3. 2 世界の現われ ― 生命の外化(3)
世界の現われの第二の特質は、次のように規定される。世界による開示は、すべてのものをそれ自身の外に置く、世界の自己外在化として現実化され、世界はそれによてすべてのものからそれ固有の現実性を奪う。その結果として、世界において覆いを取り除かれたものは、実のところ、非現実性の刻印を押される(voir Incarnation, op. cit., p. 120)。差異化の場所そのものである世界での〈現われ〉は、その差異化の結果として、世界に〈現われたもの〉を己自身と異なったものとするばかりでなく、その〈現われたもの〉に対して原理的に無関心であり、それを愛することも、欲望することも、守ることもまったくない。差異化の場所である世界においては、〈現われ〉は〈現われるもの〉と何らの親近性もないからである。世界における〈現われ〉は、世界に現れるものも人もまったく受け入れることなく、だたそれらを畏怖すべき中立性の中で明るみへともたらすだけである(voir ibid., p. 60)。世界に現われるすべてのものは、私たちの前に同様な仕方で現われる。つまり、すべては、「それが在る」「そこにある」と私たちが言うことによって表現する同じ仕方で、現われるだけなのである(voir ibid.)。