昨夜来の激しい雨は朝には止んで、薄日もさすようになった。
昨日は時間がなくて出来なかった、田んぼの泥虫退治をすることにした。
手ぬぐいで頬被りして菅笠をかぶり、野良着に防虫スプレーをして田んぼに入った。
お供をしてきたユキは、暑くなると水につかったり飲んだりして、退屈さと暑さをしのいでいる。
泥虫は、田んぼのほぼ全体に蔓延していて、かなり酷い状態だ。
中には株全体が白化して、かなり弱々しい稲もあった。
竹箒で払えば早いといわれたが、稲を傷めそうなので、手間は掛かるが藁の手箒を使うことにした。
稲に付着している泥虫を、左右前後に箒で払い落とし、株元に付いているのは指で潰していく。
梅雨の間だけ活発に稲の養分を吸って、さなぎになるまで稲に被害を与えるが、既に白いさなぎになっているのもあったので、どうやら峠は越えたようだ。
田植え前に、稲箱の苗に殺虫剤を使えば防げるのだが、無農薬にこだわる以上は手間が掛かるのはしょうがない。
4時間ほどで9割方の泥虫を退治したが、もう少し早く駆除しておけば、よその田のように青々と逞しく育っていたのにと悔やまれる。
にわか農夫が遊び呆けている間も、昼夜の別なく吸い続ける小さな虫の根気には、今回も敵わなかった。