
2017年09月29日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[北海道隣接サハリン州 太平洋サケマス資源再生産に傾注する]
北海道に隣接するサハリン州(サハリン・クリール地域)当局は、同州知事コジェミャコの指揮のもと、太平洋サケマス孵化場の効率を分析し、資源を再生産するための作業に傾注すると発表した。
カラフトマスは、サハリン州の太平洋サケマスの漁獲量の中で伝統的にもっとも大きな割合を占めてきたが、今年2017年漁期は失敗だったとコジェミャコは指摘している。
数年前、サハリン州のカラフトマスの生産量は20万トンを超えていたが、今漁期は約2万8,000トンにとどまり、現在操業が継続されているシロザケも約1万7,000トンで低位となっている。
これらの状況から、サハリン州、サハリン海洋漁業研究所サフニロ、サハリン漁業規制局サハリン・ルイブヴォド、そして業界団体は、太平洋サケマス資源を増加させるため、同州の河川域での再生産のための施策を検討している。
この問題について、まず、産卵場のより確実な保護を提供できる構造を作る必要性が指摘された。
河川における漁獲とその利用をより厳格にするべきだとしている。
また、太平洋サケマス孵化場の活動、機能の分析が指摘された。
現在サハリン州には42の太平洋サケマス孵化場があり、年間8億尾のカラフトマスとシロザケの種苗が生産されている。
それにもかかわらず、沿岸に来遊し漁獲される太平洋サケマスの生産量は減少している。
サハリン州当局は、稚魚放流にかかる種苗生産と回帰率の係数を分析するため、孵化場の活動、機能に関し、より信頼できる情報を得るための行動を開始することとしている。