映画『パブリック・エネミーズ』を観た。
監督は「コラテラル」「インサイダー」のマイケル・マン。
1930年代のアメリカで大暴れした実在の銀行強盗ジョン・デリンジャー。その硝煙に包まれた日々と恋とを描いた伝記アクションだ。
主演はジョニー・デップ。彼を追い詰める捜査官がクリスチャン・ベール(「バットマン・ビギンズ」)。いいメンバーです。
一番の印象は、デリンジャーを単なる(悪の)ヒーローとしてでなく、極限状態の中でしか生きられない一人の男として見せたかったんだなあ、ということ。
大恐慌時代のアメリカで、すでに銀行強盗は“割に合わない”稼業となっていたことも何だか切ない。
それでもデリンジャーは銀行を襲い続ける。行き着く先が見えないはずはないのに。
明日より今日。いや、今を生きる、という切実感。
ヒロインのマリオン・コティヤールは、どこかで見たことがあると思ったら、「エディット・ピアフ~愛の讃歌」でした。
良くも悪くも、真っ当な、いかにもなケレンのない、正攻法のギャング映画だ。
ジョニー・デップじゃなかったら、別物になっていたかもしれない。いや、見なかったかも。それくらいジョニー・デップはハマっていた。
劇中のJAZZのスタンダード・ナンバー「バイ・バイ・ブラックバード」が素敵だった。
やはり面白い時代なのだ。