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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「骨太の方針」を読む② 介護・医療DX 社会保障削減日程並ぶ

2024-07-09 07:12:33 | 政治・社会問題について
「骨太の方針」を読む② 介護・医療DX 社会保障削減日程並ぶ

「骨太の方針」は、医療・介護分野について「不断の改革によりワイズスペンディング(賢い支出)を徹底」すると述べ、昨年12月に決定した全世代型社会保障構築をめざす改革の道筋(改革工程)を「着実に推進する」としています。この「改革工程」には、社会保障のあらゆる分野の削減メニューが具体的日程を示して並んでいます。
同方針は、介護保険制度について「利用者負担が2割となる『一定以上所得』の判断基準の見直し、ケアマネジメントに関する給付のあり方、軽度者への生活援助サービス等に関する給付のあり方」について、2026年度末までに「結論を得る」と述べています。ケアプラン作成を有料化し、要介護1・2の利用者の介護給付を外し、介護保険利用料の2割負担の対象者を拡大し、負担増・給付削減を進める方向です。

原因は低報酬
また、介護現場の人手不足対策として「テクノロジーの活用や協働化・大規模化」「外国人介護人材を含めた人材確保」などを挙げています。人手不足を「効率化」とICT(情報通信技術)の活用や事業所の大規模化などで解決するといいますが、人手不足の根本原因は低すぎる介護報酬です。とりわけ、訪問介護の基本報酬を今年度から2%強引き下げたことは重大です。すでに介護事業者の倒産件数が急増して過去最多を上回っています(東京商工リサーチ調べ)。国会では衆院厚生労働委員会で介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する決議が異例の全会一致で採択(6月5日)されており、報酬再改定が必要です。
また、「改革工程」では、「医療・介護保険における金融所得や金融資産の取り扱い」を明記。政府はマイナンバーを活用し、個人の所得だけでなく金融資産を加えた新たな負担制度をつくり、将来に備えた蓄えにまで徴収を強めようとしています。
さらに同方針には「政府を挙げて医療・介護DX(デジタルトランスフォーメーション)を確実かつ着実に推進する」とも記しています。
政府の「医療DX工程表」には、▽医療情報のデジタル化と共有、二次利用の推進、▽デジタル化による業務改革を実現、▽国民自身の疾病予防を促進などが盛り込まれています。
「医療DX工程表」は財界の提案が色濃く、医療情報の二次利用とは、企業が国民の医療情報をビジネスとして活用すること。デジタル化による業務改革は、政府のデジタル化に合わせて医療や介護制度を変えていくことです。




個人情報狙う
国民には、疾病予防として健康や医療データの自己管理や活用を促して「自己責任」を押し付け、公的医療費の抑制とデータ化された医療情報を利活用し、新たな産業につなげるのが狙いです。
政府は健康・医療情報、個人の生活、購買、移動データなどあらゆる個人情報をひも付け、企業や行政がAI(人工知能)を使って自動的に分析、評価・差別・選別(プロファイリング)する社会を目指していますが、国民、患者の人権やプライバシーを守る仕組みが求められます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年7月8日付掲載


介護の人手不足を「効率化」とICT(情報通信技術)の活用や事業所の大規模化などで解決するといいますが、人手不足の根本原因は低すぎる介護報酬。
とりわけ、訪問介護の基本報酬を今年度から2%強引き下げたことは重大。
「医療DX工程表」は財界の提案が色濃く、医療情報の二次利用とは、企業が国民の医療情報をビジネスとして活用すること。デジタル化による業務改革は、政府のデジタル化に合わせて医療や介護制度を変えていくこと。

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