会場へ。バイキングなので好きなものばかりを食べる。昨日懇親会でご一緒させて頂いた方もいらっしゃり、昨日に続いてお話をする。私がとても尊敬している方で、もう一度お会い出来て嬉しかった。
8時半にホテルをチェックアウトして、「山中貞則顕彰館」へ。私は4月にも訪れているが、役員さんや上司が初めてということでやってきた。
ちょうど先月で生誕100周年を迎えられたそうで、新たな記念碑が建立されていた。
私は先日見て回ったばかりなので、2階の書斎に籠って書籍に目を通す。歴代の秘書の方々が書いた山中先生のエピソード集がとても面白く、最初から最後までじっくり読んだ。政治資金パーティーはしない、特定の組織の会合や宴席には出席しない、秘書が不祥事を起こしても自分が全ての責任を取る(辞職する)、世襲はしない、陳情要望には即断即決で対応する等々、今の政治家たちに聞かせたい話が次から次へと披露されていた。今もこういう政治家はいるのだろうか。私が知らないだけで、たくさんいるといいのだが。
2階のベランダから眺める景色が素晴らしかった。幼い頃の山中先生は、この田畑や川で遊んでいたそうだ。
一旦、鹿児島空港まで戻り、先に帰京する役員さんや上司をお送りする。
続いては、霧島方面の訪問先へ伺う。標高が高いので、先ほどまでより少し涼しく感じられる。
そのまま宮崎県小林市まで出て、以前にも伺った焼肉屋「やません」で昼食。小林市出身のお笑い芸人、蛙亭のイワクラさん一押しのお店である。
前回同様、宮崎牛まぶし定食と、単品でチキン南蛮を注文。チキン南蛮は通常5個で1皿だが、3個にして頂いた。ありがとうございます。
牛まぶしは、まずは牛丼のようにして食べる。超高級牛丼である。
やはり、本場のチキン南蛮は美味しい。鶏肉がしっかり南蛮漬けになっているので、味が濃厚なのだ。タルタルソースもふわふわで、この組み合わせは完璧だと思う。
最後は、牛まぶしを出汁茶漬けで食べる。牛肉の脂がしみ出して、出汁が更に美味しくなる。
続いて、こちらも前回訪問したJAこばやしの農産物直売所「百笑村」に寄る。自宅へのお土産用に、マンゴーやぶどう、梨などを買って郵送した。
再び、鹿児島へ戻る。しかし、今度は大隅半島ではなく薩摩半島方面のちょうど真ん中あたり、日置市というところを訪問。見事な田園風景に囲まれ、深呼吸する。
こういう道を進んでいくのはワクワクする。
鹿児島にお米のイメージはあまりないが、それは桜島周辺の火山灰土壌が稲作に向いていないだけで、実際にはコシヒカリも栽培されているし、「ヒノヒカリ」や「はなさつま」といったご当地銘柄のものも人気があるそうだ。新米の時期に来られたら、一度買ってみたい。
宿泊先へ向かう前に、スーパー「タイヘイ」で夕食を調達。日置市と南さつま市だけで展開する地域密着型のスーパーだそうだ。外食でご当地グルメを頂くのも良いが、地元のスーパーでご当地食材を買うのも楽しい。
宿泊先は、同じく日置市吹上町にある吹上温泉の秘湯宿「みどり荘」。吹上温泉は島津藩御用達で、西郷隆盛に愛された温泉としても有名だそうだ。その中でもこの「みどり荘」は、斎藤茂吉や吉田弦二郎が通っていた宿らしい。ちなみに私は、彼らが宿泊していた部屋を予約してある。
受付を過ぎると、立派な藤棚がある。ちょうど良い時期に来ると、とても綺麗な藤を見られるそうだ。
敷地内にみどり池という池があり、一般客室やお風呂はこの池の周りに配置されている。
私が宿泊する部屋、前述の文豪たちが宿泊していた「もみじの間」は、離れになっている。築80年以上の建物で、この旅館で唯一当時の建物をそのまま残している部屋だそうだ。
部屋までは細い階段をのぼる。キャリーケースを運ぶのは結構大変だった。
期待以上に趣のある部屋である。築80年以上と聞いて大丈夫だろうかという不安もあったのだが、室内は綺麗にリニューアルされており、不便さはない。
さっそく、温泉に入る。源泉100%かけ流しで、自家源泉と共同源泉を混ぜている内湯と、自家源泉だけを流している露天がある。カランから出てくるのも源泉なので、洗髪や洗体も源泉でするという贅沢な環境だ。内湯は共同源泉を遠くから引いてくる分だけ温度は低め(それでも40℃以上はあると思う)、露天は約60℃の自家源泉なのでかなり熱い。しかし、このお湯が本当に素晴らしかった。種類としては硫黄泉(硫化水素単純アルカリ泉)で、ほのかに硫黄の香りがする。ph9.1という強いアルカリ性で、入るだけで古い角質が落ちる洗浄効果があるため、「石鹸いらずの湯」と呼ばれているそうだ。実際、入った瞬間から肌がツルツルになった。熱くて長く浸かっていることは難しかったが、何度も出たり入ったりを繰り返して全身に温泉を浴び、飲泉も満喫した。繰り返しになるが、これは本当に素晴らしい温泉だ。
部屋へ戻り、一休み。文豪を気取ってパソコンを開いてみたが、湯上りの気持ち良さですぐに横になる。そもそも、彼らの時代はパソコンではなく原稿用紙だろう。
先ほどスーパーで買った「しろくま」を食べて身体を冷やし、水分と糖分を補給する。
夕食は、錦江湾(鹿児島湾)で養殖されているカンパチと真鯛のお刺身に、鹿児島地鶏の唐揚げ。カンパチが驚くほど美味しい。脂が甘い。
飲み物は、お茶の他にデーリィ牛乳とヨーグルッペを買っておいた。こちらは宮崎県の名産品だが、売られていたら必ず買うほど気に入っている。
テレビを付け、野球を見たり、久しぶりにバラエティ番組を見たり、ゆっくりと過ごす。一応Wifiも飛んでいるのだが、ここでネットサーフィンをする気にはならない。
夜のデザートは、鹿児島県産のスイカ。甘みがしっかりしていて美味しい。娘に食べさせたら喜ぶだろう。
近くの吹上浜で取れる塩を使っているという「渚の塩饅頭」も美味しかった。これはお土産品としても喜ばれそうだ。
いつの間にか、外は真っ暗である。天気が良ければ星が綺麗に見えるとのことだったが、今日はあいにくの曇り空だ。しかし、窓を開けると夏らしい虫たちの声が聞こえてくる。
23時過ぎに就寝。