保育園の民間移管の理由、保育に掛かる費用を浮かして新規開設園の保育費用に充てることができるという問題を、2006(H18)年と2007(H19)年の厚生委員会の議事録を読み直し、洗い直して見ました。
パート4で掲載したように、保育所運営費は、2003(H15)年までは、
公私共に国=2分の1、東京都=4分の1、東村山市=4分の1
を負担し、責任を負っていました。
小泉内閣がこの公立分を全廃、都も合せて全廃、
私立だけにしました。
その結果
公立保育園分は全額市の負担で賄うことになりました。
税源が移譲されましたが、不況で税収の落ち込みが続き、結局基礎自治体の負担だけが増えました。
こうしたお金に関する事情を、公立の民間化で改善できると、市長は言うのですが、そうでないことは市長自身が百も承知です。
冒頭述べた民間保育園からの請願にそれが示されています。その審査を市長自身が行い、『補助金を減らさないで』という請願に賛成もしました。
東京都が、国の最低基準に上乗せして保育士の配置などを保障してきた民間保育園への補助金を再編成し削ることを提案。
運営の厳しさに直面することを危惧した、東村山市内民間保育所の園長先生たちが、保育の質を担保するために、補助金を減らさないで欲しいと願ったのが冒頭の請願でした。
この議事録を読めば
市長が言う、「公立より私立に補助金が多い」ことも、永久に保障されるわけではないことが分かります。
民間への補助金が項目補助ではなく、一般交付金化されれば、そのお金が保育に使われるという保障はなく、
また、交付金化とは予算の削減が容易になるということでもあり、油断は出来ないのです。
そもそも民間保育園への東京都の補助金は、保育士の処遇の改善のために、ひいては子ども達の保育環境の改善のためにつけられたものです。
障害児保育の実施や、給食の充実や時間外保育の実施など、人を雇わなければできません。
保育園関係者の粘り強い運動で勝ち取った補助制度です。
補助金を削らないで欲しいという請願は採択されましたが、
結果として石原都知事が制度を変え
それに則って、
東村山市も制度を改変しました。
今現在、私立の保育園は運営がいっそう厳しくなっています。
今後安泰だという保障はどこにもありません。
保護者と保育士と経営者とが一緒に、保育の質を確保するために、新たな保育サービスを実施するために、その裏づけとなる税金の投入を要求して行く以外に、子ども達の保育を公立私立ともに良くして行く道はないのです。
先輩達が、今日の保育を作るために運動した歴史を見ればよく分かります。
市長は、民間なら病児・病後児保育も出来るといいました。
私は、今年北九州市の病児・病後児保育を視察してきましたが、その実施者は小児科の医療機関でした。
小児科医が診療所に併設して病気の子どもさんを保育していたのです。もちろん保育士を医療機関が雇ってです。
市立保育園での実施は、医療機関での開設された時止めたそうです。
東村山市でそれを実施するというなら、公立保育園でこそ実施すべきです。なぜなら、医療スタッフや専門スタッフを雇うことが出来るのは公立だからです。運営の厳しい民間に押し付けるなど間違っています。
公立保育園が守られてこそ、民間の保育園の運営も守られます。