今日の『産経新聞』に、脚本家・倉本聰さんのインタビューが載っていた。
記事のタイトルは「話の肖像画 臨界の日本(上)」。
長年続けてきた富良野塾を閉じるに当たって、ということだが、現代の若者たちに対する感想はかなり苦いものだ。
そして、テレビについて問われると、次のような言葉を返している。
――(記者)最近のテレビをどう見ていますか。バラエティー、お笑い番組全盛で、いつも同じ顔ぶればかり…
倉本:全く同感ですね。こうした番組は「数字(視聴率)が取れるから」というけど、視聴率調査はそもそもCMがどれぐらい見られているか、の調査ですよ。つまり「経済ベース」でモノを見ている。本当にどんな番組が見られているのかを調べるなら国(総務省)が主導して録画率まで調べるべきでしょう。
――ドラマはどうですか
倉本:まったく見ませんね(苦笑)。見ると、どうしても批評家になっちゃうんですよ。「こうすりゃいいのに」ってね。テレビも視聴率(つまり経済本位)ばかりに目が行って“劣化のスパイラル”に陥っている気がします。こっちも視聴者の方が、ずっと先を行ってますよ。
(産経新聞 2010年1月5日)
うーん。辛いことだが、倉本さんの指摘は的を射ているのだ。
草創期からテレビと関わってきた脚本家の、この深い絶望感のようなものに、今、テレビはどう応えられるだろう。