碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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『エンタの神様』も『THE NEWS』も消える春

2010年01月27日 | テレビ・ラジオ・メディア

1月もこの時期になると、春の番組改編の情報が外に出てくる。

たとえば、日本テレビ『エンタの神様』の3月終了。

視聴率にシビアな日テレとしては、当然の措置だ。

番組開始が2003年だから、よくもったほうだと思う。

05年から06年の視聴率は20%超えが頻繁だったといわれるが、そうなれば当然、他局にも“類似品”が出てくる。

やがて、どこでも似たような“お笑い系”番組が並ぶ。

一種の飽和状態となり、『エンタの神様』もひとケタの数字が増えていた。

何組ものお笑い芸人を登場させ、その“芸”を、短時間ずつ見せる。

短時間だから、延々と観客を引っ張っていくような内容は無理。

短時間だから、いわゆる“一発芸”もウケたりする。

それに、画面に出てきた時からインパクトが必要で、衣装やメイクといった外見、特殊なしゃべり方など“異形の者”が乱立した。

確かに『エンタ』のおかげで、発見された者、後押しされた者は多い。

一方『エンタ』のおかげで、テレビにおける“笑い”が、いい方向へ進んだとは、あまり思えない。「功罪」のうち、「罪」のほうもあるのだ。

ちなみに、後番組は「嵐」のバラエティ。「とにかく数字を取ろう」ということなんでしょう。


3月終了番組の中には、TBS『総力報道!THE NEWS』もあるらしい。

そうですか。

“報道のTBS”復活を目指したはずが、1年で撤退ですか。

4月から、この枠はバラエティになるそうで、『フレンドパーク』などが、また19時台に帰ってくるとのこと。

つまり、元に戻すわけだ。

これも、「なんだかなあ」であります。

「数字が取れれば、もう何でもいいのね」という気がする。残念だけど。