Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

美湾

2017-12-09 16:08:29 | 日記

 私は目の前の彼女の反応から、No, orangeでよかったのだと悟りました。するとオレンジジュースが無いのだわ、このオレンジ色の瓶の物はオレンジジュースじゃないのね、と、半信半疑ガラスケースの中のオレンジ色の液体が入ったガラス瓶を眺めました。彼女は、真顔になると、再び私にNo orangeを繰り返し、NOという事を身振りで示しました。手ですっぱりと無いという身振りです。そして「…、○○ジュース、△△ジュース。□□ジュース」と、それらならあるという事を伝えて来ました。

 彼女の言葉が早かったので、私は指を折りつつ、頭の中でジュースの名前を思い出しつつ、Pleas, repeat more slowly.が咄嗟に出てこなかったのです、アップルジュースに思い当たると、

❛Apple juice, please.❜

と言って一息つきました。

 彼女はこれに機敏に反応すると、直ぐにケースから牛乳瓶に入ったそれらしい琥珀色のジュースを出してくれました。私は彼女から値段を聞くと財布からコインを何枚か出して、自分の掌の上で物色しました。代金の金額のコインが目についた私はそのコインを選ぼうとしました。と、その瞬間、向かい側にいた彼女がピン!と、私の掌の上のコインを見てすかさずこれだという身振りを示しました。そして彼女がそのコインを指さす間もあればこそ、さっとその1個のコインを選び取り持って行ってくれました。私は彼女のその素早さと目の良さに感服しました。自然っていいなぁと、ケアンズで見た先住民の方のやり投げの正確さを思い起こし、何方も目が良くなければできない事だと感じました。その目の良さはというと、自然の中で自然の風物を当たり前のように見ている生活から来ているのだと感じ入ったのです。私も就学前は目が良かったのよ、と内心思いました。


美湾

2017-12-09 12:33:01 | 日記

   私はなぜ驚いたのでしょうか?

実は私は声をかけて振り向いた彼女の顔を見て驚いたのでした。彼女は先住民の若い女性の方でしたが、彼女の民族特有の伝統的な風習を受け継いでいたようです。彼女は鼻の下の両脇から、黒くて細長い三つ編みの様に編んだ髭を2本垂らしていました。髭を編んだ紐はかなり長く、肩よりもかなり下まで下がり、胸よりもまだ下まで垂れていたかもしれません。この様に、私がかって見たことの無い様な彼女の風貌に行き成り出会い、この事を私が思いも掛け無いでいた事で酷く面食らったのでした。

 『そうか、彼女の一族の風習なんだわ。』直ぐに内心納得すると、私は何事もなかった様に彼女にジュースを頼んだのでした。

❛No, orange.❜

彼女の答えでした。

❛……,.❜後に続いて何か言われましたが、私にはよく分かりませんでした。ジュースという言葉が入っていたような感じでした。

 『?』。私は彼女と私の間にあるガラスケースの中にオレンジジュースがあるようなので不思議に思いました。私の発音が正しくなくて通じないのでしょうか。英語の発音には全く自信がありませんでした。

 私はかつて英語の授業時間に英語の先生から、lemonの発音を何回か言わせられました。「レモン」と繰り返す私に、先生はよく聞きなさいと自分の発音を何回も繰り返されたので、私はとうとう聞こえた通りに「レマン」と言うと、やっとOKがもらえて解放されたという経験がありました。それで、この時その事を思い出した私は、

「ノオレンジ プリーズ」と発音してみました。彼女の言うノオレンジの意味はオレンジジュースが無いという意味では無くて、オレンジジュースですか?という確認の為の復唱なのかなと思った訳です。

 すると、彼女はプッと吹き出しました。笑顔でちらっと後ろにいるもう1人の女性の係の方を見やりました。見ると、そちらの係の方は白人の方で年配の熟練者のようでした。