アベノミクスの「ご威光も終わり」 株価値下がり大荒れ 成長どころか貧困と格差
中国経済の減速をきっかけにした金融市場は先週大荒れとなり、日経平均株価は一時、1万8000円台を割り込みました。世界的な株安の連鎖は、日本経済の脆弱(ぜいじゃく)な実態を映し出すものになりました。
A 先週、株価が6営業日連続の値下がりとなった。これは、2012年12月の第2次安倍晋三政権発足後、初めてのことだった。
B 「株価連動政権」と椰楡(やゆ)される安倍政権にとっては、「穏やかならざる心境」だろう。菅義偉官房長官も8月25日の記者会見で「足元の金融市場においては変動が続いていると認識している」「海外を含めた市場の動向については、引き続き注意深く見守っていきたい」と言っていたよ。
C 戦争法案をはじめとして安倍政権にたいする国民の批判は日々高まっている。そこにきてアベノミクス(安倍政権の経済政策)最大の「売り」の株価が下落したんだから「ご威光も終わり」だ。マスメディアも、もうアベノミクスを持ち上げられないよね。
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株安の連鎖が世界に波及=8月24日、東京(ロイター)
ごまかし明らか
A ある市場関係者は「アベノミクスのごまかしがいよいよ明らかになってきた」といっていた。国民生活を犠牲にして大企業を優遇するアベノミクスは「経済成長」どころか「貧困と格差」を深刻にした、というのは日常生活の実感だよ。
B 4~6月期の実質国内総生産(GDP)は3四半期ぶりに前期比マイナスに転落した。なんといってもGDPの6割を占める個人消費が0・8%減少したことが大きな要因だった。
A 7月の消費支出も実質0・2%減少した。日用品の相次ぐ値上げで、消費意欲がいよいよ低下している。
B 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は、8月26日のニューヨークでの講演で「ケチャップが今年4月、25年ぶりに値上げされました」と喜んでいた。「物価が上昇すれば喜び、下落すれば悲しむ」というのが「デフレ脱却」を掲げるアベノミクス推進者たちの発想だ。
C 国民の生活感覚とはまったくの逆じゃないか。
企業収益は最高
B 100万円未満しか貯蓄がない世帯は2014年、全世帯比で12・4%になった。02年の8・7%から3・7%も跳ね上がった。母子家庭の貧困や高齢者の貧困、若者に広がるワーキングプア(働く貧困層)問題など、経済の土台がどんどん壊れているよ。
A 菅官房長官は、「企業収益が過去最高水準」となり「緩やかな回復基調をたどっている」との見方を示しているが、企業収益が過去最高になっているのに、貧困が拡大しているのが最大の問題なんだよ。大企業の収益は上がり、配当は増え、役員報酬も上昇しているが、実質賃金はマイナスが続いている。
B 「格差拡大」による「成長路線」は世界的にみれば、中間層の貧困化によって「経済成長をも阻害する」との見方が広がっている。しかし、アベノミクスの経済的本質は、この「格差拡大成長政策」そのものだからね。世界の流れに逆行している。
A 今回の株価の世界的下落について、「中国経済に対する疑心暗鬼とともに、投機筋の催促相場だ」といっていた。つまり、米国での金利引き上げへの警告であり、中国経済の成長率の下落への取り組みを求めたものだったと。
C 日本では、戦争法案反対世論をかわすために、なりふり構わず公的資金による株価買い支え、日銀による一層の金融緩和すらも想定されるね。
A そこは、今後の注目点だね。ある元経済官僚は、「安倍政権の『成長戦略』は、メニューは豊富だが、その中心は、原発と武器輸出だ」といっていた。
C 経済のゆがみと戦争法案、そして改憲は、やっぱり根底で結びついているんだね。戦争法案を許さないたたかいは、国民経済を立て直すたたかいでもあるね。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年9月1日付掲載
この期に及んで、アベノミクスの成長戦略は原発と軍拡。日本と世界を破滅の淵に導く毒団子だ。
中国経済の減速をきっかけにした金融市場は先週大荒れとなり、日経平均株価は一時、1万8000円台を割り込みました。世界的な株安の連鎖は、日本経済の脆弱(ぜいじゃく)な実態を映し出すものになりました。
A 先週、株価が6営業日連続の値下がりとなった。これは、2012年12月の第2次安倍晋三政権発足後、初めてのことだった。
B 「株価連動政権」と椰楡(やゆ)される安倍政権にとっては、「穏やかならざる心境」だろう。菅義偉官房長官も8月25日の記者会見で「足元の金融市場においては変動が続いていると認識している」「海外を含めた市場の動向については、引き続き注意深く見守っていきたい」と言っていたよ。
C 戦争法案をはじめとして安倍政権にたいする国民の批判は日々高まっている。そこにきてアベノミクス(安倍政権の経済政策)最大の「売り」の株価が下落したんだから「ご威光も終わり」だ。マスメディアも、もうアベノミクスを持ち上げられないよね。
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株安の連鎖が世界に波及=8月24日、東京(ロイター)
ごまかし明らか
A ある市場関係者は「アベノミクスのごまかしがいよいよ明らかになってきた」といっていた。国民生活を犠牲にして大企業を優遇するアベノミクスは「経済成長」どころか「貧困と格差」を深刻にした、というのは日常生活の実感だよ。
B 4~6月期の実質国内総生産(GDP)は3四半期ぶりに前期比マイナスに転落した。なんといってもGDPの6割を占める個人消費が0・8%減少したことが大きな要因だった。
A 7月の消費支出も実質0・2%減少した。日用品の相次ぐ値上げで、消費意欲がいよいよ低下している。
B 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は、8月26日のニューヨークでの講演で「ケチャップが今年4月、25年ぶりに値上げされました」と喜んでいた。「物価が上昇すれば喜び、下落すれば悲しむ」というのが「デフレ脱却」を掲げるアベノミクス推進者たちの発想だ。
C 国民の生活感覚とはまったくの逆じゃないか。
企業収益は最高
B 100万円未満しか貯蓄がない世帯は2014年、全世帯比で12・4%になった。02年の8・7%から3・7%も跳ね上がった。母子家庭の貧困や高齢者の貧困、若者に広がるワーキングプア(働く貧困層)問題など、経済の土台がどんどん壊れているよ。
A 菅官房長官は、「企業収益が過去最高水準」となり「緩やかな回復基調をたどっている」との見方を示しているが、企業収益が過去最高になっているのに、貧困が拡大しているのが最大の問題なんだよ。大企業の収益は上がり、配当は増え、役員報酬も上昇しているが、実質賃金はマイナスが続いている。
B 「格差拡大」による「成長路線」は世界的にみれば、中間層の貧困化によって「経済成長をも阻害する」との見方が広がっている。しかし、アベノミクスの経済的本質は、この「格差拡大成長政策」そのものだからね。世界の流れに逆行している。
A 今回の株価の世界的下落について、「中国経済に対する疑心暗鬼とともに、投機筋の催促相場だ」といっていた。つまり、米国での金利引き上げへの警告であり、中国経済の成長率の下落への取り組みを求めたものだったと。
C 日本では、戦争法案反対世論をかわすために、なりふり構わず公的資金による株価買い支え、日銀による一層の金融緩和すらも想定されるね。
A そこは、今後の注目点だね。ある元経済官僚は、「安倍政権の『成長戦略』は、メニューは豊富だが、その中心は、原発と武器輸出だ」といっていた。
C 経済のゆがみと戦争法案、そして改憲は、やっぱり根底で結びついているんだね。戦争法案を許さないたたかいは、国民経済を立て直すたたかいでもあるね。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年9月1日付掲載
この期に及んで、アベノミクスの成長戦略は原発と軍拡。日本と世界を破滅の淵に導く毒団子だ。