ジル・ボルト・テイラー「奇跡の脳」は、脳卒中の発生からリハビリまでを記録した大変興味深い本だったが、彼女がTED(Technology Entertainment Design)のプレゼンテーションで語った脳卒中の体験は本当にリアルで、本で読んだ印象よりも何倍も説得力があるものだった。脳卒中になると、意識の変化、体の機能の制限など様々な障害が起きる。一般人であれば、そのまま意識を失って動けなくなるのだろうが、脳科学者である彼女は冷静に自分の状況を把握し適切に対処している。それでも大変危機的な状況にあったのは間違いない。もし脳卒中が起きたときの事を考えると、このプレゼンの内容を見ておくだけでも対処の仕方がわかる。内容はシリアスだけれど、適切に間を取ったり、時々ユーモアを交えて観客を飽きさせない彼女のプレゼンはとても素晴らしい。