2023年05月06日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ノルウエー政権 ロシアとの漁業協力 北部の安全保障に貢献 EUは独自にロシア産水産物輸入継続]
ノルウエー漁業副大臣ヴィダル・ウルリクセン(Vidar Ulriksen)は、ロシアと国境を接する国として、またNATO加盟国として、採択された制裁措置の義務を完全に果たすが、水棲生物資源の保全管理と漁業分野の協力を否定すべきではないと表明、むしろこの分野の協力の存在により、一定の交流をもつことで北部の状況が安定していると述べた。
また、野党勢力がロシア船に対するノルウエー港の完全封鎖措置の実施を主張しているが、ノルウエーの港を経由せず、直接、EU諸国へロシア産水産物が供給され続けていると語った。
さらに、ノルウエーは信頼される国家でなければならないと語り、締結した契約を完全に履行すると言及、ロシアとの漁業協力により、北部の状況が安定している側面があると、安全保障への貢献を指摘した。
ノルウエーの資源管理などを専門に扱うフリチョフ・ナンセン研究所(Fridtjof Nansen Institute)も、EUの制裁にやみくもに従うのではなく、慎重にロシアとの漁業協力を取り扱う必要があると指摘している。
ノルウエーがロシアの漁船まで入港を禁止した時、ロシアとの漁業協力にどのような影響を与えるか分析すべきで、長期的な資源管理、安全保障問題を視野に入れるべきだと勧告している。