研究室の4年生たちの“卒論提出”が終わった。
後は“卒論発表会”である。
発表会では、研究室の指導教員が「主査」で、他の研究室の先生が「副査」を務める。
自分の研究とは別ジャンルの先生が副査となったりもするわけで、初めて聞く人にも分かるように発表しなくてはならない。
つまり、自分がよく分かっていないと、十分な説明ができないのだ。
4年生は、ただ今、その準備中。
その一方で、発表会の準備をしながら、引き続き“就職活動中”というメンバーもいる。
何しろ、日本の大学4年生全体の4分の1以上が、就職先が決まらないまま卒業しようとしているご時世だ。
『日刊ゲンダイ』(1月22日付)で、実に明快な記事を見かけた。
見出しは、「わが子が資格、留学、大学院を言い出したら、親はNO!と言え」。
記事の中身は、まんまタイトル通りだ。
就職の決まっていない4年生が、<専門学校入学>とか<留学>に走り始めている。
特に、専門学校に進む学生には、3つのパターンがあるという。
「公務員・教員志望」・・・民間同様に採用者を絞っているから厳しい
「資格取得」・・・資格をズラズラ並べても評価は上がらない
「緊急避難」・・・最悪のケースだが一番多い
留学に関しては、企業が求めるような語学力が、1年やそこらで身に付くとは考えにくい。
また、大学院進学は修士1年の途中で就活をこなさなければならず、学部生より忙しい。
そして、これらに比べて「まだマシ」なのが<留年>、という結論だ。
・・・うーん、確かにマシだと思う。
卒業してしまえば「既卒者」であり、採用に関しては「(仕事の)経験者」と一緒の扱いとなる。
あるジャンルで仕事をしてきた人たちと比較されるわけで、結構しんどい。
留年すれば、2回目とはいえ、あくまでも大学4年生であり、「新卒」枠に挑戦できるのだ。
もちろん、留年も、親の負担を含め簡単なことではないが、ずるずると卒業して“無職の若者”になったり、安易な専門学校進学などよりは、「まだマシ」かもしれない。
しかし、留年策のリミットも来ているのだ。
悩ましい「過去最悪の就職氷河期」は、まだまだ続く。