眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

レンタル肩

2019-04-01 22:15:02 | 好きなことばかり
雨の日に本を開くことは
難しいから憂鬱になる
ドアが開いて押し出されるように
人が降りてくる
 
どこにも席はない
フェイクいっぱいに垂れた広告
何もない中に立つことは辛い
風にあおられるようによろける
 
一人の紳士が音もなく乗車した
背中を向いたロングコートの肩に
傘かけが付いているのが見える
「かけてもよろしいですか」
(いいに決まっているのだが)
 
男は半分振り返りながら
「あ、どうぞ」
 
おかげで好きに読めるぞ
 

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