2021年02月14日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[北海道隣接サハリン 656トンのシジミの採捕が許可される]
今年2021年漁期、ロシア漁業庁は、北海道に隣接するサハリンにおいて656.11トンのシジミの採捕を許可した。
これは昨年2020年を36.11トン上回っている。
当該漁業はサハリン南西部トマリ地区のアインスコエ湖(48°30′N)において行われ、唯一、同名のアインスコエ(Айнское)社が着業する。
アインスコエ社は、サハリン州において長期的にシジミの商業採捕を継続する唯一の企業でもある。
なお、昨年2020年のアインスコエ社のシジミの採捕実績は約620トンだった。
2021年02月14日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[沿海地方大手”ドブロフロート”製品が取引卸によって不法投棄される]
日本漁船の公海サンマ引き渡し(洋上売魚)実績先”ドブロフロート”(Доброфлот)
社がメーカとして生産した缶詰製品等が、取引卸業者によって、ウラヂオストク郊外に違法投棄される事件が起きた。
違法投棄された「Доброфлот」のロゴが入ったケース等に関する情報がInstagramに掲載され、地域住民によって、それらは数日間回収されなかったと書き込まれた。
メーカとしての”ドブロフロート”社は、取引卸売業者が、保管条件に違反し、製品が劣化、投棄したものとみている。
特に、イワシの塩漬け(сардина иваси жирная специального посола)製品は、外見、缶詰にも見えるが、冷蔵温度帯で保管する必要があり、通常の缶詰のように常温保管をすると腐敗、膨張、破裂を起こすことがある。
”ドブロフロート”社は、製造所固有記号により、違法行為を行った卸業者を追跡していると明らかにした。
2021年02月12日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[日本向け冷凍ベニザケ密輸 3件 刑事起訴]
ロシア沿海地方ウラヂオストク税関当局は、当局が摘発した、日本向けのベニザケ製品67.2トン、3,000万ルーブル相当の違法輸出、3件が刑事事件として起訴されたと明らかにした。
輸出された冷凍ベニザケ製品は、不正確な情報提供によって違法に輸出された。
ウラジオストク税関当局は、戦略的で重要な資源の密輸に関与した3件について、刑法第226条1項に関する違法行為として刑事訴訟始まると発表した。
2021年02月10日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[アレッグ・カン事件 イヴゲニー・ペカリィ 刑事起訴へ]
ロシア検察当局は”極東のカニ王”と呼ばれたアレッグ・カンの外国への違法貿易に協力したイヴゲニー・ペカリィが刑事起訴されたと発表した。
ペカリィは、2017年、アレッグ・カンの指示により、3,870万ルーブル相当、50トン以上のカニを中国に密輸した。
ペカリィは、戦略的で重要な資源の密輸に関与し、刑法第33条5項と第226条1項に関する違法行為で起訴された。
捜査当局によると、カンは、創業したモネロン社、クリリスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス社の事業として、活カニを近隣諸国へ供給する商流と物流を構築、当該事件では、輸出製品は、自身が管理するパナマ、あるいはマーシャル諸島の企業に向ける形をとり、市場価格より大幅に下げた価格で税関申告した上で、実際には中国企業に供給、販売した。
ペカリィは、中国企業との架空の商業取引契約を作成、それに署名し、サハリン税関に対して付加価値税に関する不正確な情報を提出して、カニを密輸することに協力し利益を得た。
ペカリィは、カニの密輸により、170万ドルを受け取り、自らの判断でこれを処分したとさている。
カンには2014年から2015年、カニを輸出する際、やはり、製品価値を過小評価し脱税した疑いがかけられている。
製品はパナマの会社への通関価格で輸出申告されたが、実際には、はるかに高い価格で日本の企業へ輸出され、ロシア国家の損害は2億1,300万ルーブルと見積もられている。
また、カンには、2010年にウラヂオストクで殺害された同業他者ワレリイ・プヒデンコ事件への関与の疑いがかけられている。
カンは、1967年ネヴェリスク生まれで、同地の合弁企業ワッカナイを振出に、カニ漁業にかかわり、極東の“カニ王”と呼ばれるまでになった。
カンは不在のまま起訴され、いくつかの情報によると現在、アジアのいずれかの国に潜伏している。
報告担当者 原口聖二:
ロシアの”ロイヤル・ピープル・アワード”は毎年、国の芸術、政治、ビジネスの最も重要な人物を表彰しており、イヴゲニー・ペカリィ(Евгений Пекарь)は、2017年、海洋ビジネスの発展への貢献を評価され、これを受賞した。イヴゲニー・ペカリィは革新的な中国へのカニ輸送事業により、ロシアと中国の間の貿易関係を強化する上で重要な仲介者となったと称賛を受けていた。
2021年02月10日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[CV19を教訓に ロシア漁業 改めて他国加工能力に依存しないための対策をトルトネフが指摘]
年間漁獲量が180万トンに及ぶ、ロシアのスケトウダラ漁業は、洋上でH&G(ドレス)を生産、中国へ輸出し、同国がフィレ加工してヨーロッパ市場へ再輸出することを主流として成立してきた。
2021年も年明け1月1日から、ロシア漁業にとって最も重要な春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業”Aシーズン”が既に開始されている。
しかし、当該操業製品の主要供給陸揚げ港となる中国の大連と青島が新型コロナウイルス(以下CV19)拡散防止対策で、閉鎖状態となっており、ロシア漁業は重大な危機に直面している。
ロシア副首相兼極東連邦管区大統領全権代表トルトネフは、ロシア漁業庁長官シェスタコフと会合を行い、この現状がロシアの経済的利益と、業界で働く国民の収入に深刻な脅威をもたらしていると語り、あらためて今回のCV19クライシスを教訓に、ロシアの陸上施設での処理能力の拡大、発展にインセンティヴを与えるため、一連の措置を講じる必要があると指摘した。
また、ロシア動植物衛生監督局外、関係省庁部局が多くの取り組みをしているが、中国側がどのような主張をしているのかを正確に把握し、対応することが現状不可能に近いと言及、今後とも海外需要にこたえることが重要なことに変わりはないものの、政府は現在、ロシアの水産業の近隣諸国加工市場への依存を減らすことに力を注いでいると語り、まず、国内での加工能力の強化が必要だと強調した。
これらの目的のために、投資クオータのメカニズムの活用が効率的であり、陸上加工場建設のための一連の支援策を早急に準備する必要があるとトルトネフは加え、プロジェクトの審査期間を短縮し、土地を割り当て、優先体制を構築すると語った。
これらすべての措置は、今後1年半から2年で建設の可能性を確保し、処理需要をカバーできるようにする必要があり、シェスタコフは製品物流に補助金を準備し、代替の市場開拓を強化していくことを確認したと語り、計画を前倒しして、陸上加工場建設のための投資クオータを運用する予定だと加えた。
2021年02月07日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 英国の二枚貝漁業 EUへの製品供給停止状態]
英国とEUは、EU漁船が英国海域に入漁を続けることを許可する貿易協定に、2020年末合意した。
漁獲割当の削減は5年間で25%にすぎず、しかも段階的となっている。
英国が2021年1月1日にEUの共通漁業政策を去って以来、EU漁船の英国海域での漁業の現状はほぼ同じで、EUは、英国海域で大量に漁獲しているにもかかわらず、英国からEUへの貝類の輸出をほぼ停止状態に追い込み、更に関連する規則を強化する計画を示している。
英国は現在、EUによって第三国または独立した沿岸国として扱われており、英国漁業会社は現在、二枚貝のEUへの製品供給については、特定Aクラス海域で採捕され、食用に洗浄されていることを求める衛生証明書等が製品供給に必要となった。
これまでは、ムール貝、ホタテ、カキなどの二枚貝は、EUに到着後、先方業者によって処理され、消費するために販売されていた。
英国政府は以前、当該規則が同年4月にも失効すると伝えたが、現在はEUがこれを恒久化する可能性が指摘されている。
英国"全国漁業者団体連合"(The National Federation of Fishermen's Organisations)の代表Barrie Deasは、EUに”cherry-picking”(サクランボ選び:比喩として「いいとこ取り」)をされていると語り、EU漁船は英国海域に入域しても第三国船のように扱われていないが、英国の企業は、貝をEUに輸出するための追加費用に見舞われることになったと批判した。
英国環境・食糧・農村地域省(Defra)は、この問題を解決するためにEU当局との協議を行うことを計画している。
BarrieDeasは、これらの貿易上の問題のいくつかは、EU単一市場と関税同盟を離れるという決定から生じており、貿易が行われるということだけが、加わっただけで、健康要件に関しては何も変わっておらず、現実的な解決策が見つかることを願っていると加えた。
2021年02月05日
リポート:北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[シェスタコフ ”2030年までの漁業発展戦略”実行状況を報告]
ロシア漁業は、現在、”2030年までの漁業発展戦略 経済成長と国家食料安全保障”に基づき行動している。
ロシア漁業庁長官シェスタコフは、副首相アブラムチェンコが委員長を務める漁業分野発展のための政府委員会において当該発展戦略の実行状況を報告した。
当該発展戦略は、2017年9月15日、サンクトペテルブルグで開催された第1回ロシア国際漁業フォーラム(МЕЖДУНАРОДНЫЙ РЫБОПРОМЫШЛЕННЫЙ ФОРУМ)において発表された。
発展戦略では、要となる4つのプラットフォームを設定しており、経済的発展の第1番目として”新たな白身魚産業”A)スケトウダラ・マダラ・ハドック漁船団の最大70%の更新、B)極東地方、北西地方などにおける白身魚フィレとそれを利用した製品を生産するためのハイテク水産加工場建設、を挙げている。
総合プロジェクト”新たな白身魚産業”では、”投資クオータ”のメカニズムにより、2025年までに43隻の漁船が建造され、26の水産加工場が建設される予定となっている。
現在まで、新規のプロジェクトがともなう”投資クオータ”は77件が合意、契約締結済で、投資額は約1,920億ルーブルに達している。
この内、53件が漁船建造、24件が水産加工場建設で、これに210億ルーブルが振り向けられている。
漁船団は既に5隻が操業を開始、26隻が建造中で、残る22隻も2023年末までにプロジェクトが実行される計画となっている。
また、極東地方で9つ、北部地方で10の水産加工場が建設された。
発展戦略実行を目的とする行動計画には、大型船3隻、中型船7隻の科学調査船更新のための建造が規定されている。
割り当てられた予算に基づき、2023年に2隻の中型科学調査船の建造がネフスキー造船所で開始されることとなっている。
このほか、2020年の商業増養殖生産量が32万8,600トンで、2019年比プラス15%、2016年比でプラス60%と成長していること、また、20のサケマス孵化場を新たに建設する計画であること等が報告された。
ロシアの2030年までの漁業発展戦略”経済成長と国家食料安全保障”
2017年09月 仮訳 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
1.主な事項と要となる指標
(1)累積的なGDP貢献の増加
①GDP貢献の年間平均成長 5%(2017年-2030年)
②水棲生物資源漁獲のトンあたりの漁業会社の粗利益の成長 150%(2030年 養殖漁業を除く)
(2)確実な国家食料安全保障
①水産物の一人当たりの消費量 22-27kg(2020年-)
②水産物の食料自給率 80-90%(2017年-)
(3)国際市場におけるリーダーシップの再強化
①ヨーロッパ製品市場におけるスケトウダラとハドックのシェア 25%(2030年)
②アジア太平洋諸国製品市場におけるスケトウダラとサケマスのシェア 10%(2030年 主に中国国内消費)
(4)人材資本開発
①雇用創出 2万5,000(2030年)
②労働生産性の向上 150%(2030年)
(5)環境負荷の低減
持続的な漁業と養殖にかかるロシア水産業のリーダーシップの国際的認知(2025年 FAO基準)
2.漁業発展戦略の要となる4つのプラットフォーム
(1)経済的発展
①新たな白身魚産業
A)スケトウダラ・マダラ・ハドック漁船団の最大70%の更新
B)極東地方、北西地方などにおける白身魚フィレとそれを利用した製品を生産するためのハイテク水産加工場建設
C)新たな施設による廃棄物処理
②海洋バイオテクノロジー
A)北西太平洋のイワシ資源の成長を利用した高次加工・機能性食品(オメガ3)の生産など
③表層魚製品
A)北西太平洋のイワシ・サバ資源の成長を利用した水産加工と資源の保全
B)ICCAT海域におけるマグロ漁業と資源の保全
④サケマス養殖
A)北西地方、中央地方などにおけるサケマス養殖漁業の成長
B)極東地方におけるサケマス稚魚生産の成長
⑤その他経済成長のためのサポートプログラムの設定など
(2)社会的発展 水産業と関連管理組織の社会的責任の領域
(3)環境的発展 漁業・養殖・法令順守監視システムの新たな規範
(4)戦略設定の発展 戦略実行の管理手順
2021年02月05日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[アレッグ・カン事件 イヴゲニー・ペカリィの捜査が終わる]
ロシア連邦捜査委員会は”極東のカニ王”と呼ばれたアレッグ・カンの外国への違法貿易に協力したイヴゲニー・ペカリィの捜査を完了した。
イヴゲニー・ペカルは、2017年、アレッグ・カンの指示により、ロシア税関当局に商品の価値に関する不正確な申告を行い、外国のバイヤーによる支払いのための金融取引を管理した。
イヴゲニー・ペカリィは、審理を待たず、有罪を認めている。
アレッグ・カンには2014年から2015年、カニを輸出する際、やはり、製品価値を過小評価し脱税した疑いがかけられている。
製品はパナマの会社への通関価格で輸出申告されたが、実際には、はるかに高い価格で日本の企業へ輸出され、ロシア国家の損害は2億1,300万ルーブルと見積もられている。
また、アレッグ・カンには、2010年にウラヂオストクで殺害された同業他者ワレリイ・プヒデンコ事件への関与の疑いがかけられている。
アレッグ・カンは、1967年ネヴェリスク生まれで、同地の合弁企業ワッカナイを振出に、カニ漁業にかかわり、極東の“カニ王”と呼ばれるまでになった。
アレッグ・カンは不在のまま起訴され、いくつかの情報によると現在、アジアのいずれかの国に潜伏している。
報告担当者 原口聖二:
ロシアの”ロイヤル・ピープル・アワード”は毎年、国の芸術、政治、ビジネスの最も重要な人物を表彰しており、イヴゲニー・ペカリィ(Евгений Пекарь)は、2017年、海洋ビジネスの発展への貢献を評価され、これを受賞した。イヴゲニー・ペカリィは革新的な中国へのカニ輸送事業により、ロシアと中国の間の貿易関係を強化する上で重要な仲介者となったと称賛を受けていた。
2021年02月05日
ユーザー 各位
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、年間漁獲量が180万トンに及ぶ、ロシアのスケトウダラ漁業は、洋上でH&G(ドレス)を生産、中国へ輸出し、同国がフィレ加工してヨーロッパ市場へ再輸出することを主流として成立してきました。2021年も年明け1月1日から、ロシア漁業にとって最も重要な春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業”Aシーズン”が既に開始されていますが、当該操業製品の主要供給陸揚げ港となる中国の大連と青島が新型コロナウイルス(以下CV19)拡散防止対策で、閉鎖状態となっており、ロシア漁業は重大な危機に直面しています。
今月号においては、ロシア漁業のCV19クライシスへのマネジメントに関する情報を集約し、TopNewsとしてご報告申し上げます。
なお、ロシア農業省は、2021年1月、漁業庁長官の職位から農業副大臣を外す政府命令改正案を提出しました。2020年11月、首相ミシュスチンが発表した国家機構改革の一環とされています。これら人事の動向等、関連情報もあわせてお知らせ申し上げます。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)
TopNews ロシア漁業庁はスケトウダラの販路開拓模索を継続する
・CV19 スケトウダラ製品 政府介入買い上げ等を検討(CV19拡散防止対策関連外9件)
・漁業庁長官の職位から農業副大臣が外れる(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外17件)
・深海カニ漁獲割当オークション 第5回目 残枠2/6ロットが上場される(カニ漁獲割当配分問題関連)
・ヴァルペ総会で漁獲割当再編案に対する政権向けのP.P.が承認される(投資クオータ関連外4件)
・オ海抱卵スケトウダラ操業 科学OBリポート(春季オホーツク海スケトウダラ操業“Aシーズン”関連外3件)
・オ海操業 一部アフリカ向けニシン操業にシフト(ロシア漁業者スケトウダラ・マダラ・ニシン操業関連外14件)
・ロシア漁業者 2020年漁期生産量 497万トン(ロシア漁業者底魚等操業関連外4件)
・北海道隣接サハリン州コマイ操業概況(北海道隣接サハリン州コマイ操業関連7件)
・目標プログラム”太平洋サケマス2021”により調査研究強化(太平洋サケマス操業関連外5件)
・未記載スケトウダラ製品105トン 船長罰金15万ルーブル(ロシアFOC/IUU取締情報関連)
・米国トライデントシーフード社アラスカ工場 CV19陽性 266名に(その他ロシア漁業関連情報等外29件)
・韓国漁業リポート 韓日/韓中漁業交渉の問題点(韓国漁業関連外2件)
・2021年旧正月スケトウダラ等政府備蓄水産物を放出(韓国スケトウダラ市場価格モニター)
・英国EU離脱 英国業界失望 再び漁業が犠牲に(英国EU離脱Brexit関連外2件)
計111オリジナル報告
2021年02月04日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[北太平洋漁業委員会NPFC サンマ資源を論議]
北太平洋漁業委員会NPFCが、2021年1月20日から同22日までの間、科学委員会専門会議を開催し、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロの代表者がこれに出席した。
当該会議は通信を利用して開催され、ロシアのほか、カナダ、中国、日本、韓国、米国、バヌアツ、台湾の科学研究機関の代表者らも参加して、2020年のサンマ漁業のレヴュー等が行われた。
2020年、北太平洋では、ロシア、日本、台湾、韓国、中国、そしてバヌアツの漁船が、サンマ操業を行ったが、新型コロナウイルス拡散防止対策により、検疫等、複雑な条件が加わった。
近年、サンマ資源の減少傾向が確認されており、特に2020年、各国の着業隻数もおしなべて減少した結果、各漁場では過去最低の漁獲量を示し、総漁獲量は前年2019年比71%相当の約13万7,000トンにとどまった。
当該会議では、一貫したデータ収集方法で、合意されたベイズ型状態空間プロダクションモデル(Bayesian state-space surplus production model:BSSPM)を用いて、サンマの資源評価の結果をレヴューした。
サンマの資源評価の総括としては、2017年のバイオマスが1980年以来の最低レヴェルまでに低下、2017年から2019年、歴史的低水準にとどまり、漁獲量Fが持続生産量を最大化するFmsyを上回っていたことが示された。
この資源評価の問題を議論の結果、サンマ資源に影響を与える生態学的要因の研究を強化することに合意、次回会合において、バイオマスと低漁獲量のモデル推定値を踏まえ、資源の持続可能性を確保するための対策を検討することとなった。