きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

兵庫県香住町(現香美町)で原発立地を阻んだ「世直し運動」の心意気・・・

2012-03-09 23:26:30 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
兵庫県香住町(現香美町)で原発立地を阻んだ「世直し運動」の心意気・・・

民主商工会の全国組織、全商連発行の『月刊民商』の2012年3月号に、兵庫県の西北部、香住町(現香美町)で、1960年代末から70年代にかけて関西電力の原発立地をめぐる闘いが紹介された。
その運動の中心核をになったのが、但馬地域の民商運動の担い手の一人だった自転車店の有田実さんだ。






青く澄んだ海と入り組んだ海岸線。
日本海に面した兵庫県美方郡香美町の香住は山陰海岸国立公園になっています。ちょうど1年前の3月、東京電力福島第一原発の事故後に1本の電話がかかってきました。「兄さんに伝えておいてほしい。(香住の)原発建設に反対してもらって感謝している。私は誘致派だったが、建設が中止になって本当によかった」と。匿名電話を受け取ったのは、香住で50年以上も「有田自転車商会」を経営する有田実さん(76)。長年、兵庫県連但馬民商の副会長で香住支部の支部長を務めています。
実さんは、町議会議員だった兄とともに原子力発電所建設阻止に貢献しました。その話は後で紹介するとして、まずは実さんが歩んできた人生から―。



口減らしのような形で地元の自転車店に就職。でも、勉強したいという思いは強く夜学にかよい卒業。そして自分の技術を生かしたいと思い独立したといいます。
商売が好きで、利益や金儲けよりも、お客さんの気持ちや立場に立って、納得のいくまで仕事をしたといいます。
人とのつながりを大切にした実さん。地元の青年団団長やPTA会長なども務めました。そういう実さんの生き方が歓迎され、結果として商売に活気をもたらしたといいます。

さて、原発立地にかかわる話です・・・


原発建設阻止運動
時代に先駆けた住民の勝利

香住町(05年の合併で現香美町)の下浜地区三田浜。穏やかな海が広がっています。67年の秋、ここへ関西電力の原発を誘致することが県と町の発表で明らかになりました。原発建設の動きはその数年前から起きていました。
実さんは、誘致候補地の地元有力者の息子と友達でした。「彼が教えてくれたんです。『関電が入ってきた。原発建設の契約が進んでいる』とQその話を兄に伝えました。兄はとにかく勉強家で、若い時分から原子力発電の本を読んで研究もしていました。敏感な兄が『これは大変や』となって……」
実さんの兄、有田晃さん(85)は、66年の町議選で初めて日本共産党の議席を獲得していました。
ふるさとを守ろう、原発は絶対に安全とは言えない、誘致反対―。原発建設のたくらみを知った町民有志は、ビラを町の全戸に配り、宣伝カーで原発の危険性を訴え、学習会や講演会を開催しました。有田晃町議は運動の推進役となりました。町民学習会では演壇に立ち、原発「安全神話」の正体を暴く手づくりのパネルを使ってわかりやすく語りかけ共感を広げました。
実さんも、友人や知り合いに声をかけ反対運動に力を注ぎました。
「講演会に講師を呼ぶために、僕は一人で京都大学の湯川秀樹博士の研究室に行きました。そのとき湯川先生とは会えませんでしたが、代わりの先生が香住に来てくれました」
決起集会やデモ行進、漁師の海上デモと町始まって以来のとりくみが日を追う乙とに高揚し、原発賛成の議員が圧倒的多数だった町議会が揺れ動きました。3年余りに及ぶ粘り強い運動が実って原発反対の町民が多数派となったとき、70年9月の町議会で、町長は誘致断念を表明せざるをえませんでした。
誘致予定地だった三田浜で民宿「三田浜荘」を営む、民商会員の福田昌子さん(69)は振り返ります。
「私も原発について学び、家族とも話し合って反対運動に参加しました。いま思えば運動は大変でしたが頑張ってよかった。香住の未来にプレゼントができました。もし有田町議さんがおられなかったら原発は多分できたでしょう。すごく立派な方で、みなさんが感謝しています。弟の実さんの行動力も素晴らしいです。温かい人で、自分はさておき他人のことを第一に考えて力を尽くされます。信頼しています」
時代に先駆けた町民ぐるみの勝利でした。但馬民商の歴史を築いてきた会員たちも、原発建設阻止の運動に大きな足跡を残したのです。





実さんが民商に加わったのは半世紀近く前のこと。税務署の強権的なやり方を見聞きし、怒りを覚えました。公正な社会にしていきたいという思いが募りました。

行動力抜群の実さん。視線の先は、地域から社会、政治へと向きます。
「民商でずっと活動してきた僕には、世の中を変えたい、人間らしく生きていける社会にしていきたい、そういう根本的な願いがあります。小さな業者が生き生きと営業できる社会、地域に根差して商売が繁盛するような世の中にしていく。中小業者の社会的役割も考えています。われわれが働きがいを持って歩んでいけるなら、商売も栄え、社会も国も豊かに変わっていくことができる。僕にとって民商運動とは、世直し運動そのもの。これが僕を支え続けるエネルギーです」

社会も政治も日々激しく動く時代。実さんは「ときめきますよ。まだまだやることがある」と胸を張ります。
青春時代から持ち続けてきた「世直し運動」の情熱が、いま、より多くの人々と手を結んで強烈に発揮できるときだと実さんは手応えを感じています。「変えられないものはない。歴史は前へ動かせる」と確信しています。


原発を阻止した闘いの地、その地から日本の社会変革の鼓動が聞こえてくるようですネ!

餘部の海岸 荒波_5
餘部の海岸 荒波_5 posted by (C)きんちゃん
香美町餘部の海岸の荒波です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

富裕層・大企業に応分の負担とは⑤ 富裕税・為替投機課税 社会保障の充実へ創設

2012-03-02 21:34:36 | 予算・税金・消費税・社会保障など
富裕層・大企業に応分の負担とは⑤ 富裕税・為替投機課税 社会保障の充実へ創設

 日本では所得税の累進が弱く、証券優遇税制もあるため、年間所得が1億円を超える資産家・富裕層では税の負担率が低くなっています。

■富偏在正す
 日本共産党が発表した「社会保障充実と財政危機打開の提言」では社会保障を充実する財源の一つとして「高額な株や不動産などの資産に課税する『富裕税』を創設します」と提起しました。



 富裕税は大資産家の純資産に毎年課税することで、富の偏在を是正する効果があります。フランス、ノルウェーなどで実施されています。日本でも戦後税体系の基礎を築いたシャウプ勧告にもとづき、1950~52年に実施されていました。
 日本の場合、土地や有価証券などを網羅した公的な統計はありません。現行の資産課税である相続税をベースに考えます。
 相続税の統計資料によると、相続税の課税対象となる被相続人は年間4万6000人程度。そのうち資産(合計課税価格)が5億円を超えるのは三千数百人程度です。
 これらから推計すると、5億円以上の資産を持つ大資産家は日本に5万~7万人程度いると考えられます。2010年の国勢調査によれば日本には5184万世帯があるので、1000人に1人程度の大資産家への課税となります。
 これらの大資産家が保有する土地や有価証券に対し、その額に応じて毎年1~3%の累進課税を行います。低い税率となっているのは、大資産家が保有する資産の運用や配当の一部を納税するという仕組みだからです。また、申告課税となりますが、毎年課税することで課税逃れや資産隠しなどは防ぐことができます。この富裕税によって5000億~7000億円程度の財源を見込んでいます。

■取引ごとに
 「提言」では「為替投機課税」の新設を提起しています。



 国際決済銀行(BIS)は3年ごとに各国の外国為替市場および店頭デリバ」アィブ市場の取引高を調査しています。この調査は各国中央銀行などによって同時におこなわれた調査をとりまとめたものです。
 日本銀行は10年9月に10年4月中の取引高調査の日本分集計結果を発表しています。集計結果によると、1営業日平均総取引高は3013億米ドルでした。これを年間ベースで円に換算すると6000兆円を超える額となります。
 この膨れ上がったマネーが暴走し、株、為替、原油、穀物相場を揺るがしています。
 短期間のうちに売り買いを連続させる投機を規制するには低率であっても取引をするたびに課税することが有効です。低率なので通常の貿易や金融取引には影響しません。
 「提言」では1回の取引につき0.01%の課税をおこなうことで6000億円程度の財源になるとしています。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年3月1日付掲載



5億円の資産に課税ってことですから、我々庶民は今話題の震災ジャンボ宝くじ前後賞込みで3億円を当ててもまだ届かない領域なんですね。
資産への課税といっても個人に対してですから、企業や団体の資産に課税するわけではありません。その点は誤解なきように・・・。
どうせ課税されるぐらいならって、資産を使ってくれたら(預金や株などの場合)、その分経済波及効果があるわけですし、邸宅や別荘の場合は、もともと維持費が1~3%以上かかっているはずですから、それがちょっと増えたぐらいにしか大資産家には感じられないのではないでしょうか。

庶民への消費税5%アップの痛みとくらべると比較にならないほど軽い負担だと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

富裕層・大企業に応分の負担とは④ 連結納税制度 利益圧縮の優遇見直し

2012-03-01 21:50:19 | 予算・税金・消費税・社会保障など
富裕層・大企業に応分の負担とは④ 連結納税制度 利益圧縮の優遇見直し

 大企業向けの優遇税制には連結納税制度もあります。この制度により、2010年度に5400億円の減税となっています。連結納税制度を利用しているのは、ほとんどが大企業です。

■黒字を相殺
 連結納税制度は02年に導入されました。100%出資の子会社について、親会社と損益を合算して法人税額を計算する方法です。連結グループの中に赤字企業があれば、その赤字分を他の企業の黒字と相殺し、課税対象となる「もうけ」を圧縮することで、全体の納税額を少なくすることができます。
 国税庁によると、10年度に連結納税制度を利用した企業グループは904あります。このグループの企業が個別に納税した場合、法人税率を30%として計算すると、納税額は約-兆2559億円になるはずでした。しかし、この制度を利用することによって、企業グループが納税した総額は約7195億円となります。その差額5364億円が減税されたことになります。




 制度を導入して以降、連結納税制度を利用する企業グループは年を追うごとに増加しています。減税総額も高い水準で推移しています。
 この制度を利用しているのは、トヨタ自動車や日産自動車をはじめ、住友商事や三井物産、JFEホールディングス、野村ホールディングス、ソニー、東芝、日立製作所など名だたる企業です。
 この制度はもともと、大企業・財界の強い要望に応えて導入されました。政府は、この制度は企業再編に対応したもので、減税を目的としたものではないとしていますが、実際には減税効果を狙って利用されています。
 導入当初は、企業がこの制度を採用することで減少する法人税収を穴埋めするために、「連結付加税」として通常の法人税率に2%の税率を上乗せする制度が設けられていました。しかし、これも財界の要望で04年度に廃止されています。

■空洞化進む
 また、海外展開を進めた大企業向けの優遇税制もあります。企業が海外で利益を得た場合には外国でも課税されるため、その分を日本での税額で減らす「外国税額控除」という仕組みです。一定の範囲では合理性を持つ制度ですが、09年度からは「海外子会社配当益金不算入制度」が導入されています。これは外国子会社から受ける配当などの額の95%を、非課税所得とする制度です。従来の制度では、外国で納めた税額は控除し、日本の税率で計算した税額との差額は納税していました。しかし、この制度の導入で差額すら納税しなくてすむことになりました。
 政府はこの制度について「海外に滞留している利益を国内に還流させるためだ」としていますが、還流した資金が国内で活用される保証はありません。むしろ「海外進出した方が減税になる」と海外進出を促進し、空洞化をさらにひどくする結果になりかねません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年2月25日付掲載



もともと別会社にしたのは、それぞれの企業グループで生産性を追求して、それぞれで黒字をあげるってことが目的のはず。
ある企業グループで赤字になったからといって、すぐに倒産に結びつくわけじゃないし、連結決算にしたからといってその企業グループの業績が改善するわけじゃないし・・・。

「自己責任」って言葉が好きな財界・大企業さんなら、自分のところの企業経営が失敗したことぐらい、姑息なまねで税金をまけてもらうってことをしないで、自分で責任をとったらどうなんでしょうかねえ・・・
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする