軽薄な内容ばかりの当ブログにそぐわない少し重苦しい話題を、久しぶりにひとつ。住民協定の問題である。七里ガ浜自治会の管理下にある住宅地の住民協定については、ここでも何度か書いて来た。基本的なところは当ブログの「西武七里ガ浜住宅地の住民協定(1)~(6)」にあるので、ご関心ある方は読んで頂きたい。ここにその6つのうちの(1)へのリンクhttp://blog.goo.ne.jp/kama_8/e/c96437d11ae5b475988b5b57a9f32b51を貼っておく。

我が家からほど近いこの光景。道路の両側に家並みがあって緑も豊富だ。右手からは大きな桜の木が枝を伸ばしている。画像の中心には遥か彼方に広町の森の緑がのぞいている。いつもと変わらぬ風景に見える。しかし七里ガ浜東3丁目のここでは、私がこれを書いている今(2009.10.2の14:21 ブログ掲載はちょっと後になりそうだ)も、この景色を変えるかもしれない工事が続いていて、チェーンソーあるいはショベルカーの音が響いている。
現在、七里ガ浜自治会で最も重要な議題のひとつに挙がっているのがこの土地の問題だ。すでに自治会会報で何度も取り上げられ、そこでは「この区画の分割販売を主張する業者に対し自治会は住民協定の遵守を要請している」と繰り返し説明され、住民の注目度も高い。上の画像で右手から伸びる大きな桜の木が見事なところが正にその区画である。
不動産業者は自治会からの要請を無視し、この土地を2分割して販売する広告を用意し、見込み客に手渡しして営業して来た。その営業行為はこの地区のあちこちに看板がある「住民協定」に違反するものである。業者は自治会役員に対し「周囲では分割も散見されているのに、何が問題なのか。いったい法的にどんな問題があるのだ!」との態度をとった。いつものことだ。そして今回敷地にショベルカーが運びいれられた。この区画は本当に分割されてしまうのだろうか。緑のプロムナードとそれを横切る数少ない通りの角で、当住宅地にとっては住民協定維持の見本のようなシンボリックなロケーションである。

こうした住民協定違反の不動産業者の販売あるいは仲介行為に対し、法的罰則はない。住民協定は住民相互の礼節、マナー的合意に過ぎないのだ。しかし強制力はないものの市役所にも届けられ法律にも準ずる住民協定という『重要な事項』について、土地の買い手である個人客に対し、彼等業者はいったいどのような説明をしているのだろうか。いわゆる「宅建制度」が始まって、宅建の資格を持った不動産業者が、重要事項説明を買い手に行うことがはるか昔に義務付けられたわけである。買い手に対して、もし業者の宅建資格者が「ここは住民協定はあるが法的に罰則はないし、協定を無視して分割した土地を買っても、大丈夫です」と説明しているとすれば、コンプライアンス的には重大な問題を含む。しかし実際に当住宅地でも少なからずの区画が分割され、そこを買って住む人がいるくらいだから、業者の多くがコンプライアンス的におおいに問題がある説明を繰り返して営業していると理解せざるを得ない。
そもそも重要事項説明が売買契約書に捺印する段階でなされるという現行のやり方自体に問題があろう。契約書に捺印するという行為は長い時間を要する土地建物売買のプロセスの最後のセレモニーみたいなものであって、そこで買い手が「これを買うのを止めます」なんてことは絶対に言えない状況である。そんな場で重要事項項目として業者が「実は、この住宅地には住民協定がありまして、それを無視することに問題なしとは言えません。しかも自治会は分割取引の中止を要請してます・・・」などと、取引がストップしかねないことを真剣に説明するとは到底思えない。

例えば金融業界なら、法律上細かな規定が細部まで定められていなくても、コンプライアンス上業法の趣旨に従えば問題ありと監督官庁から判断されれば、その業者はお咎めを受け、指導を受けたりする。日本を代表する金融機関だって、何度もその咎めを受けている。しかしこれまでに住民協定破りの取引あるいは工事が、当住宅街でこれだけ頻発しているということは、不動産業界に関しては、ほとんど役所の監視もザルみたいなものなのであろう。
コンプライアンス重視の現在では、「例え法に触れなくとも、良識や道徳に照らして問題ある行為はとらない」が企業のとるべき態度とされる。一流企業ならどこもそれを社是にしている。七里ガ浜の住民協定は明文化され市役所にも届けられ、良識や道徳などという物以上に判断基準が明白である。それを破るものは厳しく指導されるべきだ。
私が七里ガ浜で今住んでいる家を買う時にお世話になった不動産仲介業者の社長は、土地を案内する段階で私に言った。「この住宅地は住民協定があります。当社では協定を破って新たに分割を行う土地についてはご案内を控えています。あなたもこの住宅地のどこかを買われるなら、少々高くなるでしょうが、これから当社がご案内する協定順守区画の範囲内で購入をご検討下さい」
これがまともな仕事だろう。当然ながら、こうしたまともな不動産業者もいるのである。不動産の売り手、買い手である個人は、もっとしっかりと不動産業者を選ぶべきだ。そこさえしっかりすれば、いい加減な業者を市場からかなり排除出来るはずである。そしてこの住宅街の住民であるなら(あるいはこれからそうなるなら)、住民協定違反の取引など係わるべきでなかろう。

我が家からほど近いこの光景。道路の両側に家並みがあって緑も豊富だ。右手からは大きな桜の木が枝を伸ばしている。画像の中心には遥か彼方に広町の森の緑がのぞいている。いつもと変わらぬ風景に見える。しかし七里ガ浜東3丁目のここでは、私がこれを書いている今(2009.10.2の14:21 ブログ掲載はちょっと後になりそうだ)も、この景色を変えるかもしれない工事が続いていて、チェーンソーあるいはショベルカーの音が響いている。
現在、七里ガ浜自治会で最も重要な議題のひとつに挙がっているのがこの土地の問題だ。すでに自治会会報で何度も取り上げられ、そこでは「この区画の分割販売を主張する業者に対し自治会は住民協定の遵守を要請している」と繰り返し説明され、住民の注目度も高い。上の画像で右手から伸びる大きな桜の木が見事なところが正にその区画である。
不動産業者は自治会からの要請を無視し、この土地を2分割して販売する広告を用意し、見込み客に手渡しして営業して来た。その営業行為はこの地区のあちこちに看板がある「住民協定」に違反するものである。業者は自治会役員に対し「周囲では分割も散見されているのに、何が問題なのか。いったい法的にどんな問題があるのだ!」との態度をとった。いつものことだ。そして今回敷地にショベルカーが運びいれられた。この区画は本当に分割されてしまうのだろうか。緑のプロムナードとそれを横切る数少ない通りの角で、当住宅地にとっては住民協定維持の見本のようなシンボリックなロケーションである。

こうした住民協定違反の不動産業者の販売あるいは仲介行為に対し、法的罰則はない。住民協定は住民相互の礼節、マナー的合意に過ぎないのだ。しかし強制力はないものの市役所にも届けられ法律にも準ずる住民協定という『重要な事項』について、土地の買い手である個人客に対し、彼等業者はいったいどのような説明をしているのだろうか。いわゆる「宅建制度」が始まって、宅建の資格を持った不動産業者が、重要事項説明を買い手に行うことがはるか昔に義務付けられたわけである。買い手に対して、もし業者の宅建資格者が「ここは住民協定はあるが法的に罰則はないし、協定を無視して分割した土地を買っても、大丈夫です」と説明しているとすれば、コンプライアンス的には重大な問題を含む。しかし実際に当住宅地でも少なからずの区画が分割され、そこを買って住む人がいるくらいだから、業者の多くがコンプライアンス的におおいに問題がある説明を繰り返して営業していると理解せざるを得ない。
そもそも重要事項説明が売買契約書に捺印する段階でなされるという現行のやり方自体に問題があろう。契約書に捺印するという行為は長い時間を要する土地建物売買のプロセスの最後のセレモニーみたいなものであって、そこで買い手が「これを買うのを止めます」なんてことは絶対に言えない状況である。そんな場で重要事項項目として業者が「実は、この住宅地には住民協定がありまして、それを無視することに問題なしとは言えません。しかも自治会は分割取引の中止を要請してます・・・」などと、取引がストップしかねないことを真剣に説明するとは到底思えない。

例えば金融業界なら、法律上細かな規定が細部まで定められていなくても、コンプライアンス上業法の趣旨に従えば問題ありと監督官庁から判断されれば、その業者はお咎めを受け、指導を受けたりする。日本を代表する金融機関だって、何度もその咎めを受けている。しかしこれまでに住民協定破りの取引あるいは工事が、当住宅街でこれだけ頻発しているということは、不動産業界に関しては、ほとんど役所の監視もザルみたいなものなのであろう。
コンプライアンス重視の現在では、「例え法に触れなくとも、良識や道徳に照らして問題ある行為はとらない」が企業のとるべき態度とされる。一流企業ならどこもそれを社是にしている。七里ガ浜の住民協定は明文化され市役所にも届けられ、良識や道徳などという物以上に判断基準が明白である。それを破るものは厳しく指導されるべきだ。
私が七里ガ浜で今住んでいる家を買う時にお世話になった不動産仲介業者の社長は、土地を案内する段階で私に言った。「この住宅地は住民協定があります。当社では協定を破って新たに分割を行う土地についてはご案内を控えています。あなたもこの住宅地のどこかを買われるなら、少々高くなるでしょうが、これから当社がご案内する協定順守区画の範囲内で購入をご検討下さい」
これがまともな仕事だろう。当然ながら、こうしたまともな不動産業者もいるのである。不動産の売り手、買い手である個人は、もっとしっかりと不動産業者を選ぶべきだ。そこさえしっかりすれば、いい加減な業者を市場からかなり排除出来るはずである。そしてこの住宅街の住民であるなら(あるいはこれからそうなるなら)、住民協定違反の取引など係わるべきでなかろう。