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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

日銀のインフレ目標ってなに? 本当にデフレ脱却、景気回復に役に立つの?

2012-03-17 22:04:54 | 経済・産業・中小企業対策など
日銀のインフレ目標ってなに? 本当にデフレ脱却、景気回復に役に立つの?

「しんぶん赤旗」日曜版 2012年3月18日付の経済コラム欄に以下の記事が掲載・・・




日銀のインフレ目標
デフレに効果なし


日本銀行は2月14日の金融政策決定会合で、デフレ脱却に向けて追加緩和策を決定し、国債買い入れを10兆円増額しました。会合後、白川方明(まさあき)総裁は「消費者物価の前年比上昇率1%が見通せるまで強力に金融緩和を推進していく」と述べました。これを受けて安住淳財務相は、「実質的にインフレ目標を設定したと受けとめている」としています。

インフレ目標とは、どのような政策でしょう。
一般に中央銀行は、物価が目標より上がりすぎたら、金利を上げてお金が使われすぎないように金融引き締めを行います。これとは逆に物価が目標より下がりすぎたら、金利を下げるなどしてお金が活発に使われるように金融緩和をします。
これまでインフレ目標政策は高いインフレ率を低く抑える目的で導入され、カナダ、イギリス、ニュージーランドなどで実施されました。
今回、日銀が行うインフレ目標政策の目的は、まったく逆です。物価上昇を抑えるためではなく、物価を引き上げるための政策です。物価が下がり続けるデフレ状況を改善するために実施します。金融政策で物価上昇を抑えることはできても、物価を上げることは非常に困難とされています。
では今なぜ、日銀はインフレ目標政策に踏み切ったのでしょうか。
米国の中央銀行、連邦準備制度理事会(FRB)が1月末に長期の物価上昇率目標を2%とし、達成期日を2014年後半までとしました。米国の決定を受け、日本では政府や国会で、「米国のようにできないか」と日銀に圧力がかかりました。
消費税増税をめざす野田内閣は、物価が停滞するもとでは増税ができない、増税の条件として、どうしても「物価上昇が必要」との立場です。
しかし、物価が持続的に上昇しないのは、資金供給量が少ないからではなく、資金需要が乏しいからです。

なぜ、資金需要が乏しいのか。その主な要因は、大企業による「リストラ・低賃金」路線の推進の結果、家計の購買力低下→企業の値下げ競争→物価下落→企業活動の停滞→さらなる賃下げ、という悪循環に陥っているからです。
このことは、日銀自身が認めています。白川総裁は2月17日、日本記者クラブの講演でこうのべました。
「日本のデフレは…お金の量が足りないのではなく、お金を有効に使うビジネスチャンスや成長機会が乏しくなっている」として、「経済全体の需給バランスが崩れ…需要が不足している」と。
一部の多国籍企業は、内需を冷え込ませ、自らの「国際競争力」を高めることで円高を招いておきながら、「国内に需要はない」との口実で、どんどん生産を海外に移転しています。こうした事態を放置して、日銀がいくらインフレ目標を掲げてもデフレ脱却には役立ちません。
それどころか国際的には、あふれかえったお金が実体経済ではなく投機筋に回り、食料や石油価格などの高騰を呼び起こし、再び世界経済を揺るがす恐れがあります。
日本経済が需要不足の悪循環を抜け出すには、GDP(国内総生産)の6割を占める「個人消費」を引き上げるなどして、内需を増やすことです。
山田邦夫(やまだ・くにお 日曜版編集部)



これほど国民所得が低迷していて、不安定雇用が増えていて、不景気が続いているもとで、物価だけが上がったらますます国民の暮らしは苦しくなり不景気の悪循環に陥ってしまうでしょう。

かつての狂乱物価の時代は曲がりなりにも賃金のベースアップはありましたし、池田内閣の所得倍増計画の時代も物価も上がっていましたが電化製品の普及など生活の質が変わりました。

今はどうでしょうか。「しんぶん赤旗」が言うように、GDPの6割を占める「個人消費」を温める。大企業の内部留保を吐き出して、企業に勤める人々の賃金のベースアップを図る、下請け企業の工賃を引き上げること。年金の支給カットをやめて支給額を引き上げる。などなど、していかないと本当のデフレ脱却、景気回復はできないのではないでしょうか・・・
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