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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

COP27参加者に聞く② 先進国の「債務」どう解決

2022-11-05 07:13:34 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
COP27参加者に聞く② 先進国の「債務」どう解決
FoEJapan 気候変動・エネルギー担当
深草亜悠美さん


パキスタンの大洪水だけでなく、先進国でも毎年のように甚大な気候災害が増えるのを目の当たりにしています。そのもとで、気候変動によって生じた「損失と被害」にどう対応するかが非常に重要です。

歴史的に責任が
パリ協定の原則には「共通だが差異ある責任」として、歴史的に温室効果ガスを大量に排出してきた先進国には重い責任があるとしています。
途上国は、歴史的に排出量が少ないにもかかわらず気候変動による多大な被害を受けています。途上国の被害は先進国に対する「貸し」に当たり、その債務を返すべきだとする「気候債務」の考え方が広がっています。
「損失と被害」に対応する資金をどう生み出していくか、重要な議論になると思います。
昨年のCOP26での成果の一つとして、決定文書に石炭火力の削減などが盛り込まれました。
一方、ロシアによるウクライナ侵攻で、今までロシアから買っていた化石燃料をアフリカで開発しようとする動きが進んでいます。再生可能エネルギーの普及などでCO2排出削減を目指す流れの中で、排出を固定化するこれらの開発の矛盾が指摘されるべきです。
日本の大手金融機関も開発への融資を実施・計画しています。開発による多額の資本は、石油メジャー(巨大企業)や自国のエネルギー安全保障のために回り、現地で貧困に苦しむ人には行きわたりません。
アフリカの市民団体は、このような開発を「植民地主義だ」と批判しています。本来はアフリカの市民や自然に悪影響を与えないような、公平なエネルギー転換と貧困問題をどう解決していくかを議論しなければいけません。
今回のCOPでは会場外でのデモの開催が厳しい状況です。議長国のエジプトでは、政治的な人権侵害の問題が懸念されています。9月にも気候マーチの呼びかけ人が政治的な理由で逮捕されています。会場内のデモの場合、内容の制限や参加できる人数も限られるため、どのようにアピールできるか難しい課題です。



気候正義を求める若者たち=2021年11月6日、グラスゴー(小梶花恵撮影)

世界にアピール
日本政府は、エネルギー基本計画で2030年の石炭火力の割合を19%としています。脱炭素燃料としてアンモニアや水素を既存の石炭火力に混ぜて発電すれば、CO2の排出を削減できるとしています。
しかし、アンモニアや水素は化石燃料から作られ全く脱炭素ではありません。市民社会は「既存の化石燃料依存を強め、解決策の先送りになる」と訴えています。昨年、気候対策に後ろ向きな国におくられる「化石賞」を日本が取ったのもこのためです。
岸田文雄政権下でこの動きがさらに強まっています。政府はインドなどアジアでアンモニア混焼をすすめるなど、日本の強みとして海外に売り出しています。COPの場で世界に日本の現状をアピールしていきたいと思います。(小林圭子)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年11月1日付掲載


途上国は、歴史的に排出量が少ないにもかかわらず気候変動による多大な被害を受けています。途上国の被害は先進国に対する「貸し」に当たり、その債務を返すべきだとする「気候債務」の考え方が広がる。
「損失と被害」に対応する資金をどう生み出していくか、重要な議論に。
日本政府は、エネルギー基本計画で2030年の石炭火力の割合を19%と。脱炭素燃料としてアンモニアや水素を既存の石炭火力に混ぜて発電すれば、CO2の排出を削減できると。
しかし、アンモニアや水素は化石燃料から作られ全く脱炭素ではありません。
ごまかされてはいけませんネ!

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