![]() | 小惑星探査機 はやぶさ物語 (生活人新書 330) |
的川 泰宣 | |
日本放送出版協会 |
慶応大学夕学五十講は、川口淳一郎氏の「はやぶさと日本の宇宙開発」。ご存知、小惑星探査機はやぶさの打ち上げから、帰還までのお話である。川口氏はこのプロジェクトリーダーである。
はやぶさは、漢字の「隼」と実物の形がよく似ていることから始まり、トラブルが連続したが、それを乗り切って、イトカワに着陸し、鉱物を拾って、地球に3年遅れで帰ってきた感動の物語である。
イトカワという小惑星の名前は知っていたが、こんなにいびつな星とは思わなかった。あのロケットの糸川博士の名前がついている。直径が500mだそうだが、形がラッコである。(写真)星が小さいため、引力が小さい。またでこぼこのため着陸地点の選定に苦労したそうだ。
そして隼は、小惑星のカプセルを地球に落とすと同時に、摩擦による高熱で解けてしまった。7年係りで、地球と小惑星を往復して、ちょうど子供を産んで自分は死んでしまうという悲しい物語になった。
このような科学技術の物語は、日本人に勇気を与える。アメリカは、世界ナンバーワンを目指すことを徹底し、国民に自信を植え付けているそうだ。日本は、二番ではだめなんですか、となる。
宇宙開発はハイリスクハイリターン、「未来」はまだこないと書く。まだ見ない高い塔を立てないと水平線は見えてこない、というのが講演の最後の言葉だった。