2023年10月07日“北海道が隣接サハリン州を逆転”
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[2023年漁期 40°N以北-180°E以西沿岸 ロシア・北海道 シロザケ漁獲量比較(10月5日)]
“北海道が隣接サハリン州を逆転”
近年、北海道に隣接するサハリン州では太平洋サケマス増殖事業において10億尾内外の稚魚放流を実施しており、昨年2022年、初めてシロザケのみで10億粒を超える採卵が行われていて、その内容を問わなければ、数量的に、双方は、ほぼ、同等の増殖事業を展開していることになる。
一般社団法人北洋開発協会(北海道機船漁業協同組合連合会内 担当 原口聖二)は、一昨年2021年漁期から、シロザケの生産において増殖事業に依存度が高い北海道とサハリン州、そして野生の割合が高いその他のロシア極東地方の各沿岸の当該資源漁獲量の比較を行っている。
北海道より漁期開始が早いサハリン州沿岸のシロザケ漁獲量は、報告日までに2万7,828トン、報告対象日ロ全沿岸の生産の27.5%相当で、これに対し北海道は、2万9,773トン、29.4%となり、資源の北偏傾向が続いている中、サハリン州と比較し、北海道沿岸の資源来遊率が高かく、事業成功度が優位な漁期となっている。
なお、北海道の科学研究機関は、今年2023年漁期の北海道沿岸でのシロザケの漁獲予想量を約8万5,000トンと、先に発表している。