2024年03月26日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[北海道日本海接続西サハリン海域 スケトウダラTAC期中見直し勧告 3万5,000トンへ]
“日本海スケトウダラ ロシアと日本の資源開発率(漁獲割合)設定 2倍の差”
全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、今般、北海道日本海側資源(日本海北部系群)と分布が重なる西サハリン海域のスケトウダラの今年2024年TACを当初設定2万4,500トンから期中見直しし、1万500トン上積みして、3万5,000トンに引き上げる勧告を行った。
同研究所は、当該海域のスケトウダラの商業バイオマスを24万6,000トンと算定している。
これは、同研究所がバイオマスに対する開発率(漁獲割合)を14%に設定することを妥当としていることを指し示している。
一方、海域が接続して資源分布が重複する北海道日本海側資源(日本海北部系群)への資源開発率は、理解に苦しむMSY設定等の影響受け、この半分の7%に設定されている。
スケトウダラは国際市場価格によって取引されており、保守的過ぎる日本の資源管理と、合理的運用方針をとっているロシアの漁船団の双方の水揚げベースのラグは2倍となり、これが雪だるま式に加工製品価値ベースで8倍、双方の国内で消費された時の経済効果では20倍に膨らむことになる。
なお、同研究所は、来年2024年の西サハリン海域のスケトウダラのTAC設定を更に拡大、4万トンにすることを既に勧告している。