キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「大学教授こそこそ日記」

2024年07月06日 | Book
著者は、関西の有名私大に勤務する大学教授。日米の大学を卒業後、カナダ留学、銀行勤務を経て短大講師になる。その後、国立大学から私立大学教授へという経歴の流れで今に至る。
大学の先生と聞くと、高学歴、高収入と思われがちだが実際はそうでもない。特に若い講師は、副業がないと暮らせないほどであり、著者も国立大に勤めるようになってまともな生活ができるようになる。最初に勤めた短大は高校の延長のような感じで、日頃の生活指導や、本来は学生が主体でやるべき学園祭を仕切ったり、学生を海外ホームステイに連れて行ったり、高校を訪問して学生を勧誘する営業活動などもあり、講義以外でも雑多な仕事がある。また試験では論文のコピペなど学生のモラルが低かったり、単位を取るために親から温情を求められたり、今時の学生の気質についても色々な苦労があるようだ。教授達にもそれぞれ個性があり、彼等に纏わる出来事やエピソードも面白かった。大学教授と言えども、一旦講義が終わってしまえば普通の会社員とそれほど変わらない。悩みもいろいろ。大学の裏事情が紹介されていて、なるほどと思う事も多かった。
私は38年前に大学を卒業したけれど、当時の私の学科は学生に緩かったように思う。学科定員が少なかったので、単位を落として留年すると「後から入る後輩達が迷惑する」と言って、"甘口の採点"をしてくれ、出来が悪い自分は何度も救われた。当時の先生方に大いに感謝したが、実は学生に言えない裏事情もあったのだろう。この本を読んで、当時の先生方に大学の実情を聞いてみたくなった。(当時の教授は定年間近だったので、おそらくこの世にいないと思うけれど)

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本「飛行機ダイヤの仕組み」

2024年06月27日 | Book
著者は、元JAL のパイロットで航空評論家。 航空関係の本と言えば、航空理論、航空機本体や空港設備、航空会社のサービス等について書かれたものが多いが、それをどのように運行しているかについての本は少ない。この本では、普段あまり一般の搭乗者が気にすることが無い、航空会社のダイヤがどのように組まれているか、定時運行を阻害する様々な要因について、具体的な事例や著者の体験エピソードを踏まえながら解説する。
軌道を走る鉄道と違って、航空機には気象現象や空港の運用、航空協定や国の制度、運行ルールなど、安全性に影響を与える様々な要因が存在する。時刻表はあるけれど、これはあくまで 目安であり、その時刻に出発到着を保証するものではない。時間よりも安全性が優先される。その中で、パイロットを含む航空関係者が定時運行のために、ルート選択、高度調整、コストを考慮しながら、安全な定時運行に努力している。 
これまで数多く搭乗してきたが、時々いつものルートと違っていたり、突然高度の上げ下げを行ったり、旋回を始めたりして疑問に思うことがあった。空の上での航空機の振る舞いには全て理由がある。今まで客として乗ってると気がつかないけれど、パイロットがどれほど複雑な手順を踏んで、運航調整を行っているかがわかった。
この本を読んでおけば、パイロットの意図が感じられ、空の旅も一層楽しくなると思う。

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本「おかえりといえるその日まで~山岳遭難捜索の現場から」

2024年06月20日 | Book
著者は、山岳看護師。山岳遭難捜索の現場の実態及び自身の経験を語ったノンフィクション。 
中高年の登山ブームで、毎年のように遭難事故が起きている。登山家が高所で遭難する事例を想像しがちだが、実際は「こんな山で」と思うような低い山でも遭難は起きている。原因として多いのは、道に迷う、転倒、滑落、病気、疲労、天候の悪化など。それから登山者本人の性格も影響する。強気で前向きの性格の人は、無理してしまう傾向があるらしい。
著者は民間の捜索団体を立ち上げ、警察と協力しながら行方不明者の捜索を行っている。登山者としての経験は短いが、ベテランの登山家とは違う視点で、素人の山好きの行動を分析・推測し、成果を上げたこともあるようだ。この本で取り上げられた6つの事例は、アマチュア登山者に様々な教訓を与えてくれる。山登りを楽しんでる人も、自分が遭難者にならないように、一読しておくと良いと思う。 明日は我が身。


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本「知らなかった僕らの戦争」

2024年06月13日 | Book
著者はアメリカ人の詩人。戦争体験がない著者が、日本人の戦争体験者を訪ねて話を聞く。 
インタビューの相手は、真珠湾攻撃に参加したパイロット、被爆者、強制収容所に入れられた日系人、元日本兵、沖縄からの疎開中に船が沈没し漂流した女性など。今だから語られる当時の生々しい証言が、当時の戦争の空気感みたいなものを伝えてくれる。戦争の歴史的事実は学校や戦記物で知ることができるが、その時代の空気は、それに携わったか又は被害を受けた当事者にしかわからない。戦争体験者が徐々に少なくなる中、当事者の声を拾い集めておくことは重要だと思う。(この本ではインタビューを受けた後、亡くなった方が多い)著者は、それぞれのインタビュー後にコメントをつけているが、体験者へ寄り添う姿勢と率直な感想が良いと思った。インタビューされた人たちの悲惨な戦争体験を読むと、今の時代に生きられる幸せを感じる。 とても良い本だと思う。 
ちなみに自分の両親も戦争体験者で、父は満州で生まれ、大戦前に引き上げてきて鹿児島に住んでいた時に、空襲を体験し、米軍の戦闘機に銃撃された記憶があると言う。母は長崎に住んでいたが、原爆投下の直前に福岡の親戚のところへ疎開していて難を逃れた。自分は両親の幸運のもとで今を生きている。戦争を生き延びた人たちに感謝するしかない。この著者のように、両親の存命中に戦争体験を聞いておきたいと思った。

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本「ぼくの自学ノート」

2024年06月06日 | Book
自学ノートとは、自主学習ノートのこと。子供が家庭で自主的に学習する目的で行われる。 著者は、この本の出版時点で高校生。小学3年生の頃から自学ノートを書き始め、高校の時点で23冊のノートを作成しており、その内容を紹介する。
NHKの番組で彼のことを知り、どんなノートを作成しているのか知りたくなって読んでみたがとても面白かった。新聞記事の小さな出来事や社会問題に興味を持ち、自分の視点で内容を掘り下げて考察し、意見や感想をまとめる。 大人でもなかなかできないことを、小学生の頃からやっていて正直すごいと思った。文章も上手いしユーモア もある。本人は理系志望とのことだが、ノンフィクション作家としての資質もあるのではないかと思う。好奇心、探究心を育て、行動に移すことや人との出会いなど、彼の自学ノートが彼自身を育ててくれた。北九州市という地方都市で長年暮らして、身近なところに図書館や様々な文化施設があり、地元出身の有名人に恵まれていたことも彼にとって幸運だった。普通は勉強に忙しくなると、継続できなくて挫折する事が多いが、彼には読んでくれる先生のコメントが励みになっていたのだと思う。サポートする人も素晴らしい。今でも自学ノートの習慣を続けていると言うが、その後の自学ノートも読んでみたいと思う。
ちなみに、私も中学生の時に先生との交換日記をやっていた。 何を勉強したのかを書くのが目的だったが、私は歴史や地理、映画や読書が好きで、気になった話題を書いていた。 自分の感想に先生がコメントしてくれるのが嬉しくて、モチベーションが続いたのを覚えている。卒業の時に「後輩たちの教材にするので、私に譲ってくれ」と言われて、先生に持って行かれたが、今それを読み返してみたい気がする。今の自分には自学ノートは書けないが、失敗ネタを集めた「自虐ノート」くらいなら書けそう。このブログも充分自虐的な感じだけど
。(^^;)

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本「コンビニオーナーギリギリ日記」

2024年05月31日 | Book
著者は、コンビニオーナー歴30年の女性。 夫の希望で始めたコンビニ店の変遷と経験を語る。 著者はもともとコンビニをやる気はなかったが、夫の希望でコンビニチェーンの募集に応じて開店する。当初はライバル店も少なく売り上げも順調だったけれど、ライバル店の増加により経営が苦しくなる。オーナー夫婦は、バイトが雇えなくなってきたため、寝る時以外ほぼ終日勤務で働く。
コンビニの業務内容、それにまつわる様々なエピソード(万引き、人間不信、変わった人々、カスタマーハラスメント、怖い人など)が紹介されておりとても面白かった。客にとってコンビニは身近な店だが、店員との接点は支払いの時だけ。袋に商品を入れてお金を清算するのが仕事という印象しかなかったが、その裏では複雑なオペレーション(商品の注文手配、搬入作業、接客苦情対応など)の業務を行っている。例えば支払い方法一つとっても、現金、カード、プリペイド、電子マネーなどがあり、各社のオペレーションの違いを覚える必要がある。また著者が普段気になっていた廃棄食品の問題にも、オーナー泣かせのルールがあったらしい。 従業員の雇用にも色々問題があり、適性の見極め(一般的にコンビニのバイト楽な仕事と思われている)の難しさもある。コンビニ経営者には、客や従業員との関係以外にも本部との関係もある。本部とのオーナー会議での発言は、読んでいて少し熱くなる感じがあって、著者の経営者としての覚悟が感じられた。コンビニは身近な存在だけれど、知らない事がたくさんあって大変面白く読めた。
コンビニ店の苦労が判ったので、店員には礼儀正しく接したいと思う。(怪しい人と思われない程度に)

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本「立花隆 最後に語り伝えたいこと」

2024年05月22日 | Book
2015年に行われた立花隆による長崎大学での講演と、作家大江健三郎氏との1992年の対談を再構成した本。
前半は、被爆者、核の脅威について。これからこの体験をどう伝えていくか、自分の経験も含めて語る。後半は、大江健三郎氏との対話。約30年前のソ連崩壊の頃の対談だが、その後の環境問題や人口減、移民、格差の問題、戦争の話について語っており、2人の先見の明を感じた。
立花隆は、若者に対して、有効性を求めすぎてはいけないこと(コスパ,タイパの風潮)、大衆運動は99.9%は負け戦であり負け続けても継続こそ力であり、自分の意思を持ち続けることが大事という。またメディアに対しては、視覚メディアと言語メディアでは性格が違うこと。言葉のメディアは、心情的に深いところに届く。視覚のメディアは一瞬で情報を伝えるが、深いレベルで理解するためにはデータなどで二重三重に補足しないと良質な情報にはならない。写真は、言葉と組み合わせて初めて伝達力を持つこと。情報伝達の難しさを感じていると言う。
最後に、保坂正康さんの解説、回想記は興味深かった。 昭和史に焦点を当てて文筆活動をする保坂さんと森羅万象について好奇心旺盛な立花隆とは、同じノンフィクション作家で方向性が全く違うけれど、出来事の真髄を知りたいという欲求は共通している。同年代の盟友として、共感する部分が多かったのだろう。二人には若い頃から接点がありその話も面白かった。

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本「住まい方 解剖図鑑」

2024年05月16日 | Book
住居と暮らし方に関するノウハウ集。 
自分の家を持つにあたって、住まいに関する自分自身の考え方を整理し、知識やノウハウを持つことが重要。著者の長年の経験をもとに、様々なアイデア(建築の知識、トレンド、工夫など)をイラストで分かりやすく紹介する。易しく描かれたイラストを見ながら、さらりと読めてしかもためになる。これから家を作りたい、購入したい、手直ししたい人が、手始めに読んでおくと大変参考になると思う。
自分も今年、30年落ちの中古物件を買ったが、バブル時代?のトレンドやコンセプトで作られた洋風の家なので不満な点がいくつかある。見栄え重視で外観や内装が派手だったり、来客重視の導線や間取りになっていたり、使えない無駄な空間が多かったり(当時の贅沢感の演出かも)。これを解決する方法として、この本のアイデアが参考になる点も多かった。本当は、あれもこれもとやりたくなってしまうけれど、アイデアはあってもやるかどうかは予算次第。この本に従って全てをリフォームするなら、建て替えた方が早いかもしれない。

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本「戦後はらぺこ世代のシャッター音」

2024年05月09日 | Book
サブタイトルが「岩波写真文庫再発見」とある通り、戦後の昭和20年~30年代初めの日本を撮影した写真を集めた本に、赤瀬川源平が自身の体験と当時の様子を綴ったエッセイ。
戦後の生活を知るには、親世代の話を聞くか当時の写真やフィルムを見るしかない。当時の岩波文庫は、様々なテーマを設定して民俗写真を収集した。その写真にまつわる著者の記憶や体験のコメントがとても面白かった。 おそらく当時の写真を見ただけでは何とも思わないだろうが、実体験のコメントをつけるとその写真の持つ意味が大きくなる。これは現代のインスタやFacebookの写真にも言える。芸術写真には言葉は必要ないけれど、スナップ写真には言葉による補足があったほうが良い。
この本で取り上げたテーマは、捕鯨、肖像写真、野球、自動車、蒸気機関車、芸術、電話、造船、馬など。現代では見られなくなった物や風景をピックアップしている。
面白かったのは蛔虫をテーマとした写真。自分も蛔虫体験がある。昭和40年代初めに奄美大島に住んでいたが、当時の奄美は、昭和20年代のような雰囲気だった。電話は数軒に1台しかなく、道路は大半がダートで雨天時は水たまりだらけ、給食はクジラ肉に脱脂粉乳、日本本土とは全く違う世界だった。当然、体内に蛔虫がいるのが普通で、便に白い小さな蛆虫が一緒に出てきたり、ヒモのような蛔虫が肛門から出てきた記憶がある。当時の写真を見ながら著者のユーモラスな文章を読んでいると、当時の記憶が色々と蘇ってきた。でも、こういう昭和の写真集を見て、懐かしさを感じるのは歳を取った証拠なのかもしれない。(^^;)

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本「そして謎は残った: 伝説の登山家マロリー発見記」

2024年04月26日 | Book
「なぜエベレストに登るのか」と聞かれて、「そこに山があるから」という言葉で有名な登山家マロリーを探す調査隊を追ったノンフィクション。
マロリーは、1924年にエベレスト初登頂を目指し、同僚アーウィンとともに登山を開始するが、登山隊のメンバーにアタック中の姿を一度目撃されたのを最後に行方不明になってしまう。その後、数多の登山隊が登頂を果たすが、マロリーは70年以上も発見されなかった。捜索チームは、マロリーの登頂の謎を解くために、それまでの情報を基に探索場所を検討し、遺品捜索中にマロリーの遺体を思いがけず発見することになる。マロリー発見の感動と遺品から判断される彼らの行動の仮説がハイライトになっている。エベレストまでのマロリーの行動と調査隊の苦労が並列に話が展開していて大変面白く読み応えがあった。
マロリーの時代と現代では、ベースキャンプまでの行程は大きく異なり、移動は容易になったが、ベースキャンプからエベレスト登頂の過酷さは今も変わらない。道具は進化しているが、一番問われるのは人間の高所への適応能力だろう。 環境への順化、体力、精神力の強さが求められるが、当時の人たちは強かった。 この本では、多くの疑問に対する証明はされたが、登頂については未だに謎のまま。著者が考察した4つの仮説は解明されていないというのが、この本出版時の状況となっている。
因みに、調査結果から推測したマロリーの最期を描いた部分は、リアルな表現で読んでいるだけでゾッとした。彼の最期なんて知らなくてもいい事だけれど、では「なぜこの本を読んだのか」と聞かれたら、「そこに物語があるから」と答えたい。 私にそんなことを聞く人はいないと思うが。(^^;)

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アイザック・ニュートンの本を購入しました

2024年04月19日 | Book
以前から欲しかった絶版書が、アマゾンで格安で売っていたので買ってみました。
程度は「良い」でしたが、送られて来た本は日焼けが凄い。「松崎しげる」並み。(失礼😅)
まあ30年前の本だから、これは仕方ないかな…。古い本を買う時は、割り切りが必要です。

アイザック・ニュートンの伝記です。500ページ以上の大著。
ニュートンと言えば、昔、イギリスにお墓参りに行った事があります。

中身は新品同様。1993年当時の平凡社の新刊案内が添付されてました。
読んだ人いたのかな?
図書館で借りた事がありますが、貸出期限が気になって読めなかったので、購入することにしました。これで期限を気にすることなく、じっくり読めそうです。(^^)


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本「バスドライバーのろのろ日記」

2024年04月18日 | Book
著者は、47歳で教師から憧れのバスドライバーに転職した珍しい経歴の持ち主。
この本では、バス運転手の業務内容からバス運行のルールや懲罰、お客さんとのエピソード、迷惑な人達、バス運転手の困りごと(食事やトイレの問題等)、社内での人間関係などを紹介しており、このシリーズのいつものパターンを踏襲していて分かりやすかった。バス運転手の仕事の大変さが実感できる。社内の人間関係でゴタゴタ するのは、どの仕事でもよくある事でそれに悩んでやめてしまう人も多いが、著者は上手く立ち回って好きな仕事を続ける。教師として人前で話すのが得意であり、接客、運転も好きでバスドライバーとしての適性があった。色々な問題を抱えながらも大好きな仕事を続けるが、ドライバーとしての根本的な問題で辞めることになってしまう。 読んでいて、本人の無念さが伝わってきた。
自分も子供の頃、バスドライバーに憧れたことがあったが、この本で業務内容を知ると現実は厳しいと思った。 運転スキルだけでなく、体力や接客のスキルがないと、この仕事は務まらない。また他の交通機関同様、人の命を預かる仕事には大きな責任も伴うが、著者は教壇に立って、生徒に知識を教える事よりも、バスの運転の方が刺激的でやり甲斐を感じていたのかも。

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本「字が汚い」

2024年04月05日 | Book
自分の手書き文字の汚さに悩む著者によるルポ。著者はライターで編集者。決して頭が悪いわけではないのだが(東大卒)、文字だけは上達しない。うまく書こうとしても、子供っぽさが抜けないのが悩み。そこで一念発起して、文字練習帳の本で勉強したり、文字講座に通ったり、文房具に頼ってみるが、なかなか上達しない。担当した作家と対談したり、悪筆の文豪や政治家、野球選手の文字を調べてみたり、文字の流行(丸文字など)について考察してみたり、様々な角度から手書き文字を取り上げていてとても面白かった。最終的に著者の文字も上達はしたが、上手いかと言われるとどうかなという感じ。手描き文字は上手い下手の問題よりも、読んでもらう人を意識して書くことが重要ではないかと思う。
ちなみに自分の文字は、高校時代の国語の先生の影響が大きい。板書する文字が物凄く几帳面で綺麗な楷書だった。いつも惚れ惚れするような字で、真似してノートを取った記憶がある。でも字は上手な先生だったが、授業はあまり上手くなかった。その先生が何を教えていたのか、全く記憶がない。国語の先生よりも書道の先生になったほうが良かったかも。

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本:外山滋比古「自分史作法」

2024年03月28日 | Book
自分史を書くための心構えを説いた本。
一時期、自分史ブームというのがあった。自分の人生を振り返って、エピソードを交えながら人生を辿るのが自分史。日記と違うのは、ある程度他人の目(読者)を意識して書くことが必要で、そのためには文章修行も必要だし、読ませるテクニックも習得した方が良い。よくあるのが、ダラダラと過去の自慢話に終始すること。日経新聞に「私の履歴書」という自分史的な半自叙伝があるが、これが面白くないのはそういう人が多いから。書くためには読むとことも必要で、作家や有名人の日記や記録が参考になる。エッセイや自伝、生活の記録、日記、年譜、追悼集などを紹介しているが、著者推奨の写真やアルバムを見ながら、当時を振り返る方法が自分には参考になると思った。写真で当時の様子を見ると色んな記憶が蘇ってくる。 最後は書くための道具の話。原稿用紙や筆記具についてのアドバイスは、パソコンが使えない高齢者の方には参考になると思う。
還暦過ぎの自分も自分史には興味があるが、まだそういうものを書くような歳ではないし、著者が言う「読者を想定して書く」というのも難しい。読者になって欲しい妻は、赤の他人のゴシップには興味があるが、旦那の人生には全く興味が無い、、。(^^;)

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本「ヒトラーに傾倒した男」

2024年03月15日 | Book
NHK のドキュメンタリー本。 A級戦犯となったドイツ大使、大島浩を追ったノンフィクション。
大島浩は、幼いころから父の指導の下、エリート教育を受けドイツ大使となる。 ヒトラーとの親交を深め、日独伊三国同盟に大きな役割を果たす。ただあまりにもドイツの軍事力を信奉するあまり、日本の将来を見誤らせることになる。 彼が残した証言テープを基に、彼の生き方を紹介する。
大島浩の人生についてはほとんど知らなかった。日本の一外交官がヒトラーと親しくなった事で、歴史を大きく変えていくきっかけになったことを知って驚いた。この本の基になった証言テープに、本人しか知らないことが色々収められていて、もしこのテープがなければ歴史の裏舞台を知る事も無かった。歴史の見方を変える優れたドキュメンタリーだと思った。

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