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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「自治体消滅」批判⑤ 地方自治の灯を消すな

2024-08-30 07:14:15 | 政治・社会問題について
「自治体消滅」批判⑤ 地方自治の灯を消すな
「道州制の議論は緒に就いたばかりであり、これから検討していく」―7月、経団連の十倉雅和会長は、長野軽井沢町で開催した「夏季フォーラム2024」終了後の記者会見で「道州制」に意欲を見せました。
同フォーラムの「軽井沢宣言」では「人口減少・少子高齢化・大規模災害・広域経済圏の形成・多様性の尊重・地域間競争等の今日的課題を踏まえ、新たな道州制(仮称)も視野に入れ、わが国の統治機構やガバナンスのあり方、合併を含む地方自治体単位の見直しについて、正面からの議論を(政府に)求める」としています。



道州制導入に反対を決議した全国町村長大会=2017年11月29日、東京都内

「道州制」に固執
十倉氏は「新たな道州制(仮称)」について問われると、「過去の議論のように行政権のあり方に力点を置いて議論するわけではない。議論の目的は、各地域の多様性の確保と地域間での競争の促進の二つである。中央集権のもとに47都道府県が存在する形では多様性は確保できず、競争も生まれにくい。例えば地域を10程度に区分し、各地域がそれぞれの特色を踏まえ、多様性を確保し、互いに切磋琢磨(せっさたくま)できるシステムとすることが必要であろう」と述べました。
道州制とは現在の都道府県を廃止して、より広い区域を所管する「道州」を新たに置くことにより、現在国が行っている仕事のうち国でなければできないとされる外交・防衛などを除き、基本的に道州と市町村で担うものです。第28次地方制度調査会(首相の諮問機関)は06年に「道州制の導入が適当」と答甲。政府は「道州制ビジョン懇談会」を設置し、08年に中間報告をまとめましたが、具体的な制度設計に至らないまま09年の政権交代でうやむやに。第2次安倍政権で財界の要求に応える形で自民党内での議論が再開したものの、18年に党道州制推進本部を廃止しました。

住民切り捨てに
道州制を導入すれば現行の市町村は300程度の「基礎自治体」に再編される見通しです。経団連は道州制の導入により地方公務員の総人件費を1兆5130億円減らせると試算しています。
人口減少や地方の過疎化が話題になるたびに繰り返される「自治体再編論」(市町村合併)の背景には、財界が求める「道州制」の実現があります。その狙いは、住民に最も身近な基礎的自治体を弱体化し、地域に根差した住民の声やくらしを切り捨て、規制緩和による財界本位の政治を進めることにほかなりません。
地方自治法は、自治体は「住民の福祉の増進を図ることを基本」とすると定めています。人口が減少し、過疎化した地域に取り残された住民がいれば、住民サービスを届け、くらしを支えることが自治体の使命です。住民が生活する地域から地方自治の灯を消してはなりません。(おわり)
(この連載は森糸信が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年8月23日付掲載


十倉氏は「新たな道州制(仮称)」について問われると、「過去の議論のように行政権のあり方に力点を置いて議論するわけではない。議論の目的は、各地域の多様性の確保と地域間での競争の促進の二つである。中央集権のもとに47都道府県が存在する形では多様性は確保できず、競争も生まれにくい。例えば地域を10程度に区分し、各地域がそれぞれの特色を踏まえ、多様性を確保し、互いに切磋琢磨(せっさたくま)できるシステムとすることが必要であろう」と。
その狙いは、住民に最も身近な基礎的自治体を弱体化し、地域に根差した住民の声やくらしを切り捨て、規制緩和による財界本位の政治を進めることに。
地方自治法は、自治体は「住民の福祉の増進を図ることを基本」とすると定めています。人口が減少し、過疎化した地域に取り残された住民がいれば、住民サービスを届け、くらしを支えることが自治体の使命です。住民が生活する地域から地方自治の灯を消してはなりません。


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