住宅設計のための下絵を書く作業は、豪邸を設計するようなケースを除き、多くの場合90cm(厳密に言えば91cm近くはあるだろうが)を一つの単位と見なしたマス目の紙の上で長年行われてきたらしい。マス目を2つ並べれば、畳1枚と同じである。マス目4つで1坪だ。それらは日本の土地建物の基本的モジュールであるからして、誰にもわかりやすく設計もやりやすい。
しかし今や畳の部屋は、どこの家でも激減している。我が家も畳の部屋がない。必ずしも伝統のマス目に固執する必要がないのである。

このマス目を使って設計すると、十分な総面積のある一戸建てにおいてすら、階段や廊下の幅が狭くなってしまうことが多い。
普通の住宅の階段あるいは廊下の幅としては、2マス使って180cmでは広すぎる。1マス半なんてやり方もあるが、それをすると、それ以外の部分でいろいろと調整が必要となるので、一般的には行われない。階段や廊下の幅としてあてがわれるのは、たいてい1マス(90cm)なのである。
さらに、マス目に書かれた家の平面図は壁の厚みを考慮していない。廊下の幅に1マス充てて90cmにしたとしても、それは壁の芯から芯への幅なので、実際の廊下の有効幅はそれより15cmほど縮まり、75cmほどとなってしまうのだ。
これは例えば押し入れ内収納の大型プラスチック・ケースを、そのまま横にして持っては歩けない水準である。だから引っ越し等の際に壁が傷ついたりする。クロスなら破れる。塗り壁ならこすり傷がつく。一般に押し入れは廊下幅と同じ発想で半間(90cm)の奥行きを基本設計として作られることが多い。そんな押し入れの中にギリギリに収納することを想定して、プラスチック・ケースが製造されているのだから、それが同じ発想で作られた廊下を通れないのは当り前だが。

このマス目で設計の下絵を書く習慣は、すでにかなり崩れている。インチ単位で設計する米国型ツーバイフォーの輸入住宅屋さんは、昔から90cmなどという単位を設計時に意識して来なかった。ログハウスのビルダー達もそうだ。RC造の人達もそうかもしれない。和風建築でも豪邸の場合は昔からそんな単位に固執しなかっただろう。

大抵のものを楽々運ぶためには、階段や廊下の有効幅としては100cm程度は必要である。すると我々素人施主が鉛筆で下絵を書いて工務店にそれを渡して工事を依頼する場合、幅としては、壁の「芯・芯」で少なくとも120cm近くを表現しておいた方が良いことになる。我が家の総面積は小さいが、私もそれくらいの階段や廊下の幅を確保した下絵を、工事を請け負ってくれたブレイス代表の丸山さんに手渡した。
一方で幅が狭い階段や廊下もなかなか味のあるものだ。しかしもしあなた自身が広めの幅を希望するのに、あなたの工務店や設計者が伝統のマス目の便利さにいまだに固執し、「芯・芯」で90cm(有効幅75cm程度)を主張するなら、あなたははっきりと自分の希望を通すべきだ。マス目に従わないといけないわけはでないのだ。
しかし今や畳の部屋は、どこの家でも激減している。我が家も畳の部屋がない。必ずしも伝統のマス目に固執する必要がないのである。

このマス目を使って設計すると、十分な総面積のある一戸建てにおいてすら、階段や廊下の幅が狭くなってしまうことが多い。
普通の住宅の階段あるいは廊下の幅としては、2マス使って180cmでは広すぎる。1マス半なんてやり方もあるが、それをすると、それ以外の部分でいろいろと調整が必要となるので、一般的には行われない。階段や廊下の幅としてあてがわれるのは、たいてい1マス(90cm)なのである。
さらに、マス目に書かれた家の平面図は壁の厚みを考慮していない。廊下の幅に1マス充てて90cmにしたとしても、それは壁の芯から芯への幅なので、実際の廊下の有効幅はそれより15cmほど縮まり、75cmほどとなってしまうのだ。
これは例えば押し入れ内収納の大型プラスチック・ケースを、そのまま横にして持っては歩けない水準である。だから引っ越し等の際に壁が傷ついたりする。クロスなら破れる。塗り壁ならこすり傷がつく。一般に押し入れは廊下幅と同じ発想で半間(90cm)の奥行きを基本設計として作られることが多い。そんな押し入れの中にギリギリに収納することを想定して、プラスチック・ケースが製造されているのだから、それが同じ発想で作られた廊下を通れないのは当り前だが。

このマス目で設計の下絵を書く習慣は、すでにかなり崩れている。インチ単位で設計する米国型ツーバイフォーの輸入住宅屋さんは、昔から90cmなどという単位を設計時に意識して来なかった。ログハウスのビルダー達もそうだ。RC造の人達もそうかもしれない。和風建築でも豪邸の場合は昔からそんな単位に固執しなかっただろう。

大抵のものを楽々運ぶためには、階段や廊下の有効幅としては100cm程度は必要である。すると我々素人施主が鉛筆で下絵を書いて工務店にそれを渡して工事を依頼する場合、幅としては、壁の「芯・芯」で少なくとも120cm近くを表現しておいた方が良いことになる。我が家の総面積は小さいが、私もそれくらいの階段や廊下の幅を確保した下絵を、工事を請け負ってくれたブレイス代表の丸山さんに手渡した。
一方で幅が狭い階段や廊下もなかなか味のあるものだ。しかしもしあなた自身が広めの幅を希望するのに、あなたの工務店や設計者が伝統のマス目の便利さにいまだに固執し、「芯・芯」で90cm(有効幅75cm程度)を主張するなら、あなたははっきりと自分の希望を通すべきだ。マス目に従わないといけないわけはでないのだ。