2023年05月28日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[“ロシア漁業会社”所属スーパートロール3隻目 ”メカニック・マスラク”(Механик Маслак)操業開始へ]
ロシア漁業最大手”ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ “(Русская рыбопромышленная компания「ロシア漁業会社」)所属新鋭スーパートロール漁船の3隻目、“投資クオータ”利用建造プロジェクトの2隻目となる”メカニック・マスラク”(Механик Маслак)が操業を開始する。
サンクトペテルブルグのアドミラル造船所から引き渡された“メカニック・マスラク”は2023年2月22日出港、ブラルタル海峡とスエズ運河を通過、母港にするウラヂオストクに寄港した後、クリール海域で同年4月15日から5月17日の間、試験調整を行い、これを完了した。
「ロシア漁業会社」はスーパートロールのモデル船としてトルコ造船所で“ウラヂミル・リマノフ”(Владимир Лиманов)を建造し2021年に、また、同デザインで“投資クオータ”を利用し国内で建造した“カピタン・ヴドヴィチェンコ”(Капитан Вдовиченко)を2022年10月に、それぞれ操業開始させている。
同社は“ウラジミル・リマノフ”と同タイプのシリーズのスーパートロール漁船を更に“投資クオータ”を利用して10隻揃える計画をしている。
このシリーズ船は全長108mで、年間6万トンの漁獲能力を有し、船内で1万5,000トン以上のスケトウダラのフィレ、ミンス、すり身を船内で生産、残滓はミールとオイルに完全に処理され、漁獲物の最大100%を付加価値製品化することを可能にするプラントが設置される。
今年2023年1月1日から同年4月10日まで展開された春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業の漁獲成績において、「ロシア漁業会社」の当該スーパートロール漁船“ウラヂミル・リマノフ”と“カピタン・ヴドヴィチェンコ”に既存トロール漁船“カピタン・オレイニチュウク”(Капитан Олейничук)が続き、同社が1位から3位までを独占した。