kotoba日記                     小久保圭介

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豆本/渡し板

2014年03月07日 | 生活


名古屋で開かれている
吉田知子展

<ご自由にどうぞ>
と書かれてあったので
紙一枚を
折りたたんだ
小さな本「しっぽ」を
頂いてきた
友人知人の分も
と思ったけれど
やめておいた

吉田知子の金銀の功績よりも
彼女が作った
ズラリと並んだ
豆本の展示が一番素敵

何故に豆本だったのだろう?
と思った

マッチ箱に入っている
本当に小さな
それでいてちゃんとした本

「豆本が一番良かったです」
と本人に言えば
きっと喜んでくれるように思います

---

地下鉄
座席に座っていた人が
車椅子に移動した
とっさのことだったので
車椅子が動かないように
後ろから支えた

どこで降りるのだろう
と気にしていたら
駅につくと
駅員が彼を待っていて
(彼が乗った駅の駅員から、連絡が入っているのだろう)
ぱたんぱたんと
音がしそうな(しない)
銀色の渡し板が登場
車両とホームとの間に
渡し板が敷かれ
彼はホームに降りた
どっこいしょ
と少しだけ
心づもりはしていたのだけれど
渡し板を持った駅員を見て
ほ っと して


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移動図書館

2014年03月06日 | 生活
晴天

かなり強く
寒い

移動図書館と書かれた
小型バスが
本を積んで
北へ向かった
青地に黄色の線
風の中
北へ向かった

映画館が近くになかった頃
住宅の白い壁面を
スクリーンにして
白黒映画を
上映していた

図書館にゆけば
盲いる人のために
朗読してくれる館員がいる

心地よい声さえあれば
どんな物語でも
美しく聞こえる
どう語られるかだ
そこに尽きる

植え込みの

気づくと
大きくなっていた
だから
「植え込みの緑が大きくなってます もう春ですね」
と言ってみた
予想通り
「そうですね」
と心地よさそうに
声が
返ってきた(帰ってきた)

これからは
こんなふうに
小さな秋の如く
小さな春を
見つけて歩く

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慈雨

2014年03月05日 | 生活


荷が重いのです(比喩ではなく)
労働場までゆく
息を出して

お昼
西の空が明るんできたので
雨があがるかもしれない
と思った
けれど
雨は最後のあがきの如く
ざあざあ 降る

午後3時に雨があがり

夜 風、強し

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あ 山がきれい

2014年03月04日 | 生活
朝の電車
本を読んでいると
「あ 山がきれい」
と女学生が言うので
ハッとして
振り向くと
車窓遠くに
山脈 頂きに雪
「青い山」
と言うけれど
よく見ると
グレイに見える
藍にも見える

山肌の凹凸も見え
空気が澄んでいる証拠

いつだったか
帰り道
田園を自転車で漕いでいると
この山脈が
今朝よりさらによく見え
山に立つ
鉄塔の数が数えられるほどだった
あれは素敵な絵

「今日は風がないからいいね」

フランクリン先生が言った

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青空

2014年03月03日 | 生活
遠く
養老山脈
雪で白くなっている山
けれど
陽光が雪をとかしてゆく季節

山脈が現れ
草、出
鳥、来
やがて盛夏 みのり

門を開けると
石炭の匂い
白き煙
庭先で
燃やす

石炭の匂い
小さな時
汽車の音が聞こえると
窓をあけ
窓枠に乗り
家々の隙間から
蒸気機関車や
煤けたオレンジ色のディーゼルが見えた
それは
祖父母に訊くと
亀山にゆくのだという

窓枠に乗って
視線を東から
西へ移動させ
また家々の隙間から
見える貨物列車

石炭が匂ったのだ
天空に
煙を吐いて

ただ今も
匂っている
半世紀前と同じ
石炭の匂い

---

花粉症に効くという
ツボ
それを昨夜から
押していると
ただ今も
押していると
鼻通りがスッとよくなる

青空



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現代

2014年03月02日 | 生活



図書館や銀行
スーパーと八百屋に
行って
志賀公園に
鮮やかな
梅が咲いていた
赤いのがたくさん
白いのもあった

何日分かの新聞を読み
また寝入る
足裏が疲労のバロメーター
疲れていると
足裏から
ほやほやしたものが
湯気のように
体の外に
出てゆく感覚がある
あれは何だろう

気は北・西から入り
南・東へ抜ける
気は眠っているとき
頭から入り足裏から出てゆく
ゆえに
北西に頭を向けていれば
デトックス効果抜群

---

藤井貞和の本によれば
「現代」とは一ヶ月以内のことをいうらしい
一ヶ月前
一ヶ月後
それが現代
連想した単語は
「現代詩」「現代音楽」「現代美術」
そう考えれば
現代は一ヶ月以内なのだから
今が一番の「現代」の中心になる

上記の中心に「なる」を書き終えてから
「なる」はすでに現代から遠ざかり
この記事を投稿した時は
確実に現代から遠ざかり
いずれ桜が咲く頃
この文は近代になる
なんと
素敵なこと!

藤井貞和の「春楡の木」は
もう一度読みたい
この詩集には
大事なことが
書かれてあった
まだ書き写したいことが
あるから
また借りよう



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少年

2014年03月01日 | 生活


車から
降りる


少年だ

土曜日
彼は
車から降り
建物に入っていった

車は車庫にゆき
玄関は
誰も
何も
なくなった

---

両手がつかんだもの
両手がふれたもの

誰かの手に
包まれますように

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