寒い日には紅茶を! 暑い日にも紅茶を!
ジョージ・オーウェルとウィンストン・チャーチルは政治思想の違いを超え、2人でそう唱和したとか(そんな唱和なんかしてません、念のため)。
原村滞在中は毎日のように、我々夫婦は原村の農場で犬に運動をさせる。今回の滞在中も、ある日犬の運動の後に、我々は農場からほど近い八ケ岳紅茶倶楽部DADAを訪問した。

実はその数日前にも我々はDADAさん(同店の店主)に原村の中でお会いしている。毎度のことだが、我々が原村に滞在して村内をあちこち移動していると、店主によく遭遇するのである。時にどこかのお店の中でご挨拶し、時にお互いクルマを運転し交差点ですれ違う。
さて、DADAの玄関口に到着。今回は何を頂きましょう?・・・なぁ~~んて言いながら、頂くものはとっくに決めてある。

妻はチャイ!(下) 寒い日はこれに限りまっせぇ。それもいい。でも私はちょっと違う。

私はTaylors of Harrogateのシングル・エステート・ダージリン(下)を注文した。ストレートで飲む。香しい! 間違いなくおいしい。高品質の茶葉を用いて、プロフェッショナルな店主あるいはプロフェッショナルな奥様が淹れて下さると、こうなる。

紅茶店で紅茶を飲む場合の経済効用的顧客満足度係数仮説というものを英国王立紅茶アカデミー協会が発表している(そんなものは発表されていない、念のため)が、それはより一般的には簡単に「Tea係数」とも呼ばれている(呼ばれていない、念のため)。
A = 「お持ち帰り」として茶葉を100g買った場合のその小売価格
B = お店のプロフェッショナル性(スタッフの能力、お店の雰囲気他諸々)
C = 「店内で飲む」場合、Aと同じ茶葉を使った紅茶一杯に支払う価格
と定義すると・・・
Tea係数 = (A + B)÷C となる。
つまり茶葉の小売単価が高く、お店のプロフェッショナル性が高く、その茶葉を使った紅茶一杯(店内で飲む場合)の価格が低いほど、Tea係数は高くなるのである。茶葉の小売価格は千差万別である。100グラムあたりの単価は安いものから高いものまで何倍もの開きがあり、茶葉を買って自宅で紅茶を飲む時は、その小売価格を支払う。一方店内で紅茶を飲む際支払う金額だが、お店はお客に茶葉小売価格に比例した値段を吹っ掛けるわけにも行かず、メニュー上の価格は最高のものが最低のそれのせいぜい1.5~2倍くらいまでである。適当に挙げれば、例えば、Aのレンジは600円≦A≦4800円、Cのレンジは600円≦B≦900円となる。

店の中で顧客の力ではBは変えようがない。顧客に出来るのは A÷Cを最大にすることだ。普通、それはメニューの中の最高価格帯の紅茶を選ぶことである。それによりAはすごく高くなるが、Cはさほど高くならないからだ。ダージリンの茶葉が複数のタイプから選べるのなら、高いものを飲んだ方が支払い金額対比での満足度は高くなるはずなのである。
この日私は自宅で飲むタイプとは異なるいくつかの茶葉をまず選び(さらにDADAさんではダージリンだけでも複数ある)、それらにこのTea係数仮説を適用してなんともいやらしい計算をし、このダージリンを選んだのである。大変美味しいものだ。Aも高いが、ここDADAさんではBがデタラメに高く、Cはさほど上昇しないのだから、(A + B)÷C はmaximumになる。
この仮説は簡単化され過ぎているので注意が必要だ。店によっては選んだ茶葉次第でBがかなりぶれることがある。例えば、安価な茶葉でミルクティーを美味しく淹れることには長けているが、ラプサンスーチョンのような茶葉を淹れた経験のあるスタッフがいないような店もある。そんな店では顧客の茶葉の選択の結果がAやCだけでなくBまでも変化させることになってしまうので、顧客は慎重に茶葉を選ぶ必要がある。尤もこのDADAさんでは、無数の茶葉についてBはまったく一定かつ高水準に留まっているから、心配は無用だ。
また、顧客が激しい運動をした直後であるとか、あまりに気分が落ち込んでいる等の特殊な状況にある場合は、茶葉の価格や風味などとは無関係に、何か特定の飲みモノの効用が著しく高くなることもあろう。あるいは特定の茶葉において価格と品質に負の相関があったりすることも想定出来る。そんな時にはやはりこの仮説は当てはまらない。

話がやたら長くなってしまった。次の画像はスコーン。
お店によってスコーンはずいぶん見た目や食べた感じが違うのだ。DADAさんのスコーンは大変本格的である。画像に見られるが如く、「中心部を横にギザギザが入ったひび割れ状態」でスコーンを供してくれる店は、国内では稀だ。彼の国で「ワニの口」とも呼ばれるひび割れ状態である。
【訂正: 私が「ワニの口」と書いたら、kite100さんから「オオカミの口とも言いますね」とコメント欄で教えて頂いた。そうだ!ワニは誤りである。オオカミに訂正すべきである。どっちも怖いが、まだオオカミの方がかわいい。kite100さんのご指摘に感謝】
適度なシットリ感もあり、そこにたっぷりついて来るクロテッド・クリームやベリーのジャムをドチャッと付けて食べる。ええがな、ええがな。
紅茶もお菓子もどうにでも自分勝手に飲んで食べればいいのだけれど、もしいろいろなことを知りたいと思うのなら、こういう店に行かねばならない。

これは何?(↓)

鼻輪?(↓)

お店のご近所に、門松を作ることを仕事としている方がおられるそうで、これはその方の作品だ。今なら店内に飾ってあるはず。かなり造作が細かいところもあり、大作である。
八ケ岳紅茶倶楽部DADAの情報は、そのHPからどうぞ:
http://www.lcv.ne.jp/~dadaclub/
ジョージ・オーウェルとウィンストン・チャーチルは政治思想の違いを超え、2人でそう唱和したとか(そんな唱和なんかしてません、念のため)。
原村滞在中は毎日のように、我々夫婦は原村の農場で犬に運動をさせる。今回の滞在中も、ある日犬の運動の後に、我々は農場からほど近い八ケ岳紅茶倶楽部DADAを訪問した。

実はその数日前にも我々はDADAさん(同店の店主)に原村の中でお会いしている。毎度のことだが、我々が原村に滞在して村内をあちこち移動していると、店主によく遭遇するのである。時にどこかのお店の中でご挨拶し、時にお互いクルマを運転し交差点ですれ違う。
さて、DADAの玄関口に到着。今回は何を頂きましょう?・・・なぁ~~んて言いながら、頂くものはとっくに決めてある。

妻はチャイ!(下) 寒い日はこれに限りまっせぇ。それもいい。でも私はちょっと違う。

私はTaylors of Harrogateのシングル・エステート・ダージリン(下)を注文した。ストレートで飲む。香しい! 間違いなくおいしい。高品質の茶葉を用いて、プロフェッショナルな店主あるいはプロフェッショナルな奥様が淹れて下さると、こうなる。

紅茶店で紅茶を飲む場合の経済効用的顧客満足度係数仮説というものを英国王立紅茶アカデミー協会が発表している(そんなものは発表されていない、念のため)が、それはより一般的には簡単に「Tea係数」とも呼ばれている(呼ばれていない、念のため)。
A = 「お持ち帰り」として茶葉を100g買った場合のその小売価格
B = お店のプロフェッショナル性(スタッフの能力、お店の雰囲気他諸々)
C = 「店内で飲む」場合、Aと同じ茶葉を使った紅茶一杯に支払う価格
と定義すると・・・
Tea係数 = (A + B)÷C となる。
つまり茶葉の小売単価が高く、お店のプロフェッショナル性が高く、その茶葉を使った紅茶一杯(店内で飲む場合)の価格が低いほど、Tea係数は高くなるのである。茶葉の小売価格は千差万別である。100グラムあたりの単価は安いものから高いものまで何倍もの開きがあり、茶葉を買って自宅で紅茶を飲む時は、その小売価格を支払う。一方店内で紅茶を飲む際支払う金額だが、お店はお客に茶葉小売価格に比例した値段を吹っ掛けるわけにも行かず、メニュー上の価格は最高のものが最低のそれのせいぜい1.5~2倍くらいまでである。適当に挙げれば、例えば、Aのレンジは600円≦A≦4800円、Cのレンジは600円≦B≦900円となる。

店の中で顧客の力ではBは変えようがない。顧客に出来るのは A÷Cを最大にすることだ。普通、それはメニューの中の最高価格帯の紅茶を選ぶことである。それによりAはすごく高くなるが、Cはさほど高くならないからだ。ダージリンの茶葉が複数のタイプから選べるのなら、高いものを飲んだ方が支払い金額対比での満足度は高くなるはずなのである。
この日私は自宅で飲むタイプとは異なるいくつかの茶葉をまず選び(さらにDADAさんではダージリンだけでも複数ある)、それらにこのTea係数仮説を適用してなんともいやらしい計算をし、このダージリンを選んだのである。大変美味しいものだ。Aも高いが、ここDADAさんではBがデタラメに高く、Cはさほど上昇しないのだから、(A + B)÷C はmaximumになる。
この仮説は簡単化され過ぎているので注意が必要だ。店によっては選んだ茶葉次第でBがかなりぶれることがある。例えば、安価な茶葉でミルクティーを美味しく淹れることには長けているが、ラプサンスーチョンのような茶葉を淹れた経験のあるスタッフがいないような店もある。そんな店では顧客の茶葉の選択の結果がAやCだけでなくBまでも変化させることになってしまうので、顧客は慎重に茶葉を選ぶ必要がある。尤もこのDADAさんでは、無数の茶葉についてBはまったく一定かつ高水準に留まっているから、心配は無用だ。
また、顧客が激しい運動をした直後であるとか、あまりに気分が落ち込んでいる等の特殊な状況にある場合は、茶葉の価格や風味などとは無関係に、何か特定の飲みモノの効用が著しく高くなることもあろう。あるいは特定の茶葉において価格と品質に負の相関があったりすることも想定出来る。そんな時にはやはりこの仮説は当てはまらない。

話がやたら長くなってしまった。次の画像はスコーン。
お店によってスコーンはずいぶん見た目や食べた感じが違うのだ。DADAさんのスコーンは大変本格的である。画像に見られるが如く、「中心部を横にギザギザが入ったひび割れ状態」でスコーンを供してくれる店は、国内では稀だ。彼の国で「ワニの口」とも呼ばれるひび割れ状態である。
【訂正: 私が「ワニの口」と書いたら、kite100さんから「オオカミの口とも言いますね」とコメント欄で教えて頂いた。そうだ!ワニは誤りである。オオカミに訂正すべきである。どっちも怖いが、まだオオカミの方がかわいい。kite100さんのご指摘に感謝】
適度なシットリ感もあり、そこにたっぷりついて来るクロテッド・クリームやベリーのジャムをドチャッと付けて食べる。ええがな、ええがな。
紅茶もお菓子もどうにでも自分勝手に飲んで食べればいいのだけれど、もしいろいろなことを知りたいと思うのなら、こういう店に行かねばならない。

これは何?(↓)

鼻輪?(↓)

お店のご近所に、門松を作ることを仕事としている方がおられるそうで、これはその方の作品だ。今なら店内に飾ってあるはず。かなり造作が細かいところもあり、大作である。
八ケ岳紅茶倶楽部DADAの情報は、そのHPからどうぞ:
http://www.lcv.ne.jp/~dadaclub/