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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

検証 日米首脳会談① 「勇敢さ」たたえる米政権の真意

2024-05-02 07:14:51 | 国際政治
検証 日米首脳会談① 「勇敢さ」たたえる米政権の真意

「先見的で勇敢な指導者だ」「過去3年間において、日米のパートナーシップは真のグローバルパートナーシップになった。勇敢な岸田総理の指導力のもと、それを実現してきた」。10日、米ワシントンで行われた日米首脳会談で、バイデン大統領は「国賓待遇」で迎えた岸田文雄首相を、口を極めて称賛しました。
なぜ、これほどまでに岸田首相の「勇敢さ」をたたえたのか。首脳会談後に発表された日米共同声明を見れば一目瞭然です。
冒頭、「日米同盟は前例のない高みに達した…わずか数年前には不可能と思われたような方法で、我々の共同での能力を強化するために勇気ある措置を講じたためである」と述べ、①軍事費の2倍化②敵基地攻撃能力の導入③殺傷兵器の輸出解禁―など岸田政権の大軍拡路線を「歓迎」。その上で①米軍・自衛隊の「指揮統制の枠組み向上」=司令部の連携強化②ミサイルの共同生産・輸出の拡大、日米軍需産業の連携③米英豪の軍事的枠組みAUKUS(オーカス)などとの連携強化④拡大抑止(核の傘)のさらなる強化―などを合意しています。そして、締めくくりで再び、「我々は日米同盟をかつてない高みへと導くための大胆かつ勇気ある措置を講じてきた」と表明しています。



バイデン大統領と握手する岸田文雄首相=4月10日(日本時間11日未明)、ワシントン(ロイター)

「平和国家」を破壊
軍事費の2倍化、敵基地攻撃能力の保有、殺傷兵器の輸出…。これらは共同声明が言うように、数年前までの日本では不可能とされていたことです。曲がりなりにも掲げてきた「平和国家」の理念を根底から破壊し、日米同盟を「新たな高み」に引き上げた岸田首相をたたえる言葉1それが「勇気」「勇敢さ」なのです。
NPO法人「国際地政学研究所」の林吉永事務局長(元航空自衛隊第7航空団司令)は、米側の意図をこう読み解きました。
「“かつてない高み”とは、日本がついに、真の意味で『戦争する国』になったということだ。それを端的に表しているのが、日米の指揮統制の強化。米軍のネットワークに組み込まれることで、単に米軍の戦争に巻き込まれるのではなく、自らの意思で米軍と一緒に戦争する。だからバイデンは『勇敢だ』とたたえたのだろう」「岸田首相は『国賓待遇』で浮かれているのかもしれないが、米側は『もはや後戻りは許されない』と、強い言葉で覚悟を迫っている。岸田氏はそれを理解しているのか…」
その岸田首相は首脳会談の翌日、米議会で演説。冒頭、「日本の国会では、これほどすてきな拍手を受けることはまずありません」という“自虐”フレースで笑いをさそった後、「日本は米国と共にある」という言葉を何度も用い、こちらも口を極めて米国への忠誠を誓いました。史上最悪の対米従属政権というほかありません。

日本共産党の田村智子委員長は4月11日、かつてない大軍拡と日米の一体化を合意した日米首脳会談について、「日米軍事同盟の歴史的大変質を宣言するものとなった」と批判。9条に基づく平和外交にこそ力をつくすよう求めました。日米首脳会談の危険な合意を検証していきます。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年4月30日付掲載


「先見的で勇敢な指導者だ」「過去3年間において、日米のパートナーシップは真のグローバルパートナーシップになった。勇敢な岸田総理の指導力のもと、それを実現してきた」。10日、米ワシントンで行われた日米首脳会談で、バイデン大統領は「国賓待遇」で迎えた岸田文雄首相を、口を極めて称賛。
「“かつてない高み”とは、日本がついに、真の意味で『戦争する国』になったということだ。それを端的に表しているのが、日米の指揮統制の強化。米軍のネットワークに組み込まれることで、単に米軍の戦争に巻き込まれるのではなく、自らの意思で米軍と一緒に戦争する。だからバイデンは『勇敢だ』とたたえたのだろう」

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1 コメント

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ストライベックベアリング (グローバル鉄鋼エンジニア)
2024-12-29 22:56:47
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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