今朝は激しい雨音で目が覚めた。
雨を嫌がっているのか、散歩を促すのか、ユキ(柴犬)が盛んに戸を叩くので、中へ入れてやった。
外も暗いし、土砂降りでは早起きしても何も出来ないと、布団の中でテレビを見ていた。
どの局も市橋容疑者の逮捕や凶悪殺人事件、森繁久弥の訃報を繰り返し伝えていた。
容疑者逮捕は朗報であるが、初動捜査の失敗が尾を引いて、3年近くも逃亡を許したことに不安を感じる。
女子大生遺棄事件も、人間の所業とは思えない残虐な行為を生々しく伝えている。
肉親の人たちのことを思うと、ここまでリアルに報道する必要があるのかと、怒りすら覚えた。
最近のテレビ報道は、芸能ネタも社会、政治ネタも同じレベルで、より刺激的に煽る姿勢が気になる。
90歳を過ぎた森繁久弥がインタビューで、「体は思うように動かないが、心は現役ですよ。」と語っていたのが印象的だった。
役者の本音を読み取るのは難しいことだが、これは含蓄のあるセリフだと思う。
役を演じても、歌っても、文章を書いても一流であった人が、いずれも出来なくなった時の心情を吐露している。
誰も与えられた人生しか生きられない以上、心と体がバランスよく衰えていくことを願うが、ギャップに苦しむ人が多いのも現実だ。
恵まれた人は望み通りにいくかも知れないが、そうでなければ、その時々の生き方が最善と思わざるが得ない。
年齢はともかく、気が付いたら80才なんて人生が理想かもしれない。
雨の日に家で鬱々していると、日ごろ考えもしないことが頭の中をよぎって行く。