後半、2点ビハインドになった川崎は、逆転するためにはリスクを冒して攻めなければならないので、3枚のMFのうちシミッチだけを残して、脇坂と遠野を思い切って上げて、最大5枚で攻め切る戦略できました。もっとも、交代枠が実質二つしかないというのは川崎のチーム全体に影響があり、負傷交代するわけにはいかないという気持ちが、チーム全体のプレー強度を落とした感もあります。
浦和としては、引き気味に入って川崎の攻めをブロックの外側に限定させる手でした。夏の暑さの中の試合なので、どうしても90分間フルに前から行くのは不可能と見た、ロドリゲス監督の現実主義でした。選手交代も守備を意識したもので、暑さの中体力には自信がある柴戸を入れて守りを固めに行きました。柴戸はACLなど、条件の悪い試合で力を発揮した実績があります。
また、浦和はカウンター狙いを明確にするために、FWにユンカーを入れてきました。どうしても前にかかる川崎に対し、ユンカーのスピードでDFラインの裏へ走らせるのは有効でした。この狙いが効いて、80分まで浦和は2点リードを守っておけました。これは逃げ切れそうだと思われた、82分にミスが起きます。柴戸が右サイドを突破した相手FWを引っ張ったというファウルを取られ、川崎ボールのPKになります。
このPKを家長が決めて2-1となり、川崎としては残り時間で押し込めば勝ち点1も狙えそうな展開です。しかし、ベンチにいた二人だけのフィールドプレーヤーの宮城と山村は既に使っていました。川崎は交代枠で戦い方を変えることができず、疲れた選手を替えることしかできなかったこともあって、浦和はカウンターから関根がサイド深くで持ち、折り返しを岩尾が決めて3-1とします。
この3点目はほぼゲームを終わらせる効果がありました。川崎の反撃をしのぎ切った浦和はこのゲームを確実に勝ち切ります。相手がコロナ続出で苦しかった事情はありますが、サイドを仕掛けるロドリゲス監督のサッカーは機能しました。今季初の3連勝、内容も良くこれからの浦和には期待できそうだと思っています。
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