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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

GDPプラスの実体 停滞する個人消費 失政で悪循環

2023-03-07 07:10:29 | 経済・産業・中小企業対策など
GDPプラスの実体 停滞する個人消費 失政で悪循環
内閣府は、2022年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の成長率が前期比0・2%増であったと発表しました。(2月14日)
プラス成長とはいえ、中身は日本経済の好転どころか停滞を裏付けるものとなっています。GDPの5割超を占める個人消費支出は、国の旅行支援措置などにもかかわらず、わずか0・5%増と振るわず、設備投資は0・5%減とマイナスに沈み込んでいます。住宅投資は0・1%減と相変わらずのマイナスです。




各国の実質GDPの推移をみると、コロナ禍でも欧米諸国が継続的にプラス成長を記録しているのとは対照的に、日本では消費税を10%に増税した19年10~12月期に前期比2・7%減(年率10・5%減)と大幅に落ち込んだ後、ほぼプラスとマイナスを繰り返すまだら模様を示しています。
また、プラス成長も前期の大幅な落ち込みの反動や、財政支出や輸出の急増などによるものでしかありません。つまり、日本経済は成長に持続性がないだけでなく停滞し続けているということです。各国経済が回復に向かう中で、一人日本だけが取り残され独自の生態系ならぬ独自の停滞構造がつくり出され、しかもそこから抜け出せない、いわばガラパゴス状態に置かれているといえます。
異様な停滞の原因は、個人消費の慢性的な停滞にあります。その根底には雇用環境の悪化、分配構造のゆがみ(低賃金、国民負担の増大、行政サービスの悪化)、高物価、将来不安が横たわっています。しかも、個人消費の停滞を起点に生産、投資、雇用、所得、消費の連鎖、つまり経済循環構造が崩れ、賃金も上がらず、それによって逆に経済循環構造も蘇生できない悪循環に陥っているわけです。
問題は、このガラパゴス状態は自然に出来上がったわけではなく、長年の政府の失政によるものだということです。

00年代には小泉「構造改革」により金融機関の不良債権の強制的処理が行われ、膨大な企業の破綻と大量の失業者が生み出され、経済循環構造が破壊されてしまいました。13年からのアベノミクスは2度にわたる消費税増税をはじめ、破壊された経済構造にさらに重しをかけ、経済停滞構造を定着させました。
日本経済の停滞は政府によってつくられ、放置されてきました。言い換えれば、国民生活に背を向け続けてきた政府の失敗の結果です。
このような状況の中で21年、分配の見直しを軸にした「新しい資本主義」をつくるとして岸田政権が誕生しました。しかし、中身はアベノミクスと区別がつかないどころか、無駄遣いを放置したままさらに国民負担を増やそうとしています。
これでは日本経済の再生はますます遠のくばかりです。無駄遣いを既得権として続ける官僚と、国民生活に背を向ける政治家を排除しない限り、日本経済の再生はあり得ないということです。

工藤昌宏(くどう・まさひろ 東京工科大学名誉教授)

「しんぶん赤旗」日曜版 2023年3月5日付掲載


異様な停滞の原因は、個人消費の慢性的な停滞。その根底には雇用環境の悪化、分配構造のゆがみ(低賃金、国民負担の増大、行政サービスの悪化)、高物価、将来不安。しかも、個人消費の停滞を起点に生産、投資、雇用、所得、消費の連鎖、つまり経済循環構造が崩れ、賃金も上がらず、それによって逆に経済循環構造も蘇生できない悪循環。
無駄遣いを既得権として続ける官僚と、国民生活に背を向ける政治家を排除しない限り、日本経済の再生はあり得ない。
一番の同盟国であるアメリカは、2000年から1.5倍のGDPへ。イギリス、フランス、ドイツもGDPをアップ。日本だけ取り残されている。

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