飛騨では、秋~冬の農閑期を利用した、しいたけの菌床栽培が行われている。
収穫時期は、ホウレンソウやトマトなどの高冷地野菜が終わった後、11月から4月頃までで、主に関西や名古屋方面に出荷される。
「飛騨やまっこしいたけ」と呼ばれ、肉厚で弾力のある歯ごたえ、大きめなサイズなど品質の良さに定評があり、他の産地に比べると価格も高いが味も良いといわれている。
しいたけの菌床栽培は、ナラやクヌギなどのチップに米糠とフスマを加えたブロックに椎茸菌を植菌し、20℃に保たれたハウス内で培養する。
ビニールの袋の中で、静かに培養されていた菌床の袋を切り、温度を20℃、湿度を65%に保つと、菌が目を覚まして椎茸が育ってくる。
近所の菌床栽培のハウスを見せてもらったが、あと2~3日で出荷出来るとのことであった。
これから来春まで、朝夕の収穫と、サイズごとに分けてパックし、JAに出荷する作業が続く。
このハウスで栽培された椎茸は、昨年の品評会で飛騨地区で銅賞を獲得し、全国大会でも金賞を受賞した実績がある。
これから旬を迎える「飛騨やまっこしいたけ」は、鍋物にも欠かせないが、食物繊維が豊富でコレステロールを下げ、免疫力を高めるなど健康食品としても人気が高い。
中国産などに押されて、出荷量はそれほど多くは無かったが、品質の良さと安全性が評価されて、需要は増えつつあるようだ。