碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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20世紀少年たちは、どこかで21世紀を生きている

2008年09月05日 | 映画・ビデオ・映像
映画『20世紀少年』を見た。

浦沢直樹さんの原作漫画は、1999年の連載開始から2006年まで、ずっと「ビッグコミックスピリッツ」で読んできた。

映画になってもおかしくない面白さだけど、本当に映画で見られるようになるとは思っていなかった。やや、感無量。

しかも、堤幸彦監督は、漫画の読者も裏切らなかった。

60年代、70年代、90年代、そして2015年と、時代も軽々とワープしつつ、複雑になりそうな物語展開も見事にさばいている。

出演者も、こうなってみれば、「これしかないかも」と思えるほどのハマリ具合だ。特に69年当時の少年たちの顔、姿、動きが素晴らしい。

子どものころの遊び。子どものころの夢。大人が決めつけるような意味では、素朴でも単純でもない少年たちのこころが、その闇の部分まで含めて描かれる。

また、使うべきところで有効に使われるVFXもいい。ちゃちな感じや手抜きもなし。「本格科学冒険映画」の面目躍如だ。

見終わって、もう明日にでも「続編」が見たくなった。Tレックスの「20th Century Boy」が頭の中で流れ続けている。来年1月が待ち遠しい。

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)
浦沢 直樹
小学館

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連日、メディアが伝えるのは自民党総裁選ばかりだ。しばらくはこれが続くと思うと、うーん、困ったねえ。

以前の、安倍さんから福田さんへの時もそうだったが、自民党のトップが、そのままこの国のトップとなる現行システム、そろそろヤバイんじゃないか。

漫画好きの麻生サンは吉田茂の孫。与謝野馨サンは与謝野鉄幹・晶子の直系。石原伸晃サンはパパの東京都知事と共に「父子で東京と日本のダブルトップ」かい? 

どうにもユーウツになりそうなキャスティングだが、一方の民主党も、なんだかピリっとしてないしなあ。

こんなとき、『20世紀少年』に出てくる<友民党>みたいなのが実際に登場したら、現在の政治や政党のテイタラクにあきれている若い人たちを吸収してくかもしれない。