2013年07月10日
サハリン発
[サハリンで太平洋サケマスのセミナーが開催される]
サハリン海洋漁業研究所サフニロにおいて、今年2013年漁期のサハリンとクリール地域の太平洋サケマスにかかるセミナーが開催され、同研究所担当ジヴォグリャドフから、昨年2012年よりは少ないものの、カラフトマス約8万トン、シロザケ約3万トンの漁獲が予想されると発表された。
また、同時に若齢魚の生存率が低い予想であることも報告された。
加えて、同研究所所長ブスロフは、太平洋とオホーツク海のトロール調査の結果から、そのバイオマスは35万トンから40万トン程度と分析され、この中からマガダンとカムチャツカ沿岸、そしてサハリンとクリールの沿岸へ来遊するグループに分かれると説明した。
更に、ブスロフは、基本的に漁期の初めは、カラフトマス操業が支配的となり、後半は、サハリン南部のシロザケ操業へ移行するが、アニワ湾については、ほぼ期待できないと指摘し、せめてもの救いは、魚体が、2011年、2012年と比較して100g程度大きいことだと加えた。
(関連過去情報)
2013年01月01日 サハリン発
[サハリン州のサケマス漁業は2013年も豊漁となるだろう]
サハリン海洋漁業研究所サフニロは昨年2012年末、学術委員会を開催し、今年2013年のサケマス漁業の予想を行った。
学術委員会は、この問題が、関係者にとって非常に関心が高く、それゆえに、様々な憶測と噂がつきまとうため、非営利的漁業者団体の”サハリン漁業者連合”(”Союз рыбаков Сахалинской области”ソユーズルイバコフサハリンスコイオブラスチ)代表チュカヴィンと、環境団体”サハリン環境監視”(”Экологической вахты Сахалина”エコロジチェスコイワッチサハリナ)代表リシツインを招待して行われた。
ただし、サフニロ所長ブスロフは、学術委員会の冒頭、研究所の予想計算は、当然、完璧なものではなく、場合によっては、やや偏狭的な部分もあることを理解してほしいと、その前提を指摘した。
また、ブスロフは、オホーツク海調査の結果に基づき、カラフトマスの資源状況が2009年の記録を超えるものだと報告する一方で、まだ、分析は第一段階のものだと加えた。
詳細な報告は太平洋サケマス担当のカエフと彼の助手ミヘエフによって行われた。
彼らは、直近の漁獲情報を主として基礎におき分析を行ったと報告、その理由として、前年の予想において多くのミスを犯したことを指摘し、その経験から、初めて、来遊数量の数学的モデリングを採用したと加えた。
また、彼らは、サハリン州のサケマスの生産を11万6,000トンと予想していると報告したが、これは、慎重で控えめなものであり、2012年の当初予想が約9万トンだったのに対して、実際に約13万トンが生産されたこともあわせて指摘した。
なお、これらの予想は今後も複数回行われ、勧告漁獲量が修正されていくことになる。
2012年12月20日 サハリン発
[サハリン漁業委員会は今年2012年のサケマス漁期を総括する]
2012年12月17日、州副知事カレプキン外90名が出席し、サハリン漁業委員会が開催された。
今年2012年漁期、サハリン州のサケマス漁業は効果的な管理により、研究機関の勧告に近い漁獲が行われ、約13万トンが生産された。
この内、カラフトマスは勧告漁獲量10万6,393トンに対し9万9,315トン(開発率93.3%)、シロザケ2万9,895トンに対し2万7,915トン(開発率93.4%)、ベニザケ1,697トンに対し936トン(開発率55.2%)、ギンザケ360トンに対し259トン(開発率72%)、そしてマスノスケ1トンに対し0.76トン(開発率76%)が生産された。