昨日は、五反田で、総務省情報通信政策局情報通信利用促進課(長い!)による「情報通信人材研修事業支援制度助成事業採択」(これも長い)に関する委員会に出席。
帰り際、五反田駅前のブック・ファーストで、漫画家・しりあがり寿(ことぶき)さんの新著、『人並みといふこと』(大和書房)というエッセイ集を入手した。
東海林さだおサンをはじめ、漫画家のエッセイは面白い。漫画を生み出す独特の<発想>や、<ものの見方>や、<ユーモア>が、文章にも生かされているからだ。
「人並み」というキーワードを持ってくるのは、相当人並みじゃないし、実際、エッセイの中身はちっとも人並みじゃない。
たとえば、トモダチというのは結構面倒な存在だって話をしているうち、「でもはっきりいって、オトナになったらトモダチなんかいらないんだよね」なーんて言っちゃう。
トモダチがいなければ、自分がトモダチにどう思われるかで、ぐじぐじすることもなくなるからだ。で、「さびしくないもんな。かえってさっぱりしてるもんな」だって。そりゃまあ、極論だけど、何となく分かるではないか。
そして、こんなことも書いている。
「人並みといえば多数派。多数派が勝つのが選挙。ということは、選挙というのは優れた人が当選するんじゃなくて、人並みの人にとって優れているように思える人が当選するんだろうね。(・・・)民主主義は人並みのレベルが高くないと、いろいろと判断を間違うような政府ができちゃう」
読みながら、「ふーむ、深いぞ、しりあがり寿」などと思っていたら、突然、福田首相の辞任のニュースだ。
また投げ出しちゃったぞ。前総理もそうだったけど、世襲制議員という世界での「人並み」をやらかしたわけね。
苦しいとか、カッコ悪いとか、いじめられてるとか、周りは自分よりバカばっかりとか、そういう環境に弱いんだねえ。「じゃ、いいもん、やめてやる!」って、アンタは子どもか。
自民党内の総裁選挙より、本当は総選挙でしょ。どうしても、選挙で世に問うことはせず、自民党という壜の中で、何とかコトをおさめようとする。それも、もう限界だろうに。
期せずして、しりあがりサンが書いていた「民主主義は人並みのレベルが高くないと、いろいろと判断を間違う」を絵に描いた、いや漫画に描いたような話になってしまったのだ。やれやれ。
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