kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

kyttbnでの練習2

2024-03-24 | 陸上競技

続きを。

 

坂道での練習が続く予定でしたが、吹奏楽部の楽器の搬出のため学校前の坂道が使えなくなったのでアスファルトの平地へ。吹奏楽部は自分たちの「運搬用トラック」を持っていました(笑)。すごい話です。まーそれくらい高い頻度であちこちで演奏するのだと思います。いつもTVで拝見させてもらっています(笑)。

 

平地にマークを置いての走練習。意図する部分は異なるかもしれませんがこの部分はうちの学校でもやっています。マークの間を速く切り替えて進んでいく。マーク走の難しい部分は「速く動く」だけになってしまうことです。以前失敗した部分。何度か書いていますが「ピッチを上げる」ためにマーク走をかなりやりました。切り替えを意識して行うのですがシーズン前になってこれまでやっていたマークの距離が遠く感じるということでした。「速く動ける」けど「前に進んでいない」のです。15年くらい前でしょうか。それ以後、色々と考えながらやっています。ここに関してもっと話を聞ければよかったなと思うのですが、動きの感じを見る限り「やりたいこと」は同じ方向性だなと。接地の時に「遅れない」こと。ピッチだけに頼るのではなくマークを越えるときに膝が引き出されて重心の移動が生まれる。道具を使うことで意識しやすくなる。

 

これも段階的に距離が伸びていきます。そのなかで動きは変わらない。進むようになっていきます。私はずっとこの手の練習スタイルが良いなと思っています。ぶつ切りのように「思い付き」で練習を組み込んでいくのではなく「1」「2」「3」という感じで前の段階ができてから次の動きに進む。「準備動作」というか「スプリント」をするためにどうするのかというのが重要。いきなり走っていい動きができるともっといいのかもしれませんがそれは難しい。だから準備して積み重ねる。マークをなくして走ることで「意識づけした感覚」が自然にできるようになる。ずっと「マーク」を置いていたら当然ながら走れます。意識しやすいので。しかし、実際のレースではそれはできない。だから最終的にはマークをなくして走る。

 

最後に数本、アスファルトの上で走ることに。勝ち上がり、負け下がりのような感じで。うちの選手、思っていた以上に走れていました。後ろの組からスタートして前の組に上がっていく選手も。最大は2組目まで上がっていました。勝てるとかではないかもしれませんがこうやって一緒に走らせてもらうことで多くのことを感じることができます。もちろん、練習の流れや疲労度などもあるので一概に「戦えるレベルまで来た」とは思いません。ただ、全くついていけないという感じではなかった。それは大きなことだと思っています。フィニッシュ地点で見ていたysd先生も「強いね」と言ってくださいました。社交辞令であったとしても少し自信になります。通常この時期に「めちゃくちゃ走れる」というのは少ないと思っています。昨年と比べると「ベースアップ」が確実にできています。

 

前回来た時には本当に「見るだけ」でした。選手を連れてきていなかったので。今回は自分のところの選手も一緒なので「明らかな差」を感じることができます。選手たちにとっても「刺激」は大きい。まだまだ「シビアさ」や「正確性」で大きな差があるのは確かです。しかし、影を踏むまではいかなくても風を感じることくらいはできるかもしれません。

 

アスファルトを走ってからグランドでウインドスプリント。そこからまた補強。これも段階的な刺激です。最初に腸腰筋に負荷をかけておいてから「大きなもも上げ」をする。それも「リズム」を示すことで「速く動きすぎない」ようにしていました。大きく前まで持って来る。入れ替えのタイミングを意識できるようにしながらです。前の「予備負荷」の段階でかなり速く動いています。そのリズムのままもも上げとすると「小さく速く」になってしまって走りに生きてこない。だから意図的に「リズム」を作って「大きく」「切り替える」ことをしながら動かすのかなと。そこからチューブを使って「大きく速く」動く。低い位置で足を入れ替えるのではなく高い位置で入れ替える。最後に20mの坂道を走る。これを数セット。

 

これだけ「流れ」があると面白いですね。やりたいことが明確。単純に補強をすることが目標ではない。あくまで「走るため」補強でないといけない。「補強が強い」ことと「スプリントが速い」ことは完全にイコールではありません。補強が弱くても速い選手はいます。補強が強くても走れない選手はいます。その「補強」の位置づけがどうなるかだと思っています。強豪校がやっているからその補強をやる。当然ながらあり得る話だと思っています。しかし、その「組み立て」がきちんとしていなければその目的は果たせません。「補強が強い」という選手を育てたいわけではないですから。だからこそkyttbnで実施している「補強」の流れが良いんだと思います。「鍛えて終わり」「刺激を入れて終わり」ではない。明確な狙いがあってそこに向けて「準備」をする。そして必ず「走るために」という部分に落ち着く。重要なことだと思っています。そこが一番の重要な部分。

 

本当にずっと見ていられるなと感じました。見ていて楽しいんです。そこに潜む「意図」を感じながらそれを行う選手の様子を見る。変化していく感じをみる。それだけで時間が有効に使えます。私自身、こういう形の練習をしています。もちろん、地方の無名な学校でやっていることなので正直「妄想」といわれるでしょうが(笑)。それでも「やりたいこと」が明確な練習を見るということは本当に面白いんです。1か月間ずっと見ていても飽きないと思います。その都度色々と質問しながら見続けることができたら幸せだろうなと。

 

午前中の練習はここまで。あっという間に時間が過ぎてしまいました。なんてもったいないんだ(笑)

 

また書きます。

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kyttbnでの練習1

2024-03-24 | 陸上競技

京都でのことを。20日、8時30分からの練習となっていました。余裕を持って出発。ナビに頼って進むのですが学校の真上まで来て「入口がない」という状況が生まれる。どういうこと??迷子になりました(笑)。mtm先生から電話がかかってきて案内してもらって・・・。いやいや、普通遅れないやろ!って感じですね。これには言い訳もあって。ガソリンがなくなりそうなのでスタンドで給油しようと立ち寄ったんです。するとそこの店員さんが「レギュラー210円だから他のスタンド行ったほうが良いですよ」とあり得ないお薦めをしてくれる。それにより微妙に時間をロスしました。というか、自分のところではなく他のスタンドを薦めるってどういうこと?!(笑)

 

今回は微妙な天気でした。これは仕方ないかなと思っています。練習に参加させてもらえるだけで十分です。この機会は何よりも貴重。更に「単独」での練習参加になります。薄まることなくできます。それもmtm先生のご厚意で「2部練習」にしてもらえる。いや、ありがたい。さらに今回はkwsk先生と一緒に練習に参加させてもらうことになっていました。前回は動画の撮影などをしながらだったので肉眼で見る機会が減っていました。が、今回はkwsk先生に撮影をお願いして私はひたすら練習を見ることに専念。うちの選手の動きやttbnの選手の動きを時間をかけてみることができます。

 

アップは体育館の上の部分でのジョグから始まりました。2階部分で12分程度。有酸素運動ですね。うちの選手にとってこの手の練習は苦手。やっていないですから。やはりどこかで練習の中に「有酸素系」を入れるべきだと思いますね。練習時間の短縮という部分で次から次という流れで練習をしてはいますが、有酸素系といはいえない。自分の中に圧倒的に足りないものです。そのジョグの中にハードルがあったりマークがあります。マークのところはもも上げ(足を前まで持って来る)、ハードルのところは連続抜きのような形。なるほどなと。単なるジョグになると長距離的な要素が高くなります。しかし、途中にマークで大きなもも上げをしたり、ハードルの切り替えを入れることで「短距離要素」が入ってきます。単なるジョグでは遅れてしまう部分でも「切り替え」が入ることで必要な「切り替え」があります。やはり工夫が大切だなと思いますね。

 

そこからは「補強」です。これは大阪にmtm先生がいたときから見てきています。時間が経過しても「やりたいこと」は変わらない。ゆっくり動かしながら軸を保つ。重心の移動感覚を感じながらゆっくり。早くやってしまうとこの練習の意味はなくなる。それでもゆっくりやるのはこの上なく難しい。ttbnの選手は丁寧にやっていました。手押し車やプライオメトリック系の手押しなど「軸」と「身体の使い方」を習得する中で筋力アップも図れる。見るのは簡単、やるのは難しい。手押し車はとにかく「速い」というのが特徴です。mtm先生は「トーイングと同じ」だと言われていました。無理やりでも「速く動く」ことで神経系に刺激を入れるのだと。ものすごい発想です(笑)。この日は見れませんでしたが「ゆっくり大きく動く手押し車」もあると思います。その動きと速い動きをバランスよく組み合わせる。「軸」は保ちながら「与える刺激」を変えていく。「やりたいこと」がある。その方法は一つではない。「手押し車」という「運動」が同じでも「狙いとする部分」が異なるというのはかなりあると思います。

 

ずっと補強していました(笑)。「走るために必要な筋肉に刺激を与える」という感じですね。色々な要素を含みながら。この手の練習を見て「真似」をするところは多い気がします。しかし、その正確性に関してどうなのか。何故その補強をするのか。kyttbnの練習スタイルの「真似」をすることで強くなるとは思いません。表面的な話ではなく「その根底にあるもの」を理解する必要がある。まー私ごときが偉そうに話をするなという部分だと思いますが。練習見学、練習参加するにあたって「どこを見るか」を決めていくほうが良い気がしています。もちろん、話を聞きながらです。目で見て分かるかどうかというのは非常に難しいなと思っています。

 

どのようにして「力の発揮」をするか。トレーニングする目的は何か。この辺りは大きいと思っています。「軸」を作る。様々な姿勢の中で「軸」を作るが「安定」させるのではなく「動く」ことが必要。アイソメトリックトレーニング(スタビ系)はそれほど実施していない。これも大きな特徴だと思っています。「固める」必要はある。が、それは「静止した状態」ではない。様々な動きの中で「固める」必要があると思っています。競技特性として「固める」「止まる」だけではパフォーマンスは上がらない。もちろん、ぶれをなくしていくことは必要ですがそのために「固定する」わけではない。身体の中心から力を発揮する。大きなねじれが生まれるとそこからエネルギーのロスが生じる。出来るだけ大きな力を発揮してそれを地面に伝えるだけ。ウエイトのように筋肥大をさせながら「大きな力」を生み出すのではない。効率よく身体を使いながら進むため。それを走る前に徹底的に刺激する。面白い(笑)。

 

屋外に出て坂道走。これはkyttbnの特色の一つだと思っています。学校の目の前にある坂道を利用しながら。最初に300mの坂道。練習の中で長い距離を走るのはここだけだと言われていました。200m+100mの形で最後の100mでペースチェンジ。坂道なので400mと同等の負荷はかかるのかなと。ある程度のペースで走ってきて最後の100mで最大スピードに切り替える。イメージ的にはマイルのラストの100mで「勝負する」ときに必要な能力だと思います。ある程度余裕を持ってついていって勝負をするために切り替えて前に立つ。この練習は当然のごとくついていくことはできませんでした。やっていないというのもありますが一番苦手な分野です。マルチスプリンターを育てていくためにはやはりこういう「有酸素」とは異なる部分の能力も高めていく必要があると思います。ハイアップで育っていく能力の一つだと思っています。

 

坂道にミニハードルを置いて「連続引き出し」を。呼び方が違うかもしれませんが。3段階に分けて実施。少しずつ距離を伸ばしています。やはりここは好きですね。段階的に距離を伸ばしていくことで重心の移動が作れます。今回は膝の引き出しによって腰が進み重心の移動が生まれます。膝の締めが甘かったり空中でのタメができなければ意味がなくなる。指導の中では言われていませんでしたが「膝を締めて前に運ぶ」→「最短距離」というイメージはあるだろうなと勝手に感じていました。しなやかな動きですが無駄がありません。動きが大きくなること(股関節から足先までの距離が遠い)とスイングスピードが作れません。こういう動きを見ていると「やりたいこと」の方向性が間違っていないなと安心します(笑)。

 

長くなるのでちょっと記事を変えます。

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