Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

美湾

2017-12-19 15:58:49 | 日記

   翌日、旅行6日目、3月10日(水)はシドニー市内観光です。

日程表をみると、

 「午前シドニー市内観光。オペラハウス、ハーバーブリッジ、マッコリ―岬などの名所を訪れます。

  午後、野生動物園オーストラリアン・ワイルドライフパーク観光。

  夜、シドニー湾にてディナークルーズをお楽しみください。」

 となっています。

   朝食後、マイクロバスで出かけました。オプショナルで別行動の方々もおられたかもしれません。私の記憶によると、私自身はオペラハウスのお土産売り場に行った事を覚えています。ここで、もし何か買ったとすれば絵葉書くらいだったでしょうか、何も買わなかったような気がします。お土産売り場はこじんまりしていて、小物の置物など売られていたように思います。ペンダントなどのアクセサリもあったかもしれません。

 この日の自由時間は1人で回っていました。いつもご一緒するご家族連れのお母様は、「今日はお子様達に付いて一緒にいたいから。」と前置きされると、私とは別行動になりました。暫くして、オペラハウスの土産物店で偶然出会いました。少し御一緒しましたが、暫くしてやはり何処かへ出て行かれました。ツアーの独身男性の方も、ちらりとこのオペラハウス内の土産物店で見かけましたが、こちらの方も、やはり私とは話す事なく何処かへ行かれたようでした。オペラハウスの舞台の方で、何か歌劇の催し物が有ったのかもしれません。皆さん前もってチケットを購入してあり、その鑑賞をされたのかもしれませんね、そうすると外ではなく、皆、館内へ入って行かれたのでしょう。私はオペラに関しての素養が全く無く、前もってガイドさんから何か聞いたかもしれませんが、気が向かなかったのか、初めて訪問したシドニー湾の近辺を見物したかったのか、兎に角一人で湾岸をふらついていました。

 その日は良いお天気でした。晩夏というか、初秋というか、まだ海辺が気持ちよい季節、この土地では夏の名残のある陽光でした。他の4人のツアーの皆さんとは、自由時間は全然顔を合わせませんでした。それでこの時の記憶はありません。


美湾

2017-12-19 14:51:57 | 日記

 集合時間も近くなり、私は時間より早めに動物園入り口に戻って来ました。そこには女の子の人だかりが出来ていました。

 如何やら先程の男性が中心にいて、女の子達からサインなど強請られて書いているようです。この土地のスターかモデルさんだったようでした。そこで彼等の邪魔にならないように、私はその集団から少し離れた場所で1人皆の帰りを待っていました。同行ガイドさんが一番に帰って来たようでした。私は何となく、何目線というのでしょうか、上目遣いとでもいうのでしょうか、一寸胸に一物ある感じで彼女の顔を見てしまいました。

 「何かありましたか?」

そんな事を彼女から聞かれたようにも思います。入口の傍らに出来た集団を見て、彼と何かありましたかとも聞かれた気がします。が、何も、別にと私は答えておきました。私がこの時何を思っていたかというと、傍らの彼というよりも大トカゲで受けたショックの事でした。特に体調に変化を兆すほどの出来事が事実起こった事に、実は怒っていました。内心の怒りを地面を蹴る事で憂さ晴らしして収め、胸中で『ぷんぷん!』と言っていました。


美湾

2017-12-19 12:08:44 | 日記

 飼育場のトカゲを見下ろしてみると、小さく灰色の普通の形状のトカゲのように見えます。先程酷く驚愕させられたトカゲと思うと、私はムカッと怒りが湧いて来るのですが、此処からみていると、静かで大人しそうな彼等の様子です。これが先ほど見たトカゲと同じトカゲかしらと訝しく思いました。それでもう少し飼育場の様子を注意深く観察してみると、有りました、半円のガラスのドームが施設内のコンクリートの地面に顔を出しています。あそこから覗いて見ていたのだなぁと思いますが、少し前の事なのに、私にはかなり時間が経った気がするのでした。

 こうやってドームを見つけると、やはり目の前の此処にいるトカゲ達があの凶暴なトカゲなのだと理解できるのでした。それにしても、飼育場の物音一つしない静けさや、トカゲの地味な灰色の体色、のんびりした動作に、今いる場所から上から目線で見下ろしてみると、そう大して恐怖は感じられないのでした。『此処からみていると可愛い物なのに…』そんな事を考えて、胸に手をやり摩りながら、「心臓に悪いわ、このトカゲ…。」と、呟いてしまいます。黒焼きにして煎じて飲むと心臓に悪いというわけでは決してありません。(笑い)

 どうやら私はショックから立ち直ったようです。やはりこの彼等よりかなり上の高い場所から、安全に彼らを見下ろすという立ち位置の余裕、上から目線が物を言ったようです。精神的に落ち着いてみると、体調的にも安静な状態に入った様でした。

 私はそのまま風に吹かれて、大トカゲを見下ろしながら、あれこれとトカゲの体色の違い、個体差の違いを観察していました。やや赤茶色っぽい体色の、古びた皮膚の感じをした物もいて、間近にいる物はやはり大きく感じました。2メートルはあったかもしれません。顔も厳つく感じます。もしかすると1種類ではなく、何種類かの大トカゲがいたのかもしれません。

 と、行き成り飼育場をさーっ、すたたたと走ってドームに飛びついた(食いついた)トカゲがいました。やはり怖いです。大きさは頭から尻尾まで入れると優に1メートは有るようです。大きい物はもっとあるようでした。それがドドッーとばかりに走り寄って行く様は、遠目、他人事でも衝撃的でした。地下施設での経験よりはまだましでしたが、『案外速いんだ、しかもあの大きさ、』と、目の前で起きる出来事で、大トカゲは襲われる身になると大変危険な動物なのだという事が確り再認識できたのでした。しかもこの後に、ドームに向かって数匹のトカゲが折り重なるように食いつき、バタバタ群がる様子を目にすると、空いた口が塞がらないほどにポカンとして仕舞いました。

 私は大トカゲのその凶暴な攻撃性に呆れかえってしまったのでした。何だか虚脱感を感じると、ふらふらと大トカゲの飼育場を後にしました。