大学図書館で、「テレビメディアの現在」をテーマに書籍を購入し、いくつかのジャンル別に並べて、小さな展示会(図書展みたいなもの)が開かれる。その<本選び>を担当した。最終的に、その数、約420冊。
あらためて、テレビをめぐる様々な書物があることを再認識した。以前読んだ本が多いが、ぱらぱらとページをめくっているだけで、あっという間に時間が過ぎる。
たとえば、北村充史:著『テレビは日本人を「バカ」にしたか? 大宅壮一と「一億総白痴化」の時代』(平凡社新書)。
大宅壮一の名はもちろん、「一億総白痴化」がテレビを指す流行語だったことを知る人も減ってきたようだ。「大宅文庫」の存在さえ、知らない学生が多い。
しかし、テレビ誕生から間もない半世紀も前に、この“文化的怪獣”の本質を見抜いた大宅はさすがだった。
著者の北村さんは、この流行語が成立していく過程を検証すると共に、テレビ幼年期の世相を見事に再現している。
当時、すでに娯楽番組の「低俗化批判」や「テレビ悪影響論」が出ていたが、それもテレビ産業の肥大化の中でなし崩しになっていく様子がよく分かる。
そして今、テレビでは「ニュース・報道番組」さえも娯楽化・芸能化が進んでいる。特に、最近の「NHKニュース」の”軟度”が気になるんだよなあ。この本の意義もそこにあると思うのだ。
あらためて、テレビをめぐる様々な書物があることを再認識した。以前読んだ本が多いが、ぱらぱらとページをめくっているだけで、あっという間に時間が過ぎる。
たとえば、北村充史:著『テレビは日本人を「バカ」にしたか? 大宅壮一と「一億総白痴化」の時代』(平凡社新書)。
大宅壮一の名はもちろん、「一億総白痴化」がテレビを指す流行語だったことを知る人も減ってきたようだ。「大宅文庫」の存在さえ、知らない学生が多い。
しかし、テレビ誕生から間もない半世紀も前に、この“文化的怪獣”の本質を見抜いた大宅はさすがだった。
著者の北村さんは、この流行語が成立していく過程を検証すると共に、テレビ幼年期の世相を見事に再現している。
当時、すでに娯楽番組の「低俗化批判」や「テレビ悪影響論」が出ていたが、それもテレビ産業の肥大化の中でなし崩しになっていく様子がよく分かる。
そして今、テレビでは「ニュース・報道番組」さえも娯楽化・芸能化が進んでいる。特に、最近の「NHKニュース」の”軟度”が気になるんだよなあ。この本の意義もそこにあると思うのだ。
テレビは日本人を「バカ」にしたか?―大宅壮一と「一億総白痴化」の時代 (平凡社新書 362)北村 充史平凡社このアイテムの詳細を見る |