2023年06月13日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(6月2日)]
韓国漁船による自国EEZでの2022年度漁期(管理期間2022年7月-2023年6月)の2022年7月1日から翌2023年6月2日までのスルメイカの漁獲量は、2万6,560トン、前年度同期の63%で、当該管理期間があと1ケ月間となった段階で、TAC設定8万5,590トンに対する開発率が31%にとどまっている。
主要漁業沖合イカ釣りのTACは期中見直しされ、2,200トン上積みされているが、開発率は33%、1万トンにとどかず、前年度同期比66%の7,990トンにとどまっている。
一昨年度(2020年度)漁期となる2021年1月1日から、近海網漁船にもイカのTAC管理が導入されている。
近海網漁業は、2022年度漁期開始から報告日までに、前年度同期を11%上回る4,020トンを漁獲、当初枠のTAC開発率が100%に達し、留保枠利用に至っている。
なお、大型トロールと二艘引き西海トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域において、当該EEZで報告日までに約1万2,130トンを漁獲、前年度漁期に続き、韓国スルメイカ漁業の約半分の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示しており、これまで日本の資源評価において、この動向が、ほぼ論議の対象外となっていることが問題点として指摘されるところとなっている。
*日本の自国EEZの2022年-2024年のTACは、漁獲シェアが高かった2007年当時のデータを参照し生物学的許容漁獲量(ABC)中60%を日本1国で獲れるとの前提で算定した値とした上で、7万9,200トンの設定となっている。