今日は88歳になる近所のおじいさんを誘って、半日ほど山で仕事をしてきた。
朝着いた時は、あたり一面霜に覆われていたが、少し体を動かすと汗をかくような暖かい日になった。
日ごろは炬燵に入ってテレビの番をしているようだが、以前仕事をしていた場所に来ると、足腰まで急にしっかりしてくる。
3年前までは往復4キロの険しい山道を通っていたが、足腰が弱くなり動物の被害も増えて、田も畑も諦めてしまった。
田畑は雑草に覆われて見る影もなく、作業小屋も朽ち果てていくが、老夫婦の跡を継ぐ人は誰もいない。
何も分からないまま山里で暮らすようになってから、農作業や山仕事、ここで暮らすのに必要なことを何かと教わった。
恩返しでもないが、退屈をしている山里の師匠をここに連れ出して、薪を作ったり、焚き付け用の小枝を切り揃えたりしながらのんびり過ごした。