日本原子力研究開発機構は9月12日、次世代原子炉「高温ガス炉」の新燃料を開発したと富山市で開かれた日本原子力学会で発表した。
従来の約3倍となる、1日にウラン1トン当たり1キロワットのエネルギーを取り出すことが可能という。
機構は「実用化に向けた鍵の技術が確立できた」としている。
高温ガス炉は燃料の冷却に水ではなくヘリウムガスを使うのが特徴で、機構は東京電力福島第1原発事故で起きた炉心溶融や水素爆発が起きないとしている。
大型化が難しいデメリットもあるが、ポーランドなどで導入に向けた動きがある。
機構によると、高温ガス炉の燃料は微小な球状のウランをセラミックスの被膜で覆ったものを使う。
燃料からより多くのエネルギーを取り出すと発生したガスで被膜が破損する恐れがあるため、被膜やガスがたまる空間を厚くし、破損の確率をほぼゼロにできたとしている。
機構は茨城県大洗町に高温ガス炉の研究炉を持っている。
発電設備はなく、基礎的研究や高温を利用した水素製造技術の開発を進めている。
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