2012年12月12日
モスクワ発
[第22回ロ中漁業委員会が行われる]
ロシア漁業庁は、ウラヂオストクにおいて、政府間協定に基づく第22回ロ中漁業委員会が行われていると発表した。
双方は、アムール川とウスリー川の国境域での水棲生物資源の保護、管理、再生産、及び来年2013年の操業条件に合意を予定している。
また、議題には、水産養殖のほか、海洋漁業に関する問題も含まれており、ロシア排他的経済水域における中国漁船による操業の再開についても協議される。
なお、ロシア側は、今年2012年のロシア排他的経済水域における中国漁船による違法操業を防止するための具体的措置を中国側へ要求することになる。
(関連過去情報)
2012年12月07日
モスクワ発
[ロシアが中国とIUU漁業防止協定に署名]
ロシア漁業庁は、2012年12月6日、中国とIUU漁業(密漁密輸)防止協定に署名したと発表した。
署名された協定の枠組みにより、水棲生物資源を対象としたIUU漁業防止のため、共同の技術的措置と施策が講じられることになる。
IUU漁業防止協定は、韓国、北朝鮮とは発効済みであり、今年2012年9月にウラヂオストクで開催されたAPECにおいて、日本とも署名がなされた経緯にある。
密漁密輸の抜け道を断つため、アジア太平洋地域の国々と協定を締結する必要性が指摘されており、この外、米国等ともその準備が進められている。
なお、漁獲証明書制度等を導入し、ロシアはヨーロッパ諸国とは、過去からIUU漁業防止協定を締結しており、その有効性が既に確認されていた。
2012年09月25日
モスクワ発
[ロシア漁業庁は中国とのIUU漁業防止協定署名のため譲歩を検討する]
ロシア漁業庁は、中国との水棲生物資源密漁密輸(IUU漁業)防止協定署名のため、障害となっている、中国によるロシア海域の水棲生物資源を利用するための料金未払いに対する罰金の支払いを免除する提案を行っている。
この提案は、ロシア漁業庁長官クライニーからロシア安全保障理事会事務総長*パトルシェフに対して、訪問先のウラヂオストクの会合で行われた。
ロシア漁業庁によると、中国は、ロシアとの合意に基づく、2004年に発生の債務、61万1千ドルの支払いを履行しておらず、2012年4月1日現在、この8年間で罰金はかさみ債務は160万ドルに膨らんでいる。
ロシアにとって中国とのIUU漁業防止協定署名は大きな課題となっており、この実行を円滑にするため、障害となっている中国の罰金部分支払いを免除しようとする提案である。
ただし、ロシア漁業庁は、確かに中国は、ロシア海域の水棲生物資源を利用したのは事実であり、元金となる61万1千ドルの支払義務は依然として残ると指摘している。
ロシアは同様のIUU漁業防止協定について、EU、韓国、北朝鮮、そして日本とは署名済であり、中国とは、それに至っていない現状となっている。
*ニコライ・プラトノヴィッチ・パトルシェフ(Николай Платонович Патрушев)
ロシアの政治家。安全保障理事会事務総長。上級大将。シロヴィキの有力者の一人。ロシア連邦英雄。1951年7月11日、レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)に生まれる。小学校時代の同級生に内相、下院議長、与党「統一ロシア」党首を歴任したボリス・グルイズロフがいる。1974年、レニングラード造船大学を卒業する。大学卒業後の1975年からソ連国家保安委員会(KGB)の要員となる。KGB高等学校、特技向上課程を修了し、レニングラード市及び同州のKGB支部において、初級作戦係、市班長、地区課副課長、密輸・汚職対策課長として勤務する。ソ連崩壊後は、KGBの解体を受けて、ロシア保安省(MB)に移り、1992年、カレリア共和国保安相に就任する。1994年からモスクワ勤務。ロシア連邦防諜庁(FSK)内査局長、ロシア連邦保安庁(FSB)組織・人事業務部組織監察1998年8月、ロシア大統領府副長官兼監督総局長。同年10月、FSB経済保安部長を歴任した。1999年8月9日、エリツィンがFSB長官兼安全保障会議書記だったプーチンを首相代行(後に首相)に任命したため、同日プーチンの後任として、FSB長官代行、8月16日に正式に長官に就任した。以後、プーチン政権発足以来、同庁長官として、チェチェンなどに関するテロ事件に対応している。2001年大将となる。プーチンに対し絶対的な忠誠心を持ち、プーチンから全幅の信頼を寄せられていると言われる。2008年5月12日ドミトリー・メドヴェージェフ大統領就任に伴い、ロシア安全保障理事会事務総長に就任。