2024年03月14日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2023年 ロシア フィッシュミール輸出 前年比10%増]
昨年2023年のロシアのフィッシュミール輸出量は前年2022年比で10%増加し14万3,000トンに達した。
金額では2億2,700万ドルで11%増加となった。
輸出数量は2018年比で2.6倍に成長した。
主な仕向け国は、韓国と中国になっている。
韓国向けは数量が7万2,000トンで8%増、金額が1億1,000万ドルで14%増となった。
また、中国向けは6万6,000トンで25%増、金額が1億900万ドルで27%増となった。
これにベラルーシ向けが、3,900トン、560万ドル相当で続いた。
ただし、実態として韓国の保税扱いを経由して中国へ輸出される貿易物流ルートが大きく、ロシア産フィッシュミールの80%は中国に吸収されたものとロシア業界は見ている。
養殖漁業大国の中国はフィッシュミールの主要市場であり、世界の消費量の約1/3を占めている。
フィッシュミール、オイルおよび関連製品などの水産原料産業を代表する国際貿易機関IFFOのデータによると、10年間で世界のフィッシュミール生産量が約500万トンになっており、この内、約30%はペルーによって供給され、これに、チリが8%、そしてインドが7%と続いている。
昨年2023年のロシアのフィッシュミール生産量は、前年同期を8.2%上回り、17万4,600トンに達した。
10年間で当該生産量は倍増しており、この先5年間も成長が続く(報告担当者 原口聖二;イワシ資源の継続と衰退期予想と推察)との観測をロシア業界は示している。
FAOによると、昨年2023年、世界の水産養殖部門が生産量で水棲生物資源漁獲量を上回ると見込まれており、この傾向はロシアのフィッシュミールの輸出発展に大きな展望を開くもので、養殖生産量のリーダーであるアジア諸国の市場が最も大きな可能性を秘めているとロシア業界は指摘している。