きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

暮らしの照明④ 長寿社会の快適さ

2010-12-02 22:23:57 | 日常生活
暮らしの照明④ 長寿社会の快適さ

 日本は世界一の長寿国ですが、加齢にともなって眼の機能が衰えます。眼球は、光学系の混濁と変性により、眼内散乱光が増加してまぶしさを感じやすくなります。


 水晶体は弾力性の衰えと厚さを調節する毛様体の筋力衰退により老視(老眼)になります。さらに、水晶体でたんぱく質が集合して微粒子になり白濁すれば、白内障を発症します。
 また、瞳孔の大きさを調節する虹彩の筋力が衰えて、明暗順応(「明」から「暗」への変化に対する順応が暗順応、その逆が明順応)の機能が低下します。その上、光に応答する視細胞と視覚情報を脳に伝達する視神経の機能も減少します。
 こうして、視力(近接する二つの点を識別する能力)は40~50歳ごろから加齢とともに低下します。特に動体視力(動くものを見分ける能力)と夜間視力が低下するため、高齢者の夜間運転には、特段に視認の注意が求められます。さらに、網膜の錐状体細胞は青スペクトルの感度が衰退して、色の識別能力が低下します。



 多くの住まいは、リビングをL、ダイニングをD、キッチンをKとすれば、LDまたはLDKがだんらんとくつろぎの部屋です。主照明としてLにはシーリング(天井直付け)、またはシャンデリア、Dには食卓上にペンダント(つり下げ)、補助照明として天井にダウン、壁面にブラケット、床にスタンドなどが一般的に思います。
 調光器付き環形蛍光ランプ使用のシーリングは、省エネで雰囲気照明を演出できます。食卓上のペンダントは省エネなら電球形蛍光ランプですが、調光自在なミニクリプトン電球で美味な食事を楽しんではいかがでしょう。(注)



 新聞などを読むとき、高齢者には若齢者よりも2倍以上の明るさが推奨され、それにはスタンドが有用です。一方、高齢者は、眼内散乱光の増加により、若年者より低い明るさでまぶしさを感じます。そのため、光源が直接見えないような工夫が推奨されます。
 光源技術の革新によって蛍光ランプの明るさが向上するに従って、光色の好みが電球色から昼白色へ、さらには昼光色へとシフトする傾向にあります。一方、眼内散乱光は、波長の短いスペクトルほど多いため、高齢者には電球色がまぶしくなく、心地よいと思われます。
 また、高齢者は明暗順応の機能が低下するので、動線(人や物が移動する方向)に沿っての急激な明るさ変化は、わずかな段差によるつまずきなどの危険があります。特に睡眠時、トイレのために明かりを付けるときはサーカディアンリズムを乱さないために明るさを控え、部屋からトイレに至る照明は段差が見えて安全に歩くことができるように明暗の生じない照明が推奨されます。
 それには、睡眠時の点灯では調光によって明るさを抑え、動線に沿っての足元灯が推奨されます。なお、足元灯、トイレや階段の照明には、ヒトの体温を感知する「人感センサー」を使用すれば、ヒトを感知して自動的に点灯して、設定時間後に自動消灯するため省エネであり、消し忘れを防げます。
(注)一般電球は製造中止ですが、一般電球よりも経済的なミニクリプトン電球やハロゲンランプ(店舗照明などに普及)が使用できます。
(せきね・せいし新潟大学名誉教授・照明学専攻)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年11月26日付に掲載


高齢者の単身世帯では電気代の節約と言って電灯を消していることがよくありますが、眼にはよくないのですね。
夜もトイレなどの歩く動線にそっれ照明を配置するのが良いといいますが、なかなかそうもいかないのかな。追加投資なしでは、豆電球をつけたままにしておくとかでしょうね。


シーリングカバー設置_02シーリングカバー設置_02 posted by (C)きんちゃん
ちなみに、先日居間の照明を新規交換しました。蛍光灯の直径は半分になって、明るさは倍近くなりました。

暮らしの照明③ 住いの光源

2010-11-30 21:56:34 | 日常生活
暮らしの照明③ 住いの光源

 みなさんのお住まいではどのような光源が使われていますでしょうか。節電と省エネのため、蛍光ランプが圧倒的と思われますが、白熱電球はスイッチオンですぐに点灯して点滅に強いことからトイレに、光の色が温かみのあることから浴室に、それぞれ使われているお住まいも多いと思われます。


 それでは、蛍光ランプは白熱電球に比べてどれほど省エネで経済的でしょうか。表をご覧ください。ランプ代はメーカー希望小売価格、一般電球60形54ワット(寿命1000時間)とほぼ同じ明るさの電球形蛍光ランプ(寿命6000時間)で計算されています。なお、白熱電球の寿命はフィラメントが断線して点灯しなくなったときですが、蛍光ランプは点灯時間とともに明るさが低くなるため、明るさが点灯初期に比べて70%にまで低下したときの時間が寿命とされています。
 1日の点灯時闇を5~6時間とすれば、寿命6000時間はおよそ3年に当たりますから、白熱電球を電球形蛍光ランプに交換すると、3年間で約5000円おトクになる計算です。ランプ効率(消費電力に対する明るさの比)が高く、寿命が長く、価格が安い光源ほど、経済的な光源です。

表:白熱電球と電球型蛍光ランプ~3年間のコスト比較(60W型)
  ランプ代電気代合計金額
白熱電球150円×6個=900円0.022円×54W×6000h=7128円8028円
電球形蛍光ランプ1500円0.022円×12W×6000h=1584円3084円


 しかし、光源の評価項目は経済的要件だけではありません。明るさに調和した光色、高い演色性(物の色の見えを決定する光源の性質)、好ましい輝度(輝きやまぶしさ)などの質的要件があります。さらには、紫外線や赤外線のカット、有害物質の不使用、破損防止などの安全性の要件、小形軽量、交換容易などの利便性の要件もあります。ちなみに、蛍光ランプには環境に有害な水銀が使用されています。
 蛍光ランプは、光色として「電球色」、「昼白色」、「昼光色」の3種類が販売されています。電球色は赤みを帯びた温かみを感じる光色で落ち着いた雰囲気を、昼白色は真昼の太陽の光色でさわやかな雰囲気を、昼光色は晴天空の光色で、すがすがしい雰囲気を、それぞれ演出します。
 昼は明るく夜は暗い、これがヒトの順応してきた自然界の光リズムです。ですから、住まいの照明も、昼は豊富な昼光で賄い、夜には人工の光でほのかに照明することが基本です。



 都市部では宅地が狭くて窓からの採光が不十分なため、また、高気密住宅の普及などにより、昼も人工光を常用している住まいが多いと思われます。特に採光が不十分な高齢者の部屋は、午前中は昼白色や昼光色の蛍光ランプで昼光並に明るく照明し、夜は明るさを控えた電球色の明かりに、より、規則正しいサーカディアンリズムを深く刻める光リズムの演出が理想に思われます。
 電球形LED(発光ダイオード)ランプの形状は、上部が発光部、下部が口金、中間部が放熱用金属(LEDは熱に弱いため)です。白熱電球に比べて、ランプ効率が8倍で、寿命が40倍の省エネ光源。蛍光ランプと同様に電球色、昼白色、昼光色があります。ただ、演色性や配光特性(光は前方だけで横方向が少ない)、まぶしさ、大きさや重さなどにも留意が必要に思います。
(せきね・せいし新潟大学名誉教授・照明学専攻)(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年11月19日付掲載


実際に住いに使うとなると、経済性だけでなく明るさや色合いなど好みや生活パターンによって照明を選ばないといけないのでしょうね・・・
LED照明は、6~7年前から信号機に使われ始めかなり普及しつつあります。といってもまだまだ高嶺の花ですので、信号機やバイクなどの指示ランプなど交換を手間を省く一部の部品にとどまっているのでしょうか?

暮らしの照明② 色と波長とヒトの眼

2010-11-29 23:42:40 | 日常生活
暮らしの照明② 色と波長とヒトの眼

 ヒトの眼は光に明るさと色を感じます。光の波長域はおよそ400~700ナノメートルです。波長によって分けた光をスペクトル(分光)といい、眼は波長の異なるスペクトルを違った色に感じます。
 スペクトルの色は、波長の長い700ナノメートルから短い400ナノメートルへ、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫へと変化します。このようなスペクトルの色は雨上がりの虹に見ることができます。
 眼の明るさ感度が最も高いスペクトルは波長555ナノメートルの光で、色は黄緑(新緑の木の葉の色)です。眼はそれより波長の長いスペクトルほど明るさ感度が低くなり、赤スペクトルの外が赤外線です。同様に、555ナノメートルの波長より短いスペクトルほど明るさ感度が低くなり、紫スペクトルの外が紫外線です。




 ヒトの眼のこのような特性は太陽と地球大気、生物の起源が水中であったことに由来します。太陽は電波から放射線まですべての電磁波を放射していますが、光が最も豊富です。
 そして、太陽の放射線は地球大気の酸素と窒素によって、有害紫外線は上空のオゾン層によってそれぞれ吸収され、地上にはほとんど到達しません。また、赤外線も大気中の水蒸気や炭酸ガスによってその多くが吸収されますが、光はほとんど吸収されずに地上に到達します。
 およそ27億年前、水中に誕生した生物は、太陽の放射線が到達できない10メートルより深い水中で太陽の光を浴び、炭酸ガスを吸収して酸素を吐き出しました。酸素の一部が上空で紫外線によってオゾンになります。オゾンが現在の量に増加したおよそ4億2000万年前に、水中から陸に上がりました。眼球の組成はその多くが水です。こうして、ヒトの眼は太陽の光と地球環境の下で進化してきました。



 物の色は、それを照明する光源が替わると、色の見えが違ったり、色ずれ(ある照明光の下で同じ色に見えた色が、別の照明光の下では違った色に見えること)が生じたりすることがあります。それは、照明する光源がそれぞれ固有のスペクトル分布を有しているためです。晴れた空が青く見えるのは青いスペクトルの光が豊富であり、夕日が赤く見えるのは赤いスペクトルの光が豊富なためです。
 物にはそれぞれ「固有の色」があるように思われますが、物に色はありません。照明する光の赤いスペクトルを強く反射する物の色は赤色に見え、青い光を強く反射する物の色は青色に見え、緑から赤までのスペクトルを反射する物の色は黄色に見えます。



 ヒトの眼は昼光(太陽光と空光)と燃える灯りに順応して進化してきたことから、昼光での物の色をその物に固有の色に感じ、灯りで照らされた食べ物の色を美味に感じます。繊細な織柄の洋服を蛍光ランプの試着室で見定めて、外に出て昼光で見たときの色の違いに「アレ!」と嘆かれたことはありませんか。白熱電球の光は、燃える灯りと同質であるため、赤身の刺身やお肉、赤ワインの色を美味に感じます。
(せきね・せいし新潟大学名誉教授・照明学専攻)(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年11月12日付に掲載


いわゆる可視光といいますが、紫外線や赤外線をヒトの眼で見ることができないのは、生物の起源までさかのぼるのですね。
明るいところで反応する錐状体と暗いところで反応する杆状体では波長に対する感度の山が違うのですね。錐状体の方が波長の長い、つまり赤いほうに反応するのですね。暗い野外が青黒く見えるのはそのせいでしょうか?
赤、青、黄色の光の三原色ですが、黄色に見える物体のスペクトルが黄色だけでなく赤色の帯域まで反射しているってのも意外ですね。

暮らしの照明① ヒトと光の関係は

2010-11-28 19:28:46 | 日常生活
暮らしの照明① ヒトと光の関係は

 地球温暖化防止のため省エネが求められ、照明分野では、一般白熱電球の電球形蛍光ランプヘの取り換え、さらには電球形LED(発光ダイオード)ランプの普及が促進されています。でも、白熱電球、電球形蛍光ランプ、電球形LEDランプ、それぞれ何がどう違うのでしょうか。
 みなさんは、ランプを買い替えるとき、どれにしたらと迷われたことはありませんか?そこで、「暮らしの照明」に役立つと思われることを4回連載で書かせていただきます。



 ヒトは視覚、聴覚、臭覚、皮膚感覚、味覚という五感から体外の情報を得ていますが、全情報のおよそ90%が視覚からです。しかし、眼は「光」がなければ機能しません。眼の機能を支援する光の演出が照明です。
 ところで、光とは何か?
 と問われましたら、みなさんは何と答えられますか?放射エネルギー(電磁エネルギー)をヒトの眼で評価した感覚量が光(可視光線)です。通常は「ヒトの眼に感じる波長域の放射(電磁波)」を光といいます。
 電磁波は、波長の長い方から短い方へ、電波→マイクロ波→赤外線→光→紫外線→放射線(エックス線・ガンマ線)などに区分されます。光はおよそ400~700ナノメートルの極めて狭い波長域です。1ナノメートルは100万分の1ミリメートルで、400ナノメートルの光は波の数が1ミリメートルの間に2500個という極めて細かい波です。



 眼の網膜には光に反応する「錐状体(すいじょうたい)」と「杵状体(かんじょうたい)」という2種類の視細胞があります。錐状体は明るいところで機能して色を識別できます。杵状体は暗いどころで機能し、明るさに対する感度は錐状体に比べて格段に高いのですが、色を識別できません。このため、暗闇では外界がモノクロに見えます。

 地球上の生物は太陽の日周に同調する概日リズム(サーカディアンリズム)を基本とし、ヒトは夜に熟睡して昼に活動するというリズムが健康で快適な生活リズムです。ヒトはかつて、日の出とともに野良に出て、太陽の下で働き、日暮れとともに家路につき、燃える灯りで夕餉をとり安らぎました。太陽は、昼は白く強く輝き、夕日は赤く、燃える灯りはさらに赤くほのかです。そのため、ヒトは白く強い光の下では交感神経が活動克進して脳が活性化し、赤くほのかな光には副交感神経が活動克進して心身が安らぎます。
 ヒトには脳内時計(体内主時計)があり、朝に目覚めたら、明るい日の光を浴びることによって24時間にリセットされ、血圧・脈拍・体温などの自律神経、ホルモン分泌、尿の生成量などがサーカディアンリズムで変動しています。高齢になるとサーカディアンリズムが乱れて睡眠が浅くなり、病気に対する抵抗力が弱まります。サーカディアンリズムを十分な振幅で規則正しく刻むには、朝に明るい日の光をいっぱいに浴びることが推奨されます。
(せきね・せいし新潟大学名誉教授・照明学専攻)(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年11月5日付に掲載



急に肌寒くなって来ましたね! 秋を通り越して、いきなり冬になりそうです(*^^)v

2010-10-26 23:30:39 | 日常生活
やっと秋らしくなってきました。
今日、職場から帰る時、肌寒く感じましたネ!


神戸で、10月26日午後6時が気温12.2度、午後7時が11.9度、午後8時が11.6度でした。肌寒いはずです。
ちなみに、午後9時は11.3度、午後10時は11.3度、午後11時は11.1度でした。


秋を通り越して、いきなり冬がやって来そうですね(*^^)v