クジラ12月号

万国の
祈りを込めて
大空に
招かれたクリ
スマスのクジラ

折句 短歌「バイオマス」

まちびとこず

エッグベー
コンにたっぷり
マヨネーズ
ぶちまけた「サン
タは来ないのね」

折句 短歌「エゴマ豚」

クローザー

創作も
これでしまいか
風を切る
シンカーひとつ
ここに落として

折句 短歌「そこかしこ」

うちあける

未明から
そわそわしたい
さんちゃんの
サンタに酷な
今を持ち寄り

折句 短歌「ミソサザイ」

かわりもの

空腹ア
リトルな君が
好きだった
マシュマロはもう
好きでもないの

折句 短歌「クリスマス」

一線厳守

曖昧な
仕草を置いて
振る舞えば
ラインを守り
入れる葡萄酒

折句 短歌「アジフライ」

みにあまる

永遠に
読破できない
新書まで
くれるサンタに
「thanks a lot」

折句 短歌「江戸仕草」

ホイミ以上

ホイミより
メラを唱える
講堂で
ロトの勇者と
城クリスマス

折句 短歌「ほめ殺し」

えりあし

雨が傘
風がコートの
存在を
なお匂わせる
「えりあし寒い」

折句 短歌「あかぞなえ」

待つ人々

空気さえ
リードできずに
荒み切る
待合室を
すべるトイカー

折句 短歌「クリスマス」

さよならカラー

不安だけ
募らせながら
取ったかる
めのジャケットは
さよならの色

折句 短歌「フットメザ」

そこからはじまる

干されても
滅しはしない
恋すべき
６部リーグで
視野は開ける

折句 短歌「ほめ殺し」

紅

落としあう
ものたちがいる
天体の
「並一丁」に
生姜いっぱい

折句 短歌「おもてなし」

空想の星

空想は
理想を飛ばす
スプリング
瞬く内に
彗星となる

折句 短歌「クリスマス」

超越的愛

愛すれば
時空を超えて
耽るまで
ラブロマンスは
イカロスの背で

折句 短歌「アジフライ」