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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

けいざい四季報2022 Ⅲ ② 中銀利上げ 手詰まりの政府・日銀

2022-10-01 07:09:11 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報2022 Ⅲ ② 中銀利上げ 手詰まりの政府・日銀
【ポイント】
①FRBとECBが大幅利上げを決定。景気を減速させても物価を抑えるねらい
②マイナス金利からスイス中銀が脱却。世界の主要中銀で続けるのは日銀だけに
③日銀が異次元金融緩和に固執し、円売りが加速。政府・日銀は為替介入を実施

ロシアのウクライナ侵略に伴う資源高の影響で世界的に物価が上昇しています。海外の中央銀行は物価抑制のため、大幅利上げを進めています。大規模な金融緩和に固執する日銀の孤立が一段と鮮明になっています。

景気減速しても
米連邦準備制度理事会(FRB)は、9月21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0・75%引き上げることを決めました。利上げは5会合連続。政策金利は年3・00~3・25%と、08年以来の高水準となります。さらに追加で2022年末までに計1・25%引き上げる見通しも示しています。
米国の消費者物価指数(CPI)は8月に前年同月比8・3%上昇しました。FRBのパウエル議長は9月22日の記者会見で「インフレを大きく抑える水準まで金利を上げる必要がある」と強調。景気を減速させてでも物価上昇を抑える決意を表明しました。
ユーロ圏19カ国の金融政策を担う欧州中央銀行(ECB)も、9月8日の定例理事会で政策金利を0・75%引き上げることを決めました。7月の前回会合に続いて2回連続の利上げです。
8月のユーロ圏消費者物価指数は前年同月比9・1%上昇。ロシアのウクライナ侵略の影響でエネルギーや食料の価格高騰が続きました。年内に10%を超えるとの予測もあり、大幅利上げが不可欠と判断しました。



ドイツのフランクフルトにある欧州中央銀行(ECB)のビルと看板(ロイター)



「マイナス」脱却
英イングランド銀行(中央銀行)も、9月22日に政策金利を1・75%から2・25%に引き上げると発表しました。21年12月以降7会合連続の利上げです。22年5月以来ほぼ2倍になったガス卸売価格など、高騰する物価を抑制する目的です。
スイス国立銀行(中央銀行)は9月22日、マイナス0・25%の政策金利を0・75%引き上げ、プラス0・5%にすると発表しました。6月に続く2回連続の利上げで、15年1月に導入したマイナス金利政策から脱却します。
ECBは7月にマイナス金利を解除し、デンマークの中銀も9月上旬に政策金利をプラスに引き上げました。世界の主要中銀でマイナス金利を続けるのは日銀だけとなります。

円売りが急加速
日銀は9月22日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0・1%、長期金利を0%程度に操作する大規模な金融緩和策の維持を全員一致で決めました。世界の流れから取り残されています。
黒田東彦総裁が22日の記者会見で「当面、金利を引き上げることはない」と発言すると、日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いが急加速し、円相場は1ドル=145円90銭近辺まで下落。政府・日銀は同日、外国為替市場で円買い・ドル売りの為替介入の実施に追い込まれました。
異常円安の阻止をもくろむ一方で、異常円安をもたらす「異次元の金融緩和」に固執する―。破綻したアベノミクスにとらわれる政府・日銀は、深刻な矛盾に直面し、手詰まり状態に陥っています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年9月29日付掲載


FRBのパウエル議長は9月22日の記者会見で「インフレを大きく抑える水準まで金利を上げる必要がある」と強調。景気を減速させてでも物価上昇を抑える決意を表明。
一般的には、政策金利が上がると、経済主体は借入に消極的になり、通貨供給量が減り経済活動が低迷、インフレ率が低下。
でも、日本では国債を市場に出回らせず日銀が買い込み。金利を上げたとしても、あまり影響がないかも。
日本政府・日銀の異次元の緊急緩和が、にっちもさっちもいかない袋小路に押し込めています。
アメリカに言われて、ゼロ金利にした日本。そのアメリカが利上げ。完全に取り残されています。

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