『若い人は何でもいじりたい物なのね。』私はそんな事を思うと、つい微笑んでしまいます。若い彼らの様子を微笑ましく眺めてしまうのでした。
「別に僕達好きで回している訳じゃありません。」
と、私の視線に気付いてそんな事を仰ったのは、新婚さんのご主人だったでしょうか、ご兄弟の方だったでしょうか。そうだわとフルムーンの奥様か、ご兄弟のお母様かが言われて、やはりくるっと中央のターンテーブルを軽く回されます。どうやら、このテーブルを回すという行為がある種の示威行為だったようです。
『…。』私が何か思う間も無く、「○○さん、回さないの?」「○○さんの番よ。」(ペンネームなら「さとさん、回さないの?」「さとさんの番よ。」です。加えて言うと、この辺りは関西弁です。)と、私の回す順番が回って来ました。皆全員、もうターンテーブルに何かしらの意思を表明して、強弱の差こそあれ手を触れていたのでした。私は内心困りました。皆特定の誰かに不満を表明していたのです。
この点団体行動です。私はその誰かにそう酷く不満に思う事が無く、食事に関しても何でも食する事が出来る方なので、今晩が和食でなく中華でも全然構わなかったのでした。それでも、皆に合わせてくるっとテーブルを回しました。皆何かしら胸に一物という顔で含み笑いをしているように見えました。
「さぁ、ガイドさんも回さないと。」
あなただって回したいでしょ、と、これはフルムーンの奥様が仰ったような気がしますが、最終的にはガイドさんもテーブルを回して、皆一様にテーブル回しの儀式?は終わったのでした。ついつい訳知り顔をしてしまう私なども、誰かの不満を受けていたのかもしれません。