毎日がジメジメ・シトシトで、空模様も気分もすっきりしない。
湿度も80%を越して、洗濯物が一向に乾かない。
壁も床も水分をたっぷり含み、障子紙は弛み、畳もしっとりとしている。
古い木造の家は、外気の影響をもろに受けるので、家の中に長く居ると心まで濡れてしまう。
野山の植物は、こんな天気が好きなようで、生き生きとしているのがうらやましい。
つゆ草はアジサイと同じで、梅雨時に良く似合う花である。
朝に開いて午後には閉じる不思議な花だが、赤むらさきの儚げなところが今の季節に似合う。
ノアザミも田んぼへ通う農道の脇に咲いているが、ここを通るたびに、「♪いとしき花よ 名はあざみ~」をくちずさんでいる。
桑の実も赤く色づき、濃い紫色の食べごろの実も混じってきた。
ここでは、「♪山の畑の桑のみを 小かごに摘んだは いつの日か~」を歌いながら、甘酸っぱい実を口に含んでいる。
休耕田の睡蓮は花期が長く、まだ薄紅色や純白の装いで、艶やかさを競っている。
雨の合間を縫って田んぼ通いをしているが、ここまで来ると陰々とした気分も、いくらか晴れてくる。